ニュース
2013年のWECがイギリスで開幕、初戦はアウディ勢が1-2フィニッシュ
LMGTE Proクラスに初出場の小林可夢偉はクラス2位
(2013/4/18 15:41)
4月14日(現地時間)、2013年FIA世界耐久選手権(WEC)の開幕戦がイギリス・シルバーストンサーキット(5.891m)で行われた。
強風の曇り空の下、31台のマシンがスタート。LMP1クラスでは、トヨタ・レーシングの2台のTS030 HYBRIDがフロントローからスタートした。しかし、アウディ勢が開始早々からタイヤのグリップに苦しむトヨタ勢をパスして1-2体制を築き、トム・クリステンセン/アラン・マクニッシュ/ロイック・デュバル組のR18 e-tron quattro(2号車)が優勝した。
開幕戦はアウディ勢が1-2フィニッシュ
昨年までのディンド・カペロに代わり、新しいチームメイトにロイック・デュバルを迎えたR18 e-tron quattro(2号車)。アラン・マクニッシュはファステストラップを更新しながら(163周目に1分42秒926をマーク)開幕戦を優勝で飾り、マシン上でガッツポーズを見せた。
2位には現チャンピオンのマルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組のR18 e-tron quattro(1号車)が入り、アウディは3月に行われたセブリング12時間レースに続いて1-2フィニッシュを飾った。
一方、開幕戦に2012年型TS030 HYBRIDの2台で参戦したトヨタ・レーシングは、不順な天候下でポールポジションと2番グリッドを獲得してフロントローからスタートしながらも、選択したタイヤのコンパウンドが路面温度に適さず、レース開始早々から苦戦を強いられた。
スタートから3周目にアレックス・ブルツ/ニコラ・ラピエール組のTS030 HYBRID(7号車)がAudi 2号車にバスされると、その後数周でAudi 1号車にもパスされてアウディ勢にポジションを奪われてしまう。結局、アンソニー・デビッドソン/ステファン・サラザン/セバスチャン・ブエミ組のTS030 HYBRID(8号車)はアウディ勢に1ラップの差をつけられ3位。ポールポジションからスタートしたアレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール組のTS030 HYBRID(7号車)は4位だった。ちなみにTS030 HYBRID(7号車)のドライバーを務める中嶋一貴選手は、スーパーフォーミュラと日程が重なったために欠場している。
そのほかLMP1クラスでは、フリー走行3回目でトップタイムをマーク、予選でもアウディ勢に割って入る4番手のタイムをマークしたニコラ・プロスト/ニール・ジャニ/ニック・ハイドフェルド組のLolaB12/60 Coupe-Toyota(12号車)が5位。同じくREBELLION RACINGのアンドレア・ベリッキ/マチアス・ベッシュ/クンフー・チェン組のLola B12/60 Coupe-Toyota(13号車)が6位。
ニック・レベンティス/ダニー・ワッツ/ジョニー・カーン組のHDP ARX 03c-Honda(21号車)は、スタートから1時間45分を経過したところでLMGTE AmクラスのFerrari F458 Italia(61号車)と接触してフロントにダメージを負い、リタイアに終わった。
AF Corseの小林可夢偉はクラス2位を獲得
LMP2クラスはトール・グレーブス/アントニオ・ピッゾニア/ジェームズ・ウォーカー組のOreca 03-Nissan(25号車)が優勝。2位はオリビエ・プラ/ダビッド-ヘイネメイル・ハンソン/アレックス・ブランドル組のMorgan-Nissan(24号車)、3位はロマン・ルシノブ/ジョン・マーチン/マイク・コンウェイ組のOreca 03-Nissan(41号車)となった。
LMGTE Proクラスは、昨年までF1に参戦していたブルーノ・セナを迎えたステファン・ミュッケ/ダレン・ターナー組のAston Martin Vantage V8(97号車)がポール・トゥ・ウィンでクラス優勝。
同じく昨年までF1に参戦し、今季からLMGTE Proクラスにトニー・ヴィランダーと組んでFerrari F458 Italiaで参戦した小林可夢偉(71号車)は、予選でクラス最下位に沈みながら2位まで上がり、みごと表彰台に立った。3位はポール-ダラ・ラナ/フレデリック・マコヴィッキィ/ペドロ・ラミー組のAston Martin Vantage V8(99号車)。
今年から導入された新予選システム
今年から導入された新しい予選システムでは、各車2人のドライバーが最低2周のアタックを行い、それぞれのドライバーの最速2周タイムの平均値の合計でグリッド順位が決まる。
最初に行われたLMGTE ProとLMGTE Amクラスは曇り空の下、ドライコンディションのセッションとなった。LMGTE Proクラスでは、ブルーノ・セナ/ステファン・ミュッケ/ダレン・ターナー組のAston Martin Vantage V8(97号車)が好走してポールポジションを獲得。小林可夢偉/トニー・ヴィランダー組のFerrari F458 Italia(71号車)はクラス最下位の6番手となってしまった。
続いて行われたLMP1およびLMP2クラスは、予選開始とほぼ同時に雨が降りはじめウェットコンディションでのアタックとなった。中盤、TS030 HYBRID(8号車)がLMP1クラス最上位となるが、ドライコンディション用タイヤでアタックしていたLMGTE Proクラスのタイムには及ばない。
しかし後半、雨が止んで各車スリックに換えてアタック。アレックス・ブルツ/ニコラ・ラピエール組のTS030 HYBRID(7号車)がポールポジションを獲得した。アンソニー・デビッドソン/ステファン・サラザン/セバスチャン・ブエミ組のTS030 HYBRID(8号車)も2番手のタイムをマークし、予選ではトヨタ・レーシングの2台がフロントローを独占した。