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マツダ、従来塗装品を超える質感を実現した「バイオエンジニアリングプラスチック」を三菱化学と共同開発

2015年に発売予定の新型「ロードスター」の内装部品にマツダ車として初採用

2014年12月10日発表

従来塗装品を超える質感を実現するという「バイオエンジニアリングプラスチック」は、2015年に発売予定の新型「ロードスター」の内装部品にマツダ車として初採用される(写真は9月のファン参加型イベント「マツダ ロードスター THANKS DAY IN JAPAN」で公開された車両のもの)

 マツダは12月10日、三菱化学と共同開発した、自動車の外装意匠部品として使用可能な「バイオエンジニアリングプラスチック(バイオエンプラ)」を発表した。このバイオエンプラを使った試作部品を、12月11日~13日に東京ビッグサイトで開催される環境展示会「エコプロダクツ2014」に出展することも合わせて発表している。

 同社はかねてからバイオマス領域での技術開発に積極的に取り組んでおり、これまでに植物由来の材料「マツダバイオテックマテリアル」として、業界初の高耐熱・高強度な自動車内装部品用バイオプラスチックの開発や、世界初の植物由来100%の繊維からなる自動車用シート表皮の開発に成功している。

 しかし、自動車の外装に使われる材料は高い質感はもとより、耐候性、耐傷付き性、耐衝撃性など、さまざまな厳しい環境に耐える材料であることが求められるため、バイオプラスチックでの実現には技術的に課題があったという。

 しかし今回、成形性がよく、耐久性の高いバイオプラスチック母材の開発をベースに各種の添加剤、着色剤の混合による材料組成の最適化(特許出願中)、成形時における金型仕様の最適化などに取り組んだことで、自動車の内装はもとより外装にも使える材料の開発に成功。これにより、塗装したABS樹脂などの従来材料と同様の耐久性を持ちつつ、従来塗装品を超える質感を実現したという。

 同材料は、2015年からグローバルで発売予定となっている新型「ロードスター」の内装部品にマツダ車として初採用される予定で、その後順次、量産車の外装部品にも採用するとしている。

(編集部:小林 隆)