スバルが初参加した「トヨタ ガズーレーシング フェスティバル 2011」開催 トヨタ、スバルのレーシングカーが多数出走 |
11月27日、静岡県の富士スピードウェイにて、「トヨタ ガズーレーシング フェスティバル 2011(TGRF2011)」が開催された。昨年まで「トヨタ モータースポーツフェスティバル」として開催されていたイベントだが、今年から名称を変更。「モータースポーツ」という言葉を外したことで、モータースポーツファンを含むクルマ好き全般を対象としたイベントになった。また、今回初めてスバル(富士重工業)の車両が参加したほか、ファミリー向けの会場内イベントなども用意され、家族全員で楽しめるイベントとなった。入場者数は30,000人。
ウェルカムセレモニーで挨拶に立ったトヨタ自動車 代表取締役社長の豊田章男氏は、「今回からは趣向を変え、クルマ好きの方々が1日楽しめる、村祭りのような雰囲気のイベントにした」と語り、従来よりもさらに幅広い人たちに向けたイベントであることを強調した。
本イベントの特徴は、プロドライバー達の走りを目の前で見られることだけでなく、ドライバーたちのトークショーや、実際に彼らが運転するクルマに同乗できるイベントなどもあり、より身近に彼らと接することができる機会が多いことだ。今回は、ニュルブルクリンク耐久選手権参戦車両「LEXUS LFA(2011)」やF1マシン「TF109」をはじめ、SUPER GTやフォーミュラ・ニッポン出場マシンなどが勢揃いし、終日激しいサーキット走行を披露していた。
また、同日に正式発表となった小型FRスポーツカー「86(ハチロク)」もサプライズとして登場。昼に実施されたお披露目会では、豊田社長自らが運転してコースを1周し、一般初公開したほか、イベント最後のプログラムであるプレミアムパレードでは、「86」のカラーバリエーションモデルが多数登場し、来場者の注目を浴びていた。
走行開始前の7時30分~8時30分の時間帯はコースが解放され、チョークを使って路上にメッセージを書き込めるようになっていた | ウェルカムセレモニーでは出演ドライバーが勢揃いした | 開会式で挨拶する豊田章男 代表取締役社長 |
挨拶の後、豊田社長はLFAに乗り込んでエンジンをスタート。これが開会の合図となった | コース上では終日激しいバトルが繰り広げられた |
●ヘリテイジ・オブ・トヨタ
2000GT(スピードトライアル仕様) | ニュートヨタセブン | セリカ GT-FOUR(サファリラリー仕様) |
TS010(ル・マン仕様) | エッソウルトラフロー スープラ | TF109(F1) |
●GAZOO Racingスペシャルラン with SUBARU
ニュルブルクリンク耐久選手権に参戦した「SUBARU WRX STI tS」 | ニュルブルクリンク耐久選手権に参戦した「LEXUS LFA」 | |
こちらもニュルブルクリンク耐久選手権参戦車両の「LEXUS IS250」(左)と「アルテッツァ RS200」 |
●フリー走行
フォーミュラ・ニッポン参戦車両のPETRONAS TEAM TOM'S | KONDO RACING | |
TEAM IMPUL | TEAM LeMans | Team KYGNUS SUNOCO |
SUPER GT 300に参戦するハセプロMA イワサキ aprカローラ | SUPER GT 500に参戦するPETRONAS TOM'S SC430 | SUPER GT 500に参戦するENEOS SUSTINA SC430 |
コース上ではそのほかにも、フォーミュラ・ニッポンマシンやSUPER GTマシンがフリー走行中のコースをバスの中から間近に見ることができる「サーキットサファリ」や、レーシングドライバーが運転するLEXUS IS Fに同乗してサーキットを走行できる「サーキットタクシー」など、体験型のイベントも行われた。
今回筆者が体験したサーキットサファリでは、元レーシングドライバーの星野一義氏が解説者として同乗していた。星野氏は、コース上でのレーサーの動きを終始にこやかな表情で解説しながら、「私もここで(スピードを出して)頑張ると賞金を貰えるので頑張った。賞金が出なかったらそんなことしない。だから東名で飛ばしても意味ない。賞金でないからね。罰金取られるだけ」「サーキットでも一般道でもレギュレーションをきちんと守って走るのが大切」と語るなど、乗客を楽しませていた。
ずらりと並ぶトヨタ2000GT。最新マシンだけでなく、一般の旧車オーナー達による走行を見ることができるのも本イベントの魅力 | 走行中のトヨタ2000GT | こちらはトヨタスポーツ800 |
Future of AUTOMOBILE&プレミアムパレードの様子。写真はGRMN SPORTS HYBRID Concept II | TES-ERA EV |
TESLAの車両も走った |
スペシャルアンコールフィナーレ | ||
イベントのラストを飾った86のサーキット走行 | ||
フィナーレで来場者に挨拶するドライバーたち | 今回走行したほとんどの車両には震災復興の思いを込めた「がんばろう日本!」のメッセージが描かれていた |
■会場内には子供が楽しめるイベントも
グランドスタンドの裏手にあるイベント広場は、家族で楽しめるイベントスペースとなり、こちらでもさまざまな体験型イベントを開催していた。
なかでも目を引いたのは、ダカールラリー2011に出場したランドクルーザー200(ダカールラリー参戦仕様車)による障害物走行同乗体験だ。実際にラリーに出場したドライバーである三橋淳氏自ら運転するランドクルーザーに同乗し、会場内に設置された障害物を走破するというもの。
一見、クルマが走るには狭いのでは? と思うようなそれほど広いとは言えないスペースに障害物が設置されているのだが、三橋氏がハンドルを握ると、とても狭さなど感じられないような文字通り縦横無尽の走りを展開。急発進、急ブレーキ、ドリフトを駆使しながらランドクルーザーが飛んだり跳ねたりするという、日常ではまず見られない光景を間近で見ることができた。同乗しているお客さんが無事なのか、ちょっと心配になるくらいだ。
そのほか会場では、キッズカート体験や、キッズバイク体験などをはじめ、子供達が実際に乗り物に乗って自分で運転する体験ができるイベントが多く用意されていたのが印象的だった。
また、Aパドックは、ドライバーやクルマと触れあう「ふれあいエリア」となっており、ドライバーや監督達のトークショーや物販などが行われ、こちらも熱心なファン達が訪れて賑わっていた。
ランドクルーザー200による障害物走行同乗体験。目の前の柵ギリギリを疾走していく | 手前に見える柵からさほど遠くない位置で豪快なパフォーマンスを見ることができた | この程度の障害はお手の物 |
狭い会場にもかかわらず結構な速度で走行する | 狭いエリアを最大限に生かして走る | 加速して障害を乗り越え |
飛ぶ | こんな着地でも平然と走行を続ける | ドライバーの三橋淳氏 |
(Photo:高橋 学/清宮信志)
2011年 12月 2日