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BMW、新型プラグインハイブリッド「330e」「225xe アクティブ ツアラー」発表会
電気のみで「330e」は36.8km、「225xe アクティブ ツアラー」は42.4km走行可能
(2016/1/27 00:00)
- 2016年1月26日開催
ビー・エム・ダブリューは1月26日、プラグインハイブリッドの追加モデルとして、スポーツ・セダン「3シリーズ」の「330e」、スポーツ アクティビティ ツアラー「2シリーズ アクティブ ツアラー」の「225xe アクティブ ツアラー」を2車種同時発表した。
ニューモデルとなる330eの詳細と225xe アクティブ ツアラーの詳細はそれぞれの関連記事を参照していただきたい。
「7シリーズ」にも2016年中にプラグインハイブリッドを追加
同日、都内で開催された「330e」と「225xe アクティブ ツアラー」の記者発表会では、まず、ビー・エム・ダブリュー 代表取締役社長のペーター・クロンシュナーブル氏が登壇。2016年になって最初の記者会見ということで、製品紹介に先立って、2015年の振り返りを実施した。
2015年のBMWグループジャパンでは、BMWとMINIを合わせて6万7000台に上る車両を販売。この数字は「カーインポーターとしてトップ」であるとしている。さらにBMW Motorradでは4700台以上を販売し、日本市場での最高記録となっているという。MINIでも2014年以降のディーゼルモデルや5ドアモデルなどの展開が功を奏し、過去最高の2万台以上を販売。BMWも4万6200台となり、2008年の金融危機以降で最高の結果であるとしている。
このBMWの好調は、2015年5月に市場投入した「2シリーズ アクティブ ツアラー」「2シリーズ グラン ツアラー」というコンパクトセグメントのモデルが、とくにディーゼルモデルで好評を博し、ディーゼルモデルの販売比率も最大35%と大きく引き上げているという。これに加え、コンパクトモデルの「1シリーズ」、バックボーンとなる「3シリーズ」が一新され、年末にかけては「X1シリーズ」「7シリーズ」も全面刷新が行なわれるなど、2016年は最高のポジションでビジネスが進められると語っている。
2016年以降に進めていく新しい事業については、まず東京・お台場に新たに設けるBMWグループの「ブランド体験型販売拠点」についてクロンシュナーブル氏は解説。今年の夏にオープンするというこの新施設では、BMW、MINI、BMW Motorradの幅広い車種を展示するほか、広い敷地内で試乗やドライバートレーニングのプログラムも実施されるとのこと。このような施設はグローバルで見てもまだ存在しないもので、これによって自分たちが日本市場に対して自信を持って臨んでいることの現われであるとしている。
このほか、春に「MINI コンバーチブル」をリリース。クリーンディーゼルモデルの攻勢を強めていくとしたほか、「M2」「M4 GTS」といったMモデルの日本導入について予告。さらに2016年には、7シリーズのプラグインハイブリッドや「リモート・パーキング車両」の販売も行なうことを明かしている。
クロンシュナーブル氏は、同社の推し進めているサスティナブルモビリティ戦略に基づき、今後さらにプラグインハイブリッドのラインアップ充実を図っていくと語り、「i8」から始まったプラグインハイブリッドが「X5」、さらに同日発表した2モデル、暮れごろをめどに7シリーズと拡大。将来的には“BMWコアモデル”のすべてにプラグインハイブリッドを提供していきたいと意気込みを口にした。
具体的な製品解説は、ビー・エム・ダブリュー BMWブランド・マネジメント プロダクト・マーケティングマネジャーの岡田裕治氏から行なわれた。岡田氏は「BMWのプラグインハイブリッドモデルは、単にゼロエミッション走行が可能で、環境に優しいというだけではありません。すでにBMW i3やi8といったモデルで実証されていますが、BMWの電動化技術『eDrive』を採用するクルマは、優れた環境性能を実現する一方で、お客さまがBMWブランドに期待する『駆け抜ける喜び』という価値を、まったく犠牲にすることなく実現しているところにあります」と解説。
また、この2モデル追加で4モデル。将来的な7シリーズのプラグインハイブリッド「740e」で5モデルと多彩な車種にプラグインハイブリッドを展開する同社だが、1つの技術を水平展開して使いまわすのではなく、搭載車両の特徴に合わせてシステムを使い分けていることを岡田氏は強調。「例えば、非常にスポーティなデザインを持つi8は、それ故にデザイン上の制約が非常に大きく、電気モーターを車両フロント側に、エンジンをリアにと並立して配置し、前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動を使い分けています。また、車両中央にはプロペラシャフトではなく、非常に重いリチウムイオンバッテリーを配置することで、スポーツカーならではの最適な重量配分を実現しています」と語っている。
「330e」の車名では、最初の3が3シリーズであること、続く30が3.0リッター自然吸気エンジン並みのパフォーマンスを持つこと、最後のeが電気走行可能なeDriveテクノロジーを採用していることを意味している。エンジンは「320i」にも搭載されている直列4気筒DOHC 2.0リッターBMWツインパワー・ターボ・エンジンで、これに最大トルク250Nmを発生する電気モーターを8速ATに組み込んで搭載。システムトータルでの最高出力は185kW(252PS)、最大トルク420Nmを発生。0-100km/h加速は、320iや320dを上まわる6.1秒を実現している。
このほか、モーターの力のみで最高速120km/h、JC08モードでの航続距離は36.8kmを達成。走行用のリチウムイオンバッテリーもトランク下にフラットに収めており、クラスの平均的なセダンに求められる収納力を十分に備えているとしている。
「225xe アクティブ ツアラー」の車名では、最初の2が2シリーズであること、続く25が2.5リッター自然吸気エンジン並みのパフォーマンスを持つこと、xが4輪駆動車であることを表わし、最後のeが電気走行可能なeDriveテクノロジーを採用していることを意味している。
エンジンは「218i」にも搭載されている直列3気筒DOHC 1.5リッターBMWツインパワー・ターボ・エンジンをフロントに搭載。これに加え、リアアクスル上に最大トルク165Nmを発生する電気モーターを設置。2シリーズ アクティブ ツアラーの長所である広々とした室内空間に影響を与えないレイアウトとしている。
システムトータルでの最高出力は165kW(224PS)、最大トルク385Nmを発生。0-100km/h加速は、218iや218dを2秒以上上まわる6.7秒にまで高めている。モーターの力のみでの走行では、最高速125km/h、JC08モードでの航続距離は42.4kmと、いずれも330e以上の数値を実現している。