三菱自動車とヤマト運輸、軽商用電気自動車の集配実証走行試験を開始
ミニキャブバンをベースにしたEV

10月14日発表



 ヤマト運輸と三菱自動車工業は10月14日、三菱自動車が試作した軽商用電気自動車(EV)を活用し、共同で集配実証走行試験を開始すると発表した。実証走行試験開始日は10月15日で、試験車輛は東京都大田区のヤマト運輸東糀谷1丁目センターに導入される。

 軽商用EV試験車による集配は、商用EVの採用を検討していたヤマト運輸と、商用EVの開発を進めている三菱自動車が協力し、行なわれることとなった。

 実証走行試験車は、三菱の軽商用ガソリンバン「ミニキャブバン」をベースとしたもの。i-MiEVに搭載しているEV専用コンポーネントの駆動用バッテリー、モーターなどを組み込んだ。実証実験では、試験車を実際の集配業務用車に使用し、さまざまな走行データを収集・分析することで、実用性を確認する。

 ヤマト運輸では、現在約4万5000台の車両を保有しているが、2010年3月末現在の低公害車数は1万1538台で、そのうちハイブリッド車は4659台。環境に配慮した車両の導入を進めるほか、車両台数の抑制、エコドライブの推進、走行距離の短縮、モーダルシフトの推進といった取り組みを通じ、環境負荷の削減に努めていくとしている。

 既に、安全・エコドライブ指導の際に使用する車に「i-MiEV」10台を導入しており、今後、試験結果を踏まえ、軽商用EVの採用についても検討を進め、積極的に車両のエコ化を推進していく。

 一方の三菱自動車は今後、試験結果を自社の商品開発にフィードバックするとともに、軽商用EVの早期市販化により乗用車と比べて1台あたりのライフトータルでの走行距離が長い商用車をEVラインナップに加えることを目指す。

(椿山和雄)
2010年 10月 14日