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FEDERAL FLEX アジアクロスカントリーラリー2013がタイ~ラオスで開催
今年はジムニーシエラの4位が日本人最高位
(2013/9/6 00:00)
8月10日~16日(現地時間)、タイ~ラオスで「FEDERAL FLEX アジアクロスカントリーラリー2013」が開催され、三菱自動車のアウトランダーPHEVが完走を果たしたことはすでにご報告のとおり。今回は大会全体の様子についてお伝えしよう。
まずはこの大会の概要だが、初開催は1996年で今大会で18回目となるFIA(国際自動車連盟)公認クロスカントリーラリーだ。毎年コースが変更され、通過国はタイをはじめマレーシア、シンガポール、中国、ラオス、ベトナム、カンボジア、ミャンマーと、東南アジアを中心に8カ国にのぼる。日本からは元WGPライダーの青木拓磨選手が2007年から今大会まで毎年出場。過去には元F1パイロットの片山右京選手や元全日本ジムカーナチャンピオンの川脇一晃選手、2006年スーパーGT GT300クラスチャンピオンの井入宏之選手など、さまざまなジャンルのドライバーがエントリーしている。また、2011年には全日本ラリーで何回もチャンピオンを獲得し、今シーズンも現時点でポイントリーダーの奴田原文雄選手が俳優の哀川翔氏のコ・ドライバーとしてエントリーしている。なお、昨年から新設された「MOTOクラス(2輪)」にも多くの日本人ライダーが参戦しているが、今回は4輪のみをお伝えする。
さて、今大会ではエントリーの大勢を3リッター級のディーゼルターボエンジンを搭載するピックアップトラックが占めるなか、トップ3こそ逃したものの、なんと日本人最高位となる4位にジムニーシエラが入賞している。最高時速はわずか100km/h程度というマシンだが、例年以上に雨が多かった雨季の東南アジアのマッドステージでは、ドライバー、コ・ドライバーの技術と合わせ、小型軽量マシンが持つ走破力とジムニー向けに新開発されたヨコハマタイヤの新型タイヤの威力がうまくマッチしたようだ。
また、2011年からエントリーしている哀川翔氏が率いる「FLEX FEDERAL SHOW AIKAWA Racing」は、今年も2台のFJクルーザーを持ち込み参戦。2年間ドライバーとして参加してきた哀川氏だが、今年はチーム監督に専念。メカニックには千葉県にある「中央自動車大学校」の2人の学生、ドライバーにはタレントのヒロミを抜擢しての参戦だ。結果は14位と振るわなかったものの、ヒロミ選手と学生メカニックたちは東南アジアのマッドステージを存分に楽しんだようだ。このほか、7年連続出場の青木拓磨選手は前半のマシントラブルによって初優勝に届かず11位に終わっている。
なお、日本人選手の成績は以下のとおり。
順位 | ドライバー | マシン |
---|---|---|
4位 | 竹野悟史/柳川直之 | スズキ・ジムニーシエラ |
6位 | 伊藤芳朗/平賀健 | いすゞ・D-MAX |
11位 | 青木拓磨/Ittipon SIMARAKS(タイ)/椎根克彦 | いすゞ・D-MAX |
13位 | 寺田昌弘/Jia-Ying SHEN(台湾)/染宮弘和 | トヨタ・FJクルーザー |
14位 | ヒロミ/安東貞敏 | トヨタ・FJクルーザー |
15位 | 前橋靖/千葉栄二 | スズキ・ジムニーシエラ |
17位 | 青木孝次/石田憲治 | 三菱自動車・アウトランダーPHEV |
18位 | 浅井道浩/Dean CHOU(台湾) | いすゞ・D-MAX |
19位 | 小西政敏/大藤眞弘 | いすゞ・D-MAX |
毎年数多くの日本人エントラントが参加するこの大会だが、同じようにマシンも日本メーカーが圧倒的な多数派だ。タイには日本の自動車メーカーが工場を多く持ち、タイ生産の日産のマーチや三菱自動車のミラージュがすでに日本に輸入されているが、このラリーの主力車種もそんな日本メーカーの国内未導入モデルばかり。私達が知らない世界で日本メーカー同士が凌ぎを削っているというのが、タイのモータースポーツ事情の一面でもある。
日本のモータースポーツシーンは欧州から導入されたスタイルが多いが、たまには身近なアジア圏で活躍する日本車の戦いに目を向けてみるのも、また違った雰囲気で面白いだろう。