【CEATEC JAPAN 2012】トヨタ、日産、三菱自動車など
「スマートモビリティイノベーション2012」ゾーンを設置


 10月2日、幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)において「CEATEC JAPAN 2012」が開幕した。同イベントは最新IT関連とエレクトロニクスの総合展となっており、新製品の発表や技術展示などが行われている。会期は6日まで。

 例年、家電メーカーや通信機器メーカーがイベントの華となっているが、今年はホール1に「スマートモビリティイノベーション2012」ゾーンが設けられるなど、クルマ関連の出展が広いスペースを占めるようになった。カーAVやクルマ関連の出展の中から、ピックアップしてご紹介しよう。

トヨタ自動車
 トヨタはコンセプトモデル「Smart INSECT」を中心に、「人とクルマと家」をつなぐ次世代の「つながる」サービスを提案。キーとなるSmart INSECTは、超小型一人乗り電気自動車「コムス」をベースにモーションセンサーや音声認識、行動予測による目的地設定などの技術を搭載したクルマ。また、先日発表されたばかりの新型EV(電気自動車)「eQ」やトヨタホームによる家とクルマを繋ぐ技術の展示などもある。

人とクルマと家がつながるサービスを提案するトヨタブースコムスベースのコンセプトモデル「Smart INSECT」。モーションカメラを使った顔認証や自宅の施錠などを音声操作する機能を搭載
この12月以降に自治体や特定利用者向けの限定導入が予定されている「eQ」。左はEV/PHVからの電気供給(逆潮流)にも対応した充電スタンド「G-Station2」eQのインパネ。一見、iQと同じように見えるが細部は異なっているメーターパネルには航続可能距離の表示が用意されている
シフトまわりには車両接近通報装置の一時停止スイッチなどが追加されているG-Station2の充電コネクター。赤いボタンは逆潮流で使用する際に使う逆潮流時に使えるAC100Vコンセント。WiMAXを利用したWi-Fiスポット機能も備える

三菱電機
 EVと太陽光発電を利用した「スマートハウス」の展示が目立つ三菱電機ブース。カーAV系ではこの6月にリリースした「DIATONE SOUND.NAVI」を用意。32bit D/Aコンバータや40bit D/Aコンバータなどを贅沢に使ったダイヤトーンならではのクリアなサウンドを、従来モデルと聞き比べることができる。

「豊かな社会の創造へ―技術を通じて社会に貢献―三菱電機の総合力」がテーマの三菱ブース
「DIATONE SOUND.NAVI」。こちらはベーシックモデルのNR-MZ60だが、左右独立31バンドグラフィックイコライザーを採用するプレミアムモデルもラインアップする従来モデルとの聞き比べが可能
DSRCのデモ機も展示されている地上側のDSRCアンテナ
渋滞情報を利用したルート案内や鉄道との連携など、DSRCサービスの活用提案なども
スマートハウス実証実験のデモンストレーション。EVの大容量電池と太陽光発電の併用で1週間以上の電気的自立を目指す充電だけでなく放電にも対応する家庭用の充放電スタンドPV(自給電力=太陽光)とEVを連携するPV・EV連携パワコン

ナビタイム ジャパン
 ナビタイムは携帯電話やスマートフォン向けの地図アプリ、通信カーナビなどを展示。面白いのはスズキ・MRワゴンに装着されるタッチパネルオーディオをカーナビとして利用するためのiPhone用アプリ「MRワゴン ドライブサポーター」。システム自体はミラーリンクと同じようなUSBを介した双方向通信で、iPhoneの画面データをタッチパネルオーディオ側で表示・操作可能にしたもの。利用できるのがMRワゴンに限定されてしまうのが残念だが、スマホ連携の実用性や可能性を示すよい例といえそうだ。

通信カーナビなどを展示するナビタイムブース「MRワゴン ドライブサポーター」。タッチパネルオーディオ&スマホ連携を先取りしたシステムだ
この8月から提供がはじまったAndroid向けアプリ「カーナビタイム for Smartphone」。「ドライブサポーター」と異なり地図データを端末にダウンロードして利用するため、通信できない場所でもナビゲーションが可能

「スマートモビリティイノベーション2012」ゾーン
 住まう、集う、走る、と3つのエリアが集合したスマートモビリティイノベーション2012ゾーンでは、各社がさまざまな展示を行っている。

 日産自動車は「走る」と「集う」のエリアに出展。「走る」エリアではリーフを使った自動運転などを実演。これは同社のアラウンドビューモニターと同じようにフロント、リア、両サイドと4個所に付けられたカメラを使い白線などを認識、スマートフォンによる指示によって駐車スペースに自動で向かうというもの。そのほか「集う」エリアには国内初公開となるNV200ベースのEV「e-NV200」がさりげなく置かれている。こちらも要チェックだ。

 三菱自動車工業は「集う」エリアにミニキャブベースのEV「MINICAB-MiEVトラック」、この秋発売予定の新型アウトランダーベースの「アウトランダーPHEV」などを展示している。

 「集う」エリアにはヨコハマタイヤ(横浜ゴム)のオリジナルEVレーシングカー「HER02」も。これは今年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに、低燃費タイヤ「BluEarth-A」を装着し、見事5位入賞を果たしたクルマだ。

国内初お目見えとなる「e-NV200」。EV関連のコンポーネントはリーフと同じものを使用している
市販モデルではないためメーターパネルなども未来的
「走る」エリアで行われている自動運転などのデモ意外に速い速度で車庫入れ。黒いトランザムの実現も近い!?トヨタのEV「コムス」とヤマハの電動自転車の試乗コーナーも用意されている
ヨコハマタイヤのオリジナルEVレーシングカー「HER02」。「市販」の「エコタイヤ」装着でパイクスピークに挑んだ
参考出品となる「ミニキャブ トラック」をベースにしたEV「MINICAB-MiEVトラック」。積載性を犠牲にせずEV化を実現
新型アウトランダーに独自開発の「プラグインハイブリッドEVシステム」を搭載した「アウトランダーPHEV」。12kWhのリチウム電池を搭載しEV走行モードで55km以上の走行が可能

(安田 剛)
2012年 10月 3日