トヨタとマイクロソフト、Windows Azureベースの次世代テレマティクスプラットフォーム構築に向けた戦略的提携 2012年発売のEV、PHVでWindows Azure採用 |
トヨタ自動車と米マイクロソフトは4月7日(現地時間)、マイクロソフトのクラウドサービス用OS「Windows Azure」をベースとしたトヨタの次世代テレマティクス向けグローバルクラウドプラットフォームの構築に向けた戦略的提携について基本合意し、マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOと、トヨタの豊田章男社長が共同発表を行った。
トヨタ自動車の豊田章男社長 | マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO |
トヨタは2012年に市販予定の電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)のテレマティクスサービスの展開にあたり、Windows Azureを採用。2015年までにトヨタとマイクロソフトが共同で、独自のグローバルクラウドプラットフォームの構築を目指していくと言う。
トヨタは、スマートグリッドへの取り組みの一環として人と車と住宅をつなぎ、エネルギー消費を統合的にコントロールするシステム「トヨタスマートセンター」の実証実験を日本で実施しているが、将来的にはこのグローバルクラウドプラットフォームを活用し、「トヨタスマートセンター」のグローバル展開を図っていく。
今回の提携を受けて、トヨタの顧客向けIT業会社であるトヨタメディアサービスは、10億円の増資を実施し、グローバルクラウドプラットフォーム構築の業務をトヨタから請け負う。この増資に関しては、トヨタとマイクロソフトが出資するが、出資金額などの詳細については、今後の調整事項としている。
今回の提携にあたり、マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは「今回のトヨタ自動車との戦略的提携は、『お客様の車内でのコネクテッドエクスペリエンス(接続体験)』の実現に向けた、我々の自動車産業への継続的な投資である。また、『Windows Azure』が、トヨタが世界中の自動車にテレマティクスサービスを提供するために必要な大規模なプラットフォームを構築することにより、クラウドのさらなる可能性を実証することにもなる」と述べた。また、トヨタの豊田社長は「先月発表した『トヨタグローバルビジョン』で『新たなモビリティ社会の実現』に貢献したいと述べたが、今回の提携はその具体策の1 つである。トヨタはクルマと家と情報をつなぐスマートコミュニティサービスをクルマの新しい付加価値と位置付け、『トヨタスマートセンター』のグローバル展開を推進していく」と述べた。
(編集部:谷川 潔)
2011年 4月 7日