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スズキ、女性に人気の新型軽乗用車「アルト ラパン」発表会

女性のみで構成されたワーキンググループが女性の目線で開発を実施

2015年6月3日開催

 スズキは6月3日、新型軽乗用車「アルト ラパン」を全面改良して販売を開始。同日に東京都内で記者発表会を開催した。発表会には、スズキから代表取締役副社長 本田治氏、国内営業本部 副本部長 鈴木敏明氏、四輪技術本部 第1カーライン アルト ラパン チーフエンジニア 河村恭博氏が出席して、3代目となる新しいアルト ラパンについて語った。

 なお、新型アルト ラパンの価格やグレード展開などの詳細は、下記の関連記事を参照されたい。

スズキ、120kgの軽量化とエネチャージ採用などで最高35.6km/Lの新型「アルト ラパン」

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150603_705123.html

写真で見る スズキ「アルト ラパン」

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/20150603_705030.html

歴代アルト ラパンのデザインを継承しつつ、より女性好みにするため角を落とし「まる しかくい」スタイルに仕上げている
左から、スズキ 四輪技術本部 第1カーライン アルト ラパン チーフエンジニア 河村恭博氏、スズキ 国内営業本部 副本部長 鈴木敏明氏、スズキ 代表取締役副社長 本田治氏

 最初に発言したのは、スズキ 代表取締役副社長の本田氏。本田氏からは近年の軽自動車ユーザーの平均年齢について解説され、スズキを含めた軽自動車メーカー全銘柄におけるユーザーの平均年齢が年々高くなっていたと語られた。しかし、スズキに関しては2012年を境に平均年齢が下がっていて、これは歓迎すべき傾向であるとの見解だった。

 若い世代に人気があるという点に関連して、先代となる2代目アルト ラパンでは、ユーザーの約6割が20~30歳代という若い人であることが特徴で、加えてアルト ラパンでは、なんと約9割が女性オーナーであるというデータも公表された。つまり、歴代アルト ラパンは若い女性から圧倒的な人気を持つ車種であったということになる。

 これを踏まえ、3代目になる新型アルト ラパンが目指したのは「女性がクルマの購入を考えるときに、まっさきに思い浮かべてもらえるクルマ」ということであった。そのために大切なのが内外装のデザインなので、ここは従来型を超えるべくこだわった部分であることを強調。それに加えて新型アルト ラパンでは、2014年12月に発売された新型「アルト」にも使われたされた新しいプラットフォームを採用。高い剛性と軽量化により、軽快でしっかりした走りを実現することで、運転のしやすさと安心の走りの追求についてもアピールしていくという。

2002年1月に初代アルト ラパンが誕生。そして2008年11月の2代目のアルト ラパンが発売された。スズキのラインアップでは異色といえる女性に圧倒的な人気を持っていた。そしてこの日、3代目になる新型アルト ラパンが登場した
平均年齢が高まっていた軽自動車メーカー全銘柄の統計。そのなかでもスズキは、一昨年から若干ではあるが平均年齢が下がってきている。これは「喜ばしい結果」とのこと

 車内の作りについての内容とポイントは、チーフエンジニアの河村氏が解説を実施。新型アルト ラパンでは企画検討段階から「女性に『欲しい』と思ってもらえるクルマにする」という目標を立て、女性のみで構成するワーキンググループを作り、女性の目線で「女性から求められるもの」のイメージを固めていったという。それに加えて開発者にも女性を起用し、さらに細やかな意見を盛り込んだ作り込みを行ったとのこと。

 そのためのキーワードが「こだわりのデザイン」「シンプルでわかりやすい仕様と機能」、そして「うれしい快適装備」という3つ。デザインについては歴代アルト ラパンの「ぬくもりのあるカタチ」を継承しつつ、角をより丸くデザインした「まる しかくい」プロポーションを作りあげている。細かい部分では、ヘッドライトは指輪をイメージしてデザイン。また、歴代アルト ラパンにも使われていたウサギの形をした「ラパンマーク」をヘッドライト、テールランプ、ハイマウントストップランプなど、ボディーのあちらこちらに組みこんでいる。

 そして車内のデザインコンセプトでは、これまでの女性ユーザーから寄せられた「車内がリラックスできる空間であって欲しい」という声を参考に、インテリアは「シンプルなデザインの部屋」をモチーフにしたくつろげる空間に仕上げているとのこと。さらに肌や髪に優しい弱酸性イオンを放出し、ウイルスや雑菌を抑制できる「ナノイー」搭載フルオートエアコンと、約99%の紫外線をカットするプレミアムUV&IRカットガラスなどを新たに採用して、女性のためを考えた理想の車内を作り出している。

新型アルト ラパンの開発では、初期の段階から女性だけのワーキンググループを結成。色々なアイデアが出され、開発時も常に女性の目線で方向性を定めた。それ結晶がこのクルマとなっている
キープコンセプトでありながら、角を落として丸みを持たせたデザイン。ヘッドライトは指輪をイメージしたデザインで、レンズカットやランプ内部構造も凝っている。また、車体各所にラパンマークがちりばめてある
ホイールキャップやアルミホイールのデザインは花びらがモチーフになっている
1色塗装だけでなく、ルーフとボディーを塗り分けた2トーン設定もあるので、ボディーカラーは合計12パターンもある。写真のモデルは「フレンチミントパールメタリック ホワイト2トーンルーフ」
とくにこだわったインテリアデザイン。シンプルでオシャレな部屋をイメージした造形と配色、そして便利でかわいらしいアイデアが盛り込まれている。これは男性から見てもとても魅力的なデザイン
2014年末に発売された新型アルトと同じプラットフォームを採用。室内の広さが向上し、前席のヒップポイントを高めたことで、視界がよくなって運転しやすさも向上している
日焼けを防ぐプレミアムUV&IRカットガラスを採用。エアコンはエステ気分が味わえる「ナノイー」フルオートエアコンを装備
ドライブサポート機能としては、車体の四方に付けられたカメラと画像処理による全方位モニター機能を持つ。駐車時に便利なだけでなく、見通しのわるい道路での安全確認にも使える。また、音声案内つきのスピードメーターも軽自動車で初めて搭載
新型アルトと同じプラットフォームの採用で、軽量化と高剛性化を両立。運転しやすさにつながる部分でもあり、女性のことを考えたクルマとして重要な部分。また、新型エンジンなどにより燃費も向上。さらに全車にレーダーサポートブレーキシステムも搭載する
新型アルト ラパンのラインアップと価格の一覧

 快適装備に関しては、駐車の補助を行う「全方位モニター」をメモリーナビゲーション装着車に採用。これは駐車時だけでなく、左右の見通しがわるい場所で前進するときの左右確認や、細い道を通り抜けるときのサイドスペースの確認用にも使えるという装備だ。こうした実用性の高い機能だけでなく、遊び心も取り入れたアイディアとして、音声案内付きのスピードメーターも軽自動車で初めて搭載。これはドアの閉め忘れや点検時期のお知らせに加え、クルマに乗り込んだときに挨拶などを、キャラクターのアニメーションと音声で表現する機能も取り入れている。

 燃費に関しても改良型のR06A型エンジンの採用や軽量化、走行抵抗の軽減、エネチャージの採用などにより、先代アルト ラパンと比べて、約37%の向上となる35.6km/L(2WD CVT車)と大幅に向上している。さらに全車に「レーダーサポートブレーキシステム」を採用して安全性も高めていることが語られた。

 新型アルト ラパンの発表会は、「このように、新型アルト ラパンは女性との対話から、見た目のかわいらしさやオシャレだという面だけではなく、使いやすさにも徹底的にこだわったクルマであります」という言葉で締められた。

会場に展示されていた新型アルト ラパン。左から「コフレピンクパールメタリック ホワイト2トーンルーフ」「カシスピンクパールメタリック」「パールホワイト」の3色。
アルト ラパン Xのインテリア。明るく落ち着いた色遣いとなっている。ルーフトリムはこだわりのキルティング風仕上げ
こちらはアルト ラパン Xをベースの販売店オプションを装着した「ガーリーエレガントスタイル」仕様
アルト ラパンの特徴的オプションであるルーフキャリアも健在。こちらは「カジュアルスタイル」
販売店アクセサリーのラインアップ展示。インテリアを自分仕様に作りあげるアイテムが揃っている。また、ラパンマーク入りのオリジナルグッズも用意されていた
3代目となる新型アルト ラパンも、先代に続いて女性に支持されるモデルになりそうだ

(深田昌之)