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三菱電機、さまざまな曲面・形状に映像表示できる車載ディスプレイを開発
高級車向けに2017年の標準搭載を目指す
(2013/2/7 13:27)
三菱電機は2月7日、さまざまな曲面・形状に映像表示することで、車内空間のデザインと一体化する車載ディスプレイを開発したと発表した。また同日、本社内において技術説明会を開催した。
三菱電機 先端技術総合研究所 映像入出力技術部長 南浩次氏は、「デザイン性・視認性と信頼性を兼ね備えた新しいディスプレイシステム」と言い、2017年のクルマへの標準搭載を目指し開発中とする。「コスト的には液晶ディスプレイのほうが値段がこなれている」と言い、高級車への搭載をターゲットとしており、すでに複数の自動車メーカーと話をしている。
この新開発の車載ディスプレイは、同社がリアプロジェクションタイプのディスプレイ技術で培った映像表示技術と、グローバルに展開する車載機器のカーエレクトロニクス耐環境技術を活かしたものになっている。
2011年の東京モーターショーには、同社コンセプトカー「EMIRAI(イーミライ)」において背面投射型の曲面ディスプレイを搭載。今回新たに発表したものは、東京モーターショー出展製品に、耐環境技術を加えたものになる。
表示タイプ | 表示面曲率 | 表示サイズ | 解像度 |
---|---|---|---|
凹面、凸面混在スクリーン | 100mm(中央部最小値) | 290×130mm | 1920×861 |
凸面スクリーン | 300mm(最小値) | 290×130mm | 1920×861 |
光学エンジンは、映像入力を高画質化するとともに投影する曲面スクリーンにあわせて画面歪み補正を加えマイクロディスプレイに表示。光源としては、R、G、BのLED光源を用いることで、一般的な白色LEDを用いる液晶ディスプレイより色再現範囲は広いとしている。今回のディスプレイでは、マイクロディスプレイにDLPを用いているが、プロジェクターなどと同様、LCOSなども使用可能。それを被写界深度に配慮した光学系を通して投影している。
車載機器としての高信頼性は、高効率な冷却器の新開発、走行時の振動環境下でも画像が乱れない高剛性の画像安定化構造、外光を吸収しやすい柔らかな樹脂製スクリーンの採用で明光下での視認性確保で実現。投影タイプであることから奥行きなどが気になるが「インストルメントパネルに収まるサイズ」とのことだ。