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ボルボ、自動ブレーキ搭載車を世界で100万台販売

「自動ブレーキ装着車は非装着車と比較して追突事故が23%少ない」との調査結果を紹介

ミリ波レーダーとカメラの映像で周辺状況を検知する「ヒューマン・セーフティ」
2013年7月9日発表

 ボルボ・カー・ジャパンは7月9日、自動ブレーキを装備したボルボ乗用車の世界累計販売台数が100万台を突破したと発表した。

低速用追突回避・軽減オートブレーキ・システムの「シティ・セーフティ」
「ヒューマン・セーフティ」は、今年になって歩行者に加えてサイクリスト検知機能も追加されている

 ボルボ車で採用されている自動ブレーキテクノロジーは、50km/hまで作動する「シティ・セーフティ」と、歩行者などを対象とした「ヒューマン・セーフティ」の2種類。複数の世界初という技術によって構成され、搭載車種の幅広さ、リーズナブルなコストなどによって装着車の販売台数を伸ばし、日本市場でも自動ブレーキ普及の一翼を担っている。

 発表の中で、ボルボ・カー・グループのシニア・セーフティ・アドバイザーであるトーマス・ブロバーグ氏は「最近のいくつかの報告書において、自動ブレーキによって事故のリスクが20%以上軽減できると報告されています。自動ブレーキ搭載のボルボ車の販売は100万台を超え、“2020年までに新しいボルボ車において、交通事故による死亡者や重傷者をゼロにする”という我々の目標に向かって近づいています」と紹介。自動ブレーキが効果を上げている実例として、以下の4つの調査報告を取り上げている。

2011年のIIHS(米国道路安全保険協会)の報告書で、保険金支払請求数の大幅な減少が発表され、低速走行時の自動ブレーキを特徴とする画期的な「シティ・セーフティ」技術の効果が実証

スウェーデンの保険会社、ボルビア(Volvia)による2012年の調査では、「シティ・セーフティ」を装備したボルボ車は、自動ブレーキが装備されていないクルマに比べて追突事故が23%少なくなっている

スウェーデンの保険会社、フォルクサム(Folksam)の調査結果によると、「シティ・セーフティ」は、制限時速50km/hの道路上で追突されたクルマに乗っていた人の負傷を64%軽減。「シティ・セーフティ」が作動しても衝突が避けられなかった状況では、負傷を40%前後軽減するという結果が出ている

EuroFOT研究プロジェクトが発表した2012年の最終報告書では、「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」「追突警告装置」を装備したクルマは、高速道路走行時に前方車両に追突するリスクを最大42%軽減するとしている

 ボルボ・カー・グループでは、ブレーキテクノロジーの次なる目標として「夜間走行時のより効果的な安全システム」について主な研究課題としていると表明。今後も既存の安全技術をさらに向上させ、新しいソリューションの開発に取り組むとしている。

(編集部:佐久間 秀)