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【CEATEC JAPAN 2013】ホンダ、「Hondaスマートホームシステム(HSHS)」やパーソナルモビリティなどの取り組みについて発表

ホンダが“スマートハウス”を“パワードハウス”にする

「マイクロコミュータープロトタイプ 親子3名パッケージ」も展示
2013年10月1日開催

本田技研工業 代表取締役 社長執行役員 伊東孝紳氏

 本田技研工業は、10月1日~5日に幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開催しているIT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2013」にブースを出展。「Hondaスマートホームシステム(HSHS)」やパーソナルモビリティーなどに関する展示を行い、開幕日の10月1日に記者発表会を実施した。

 発表は本田技研工業 代表取締役 社長執行役員 伊東孝紳氏によって行われ、まず伊東氏は「モビリティがいつまでも楽しく人々に移動の喜びを提供し続けること、これがホンダが夢見るクルマの未来そのもの」と語り、今回のブース展示では“ワクワクするモビリティの未来”について3つのテーマに分けて紹介していると解説。

 最初のテーマは「家にもエンジンを」。ホンダはモビリティで培ってきたエンジン技術を家庭用製品に応用するため、家庭用小型ガスコージェネレーション(熱電併給)システムを2011年から市場投入。ブース内では「EXlink(エクスリンク)」と名付けられた独自の高膨張比エンジンを採用し、1次エネルギー利用率を92%としたエネルギー機器の製品展示を行うほか、この製品の特徴を分かりやすく紹介するため、発電用エンジンをレーサーレプリカバイク、給湯器を巨大なやかんに置き換えた「コンセプト体験装置」を用意している。

ガスコージェネレーションシステムは家庭でエネルギーを作り出し、低炭素で豊かな暮らしを実現すると紹介する伊東氏
MotoGPマシンを模したレーサーレプリカバイクの後輪と巨大なやかんをリンクさせ、発電する運動エネルギーと同時に出る熱エネルギーをお湯にすることで、発生したエネルギーを逃さず活用する効率のよさを表現
接続されたバイクのアクセルを操作すると、やかんの注ぎ口から蒸気が発生。さらにフタが開いて内部の電光掲示板にメッセージが表示される
「家庭用コージェネレーションシステムは家庭のエネルギー受給を総合的にコントロールする“Hondaスマートホームシステム(HSHS)”のコアであり、熱と電力の“家産家消”を実現したい」と語る伊東氏
ガレージに見立てたブースの一角には、レプソルカラーに塗装された家庭用コージェネレーションシステムも展示された
パーソナルモビリティが自宅内でどのように役立つかを提案

 2つ目のテーマは「屋内にもモビリティを」というもの。ASIMOなどで積み重ねたロボディクス技術をどのように家庭内で活用するかに着目するテーマで、わずかな体重移動で360度自在に移動できる「UNI-CUB」、人間の歩行を研究して生まれた「体重支持型歩行アシスト」などを紹介した。

解説後に壇上でUNI-CUBに試乗する伊東氏
UNI-CUBはスツールのようなルックスながら、狭い場所でもスイスイ走る不思議なパーソナルモビリティとなっている
家庭内での階段の上り降りや中腰での作業などを助ける体重支持型歩行アシスト

 最後のテーマは「つながるクルマを」。家と人、街とクルマを繋げる各種ICTサービスを活用し、安心で便利なカーライフを実現することを開発テーマに、Wi-Fiを使った車車間通信、外出中のクルマからインターネットを経由して自宅の戸締まりや家電製品の操作する技術などが進められており、すでに実証実験も始まったホンダの「マイクロコミュータープロトタイプ」の親子3名パッケージ車両がブース内で展示された。

自由な移動の喜びと豊かで持続可能な社会を両立させるため、これからもチャレンジを続けていくと語る伊東氏
白いジオラマをスクリーンとして使い、話題のプロジェクションマッピングでWi-Fiを使ったテレマティクス技術の解説を実施
対向車線のクルマから、ブラインドコーナーの先で渋滞が発生している情報が伝達されたイメージ映像。コーナーに進入する前に安全に減速できる
通り沿いのお店からセール情報が路車間通信で配信され、いっしょにドライブ中の3台が車車間通信で休憩について相談するというシーン
ホンダはITS技術を普及するためにスマートフォンがキーになると考えており、スマートフォン向けの技術蓄積とスマートフォン自体の普及促進に向け、さまざまなアプリを開発している
スマートフォン内に保存された音楽を運転中でも気軽に楽しめるよう、操作性や表示方法などを追求したiOSアプリの「Zapper+(ザッパープラス)」。CEATEC開催に合わせて無料配信がスタートし、来年3月までの期間限定で公開されている
「マイクロコミュータープロトタイプ 親子3名パッケージ」
車両側の充電口をリアのナンバープレート下に設置する
メーターパネルの代わりにタブレット端末を設置
マイクロコミュータープロトタイプの展示車両の脇に、インパネに設置されたタブレット端末で自宅の家電製品などを操作するデモ機を設置。デモではカーテン、蛍光灯、テレビ、扇風機などの操作が行われた
自宅側の赤外線リモコンにはグラモの「iRemocon」が使われている

【お詫びと訂正】記事初出時、「コンセプト体験装置」に使われている2輪車両をMotoGPマシンと表記していましたが、正しくはMotoGPマシンのカラーリングを模したレプリカモデルでした。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:佐久間 秀)