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三菱自動車「アウトランダーPHEV」がアジアクロスカントリーラリーで総合17位完走
TWO&FOUR MOTORSPORTS参戦リポート
(2013/9/2 13:49)
8月10~16日(現地時間)「FEDERAL FLEX アジアクロスカントリーラリー2013」が開催され、このラリーの常連出場チーム「TWO&FOUR MOTORSPORTS」がこの大会初のプラグインハイブリッドマシンとなる三菱自動車「アウトランダーPHEV」で参戦。タイのビーチリゾート、パタヤから隣国ラオスまでの2000kmのコースを総合17位で見事完走した。
大会初日には、パタヤのビーチ沿いにある繁華街「パタヤウォーキングストリート」でセレモニアルスタートが行われた。ここから2000kmの過酷な旅が始まる。現地では珍しいこのラリーカーはギャラリーの関心も高かったようで、一緒に写真を撮る観光客も多かった。なお、このアウトランダーPHEVは足まわりとボディー補強、ロールバーの装着などラリーカーとして最小限の改造こそ施されているものの、ほぼノーマル状態であり、準備期間の少なさもあって車高すらノーマルとほぼ同じ。もちろん、パワーユニットなども量産車そのものでの挑戦となった。また、帯同するメカニックには通常のチームメカニックのほか、三菱自動車の低電圧取扱者の資格を持つ技術者もスペシャルパートナーとして加わり、プラグインハイブリッドの電気系部分を担当した。
ドライバーの青木孝次選手、コ・ドライバーの石田憲治選手は、ともにかつてロンドンー北京ラリーで総合優勝を飾ったほか、このアジアクロスカントリーラリーでもプライベーターながらワークス勢を相手に3度のクラス優勝を果たし、そのほかにも様々な競技経験を持つ強者ベテランコンビ。しかし、ときおりその片鱗は見せるものの、今回は極めて慎重なドライビングに徹してこのラリーを走り抜いた。もちろん、ノウハウの蓄積もパーツもないアウトランダーPHEVだけに、元から難易度の高い雨季の東南アジアのマッドステージを簡単にクリアできるわけもなく、毎日のようにサービスでセッティング変更を頻繁に行っていたようだ。しかし、実施された変更は足まわりなどほかのガソリン・ディーゼル車と同じ部分であり、このクルマで最大の特徴であるパワーユニットは一貫してノーマルで走り続けたのは見事だ。
WRCにおけるランサーやダカールラリーなどにおけるパジェロなど、ワークス、プライベートを問わず様々なラリーシーンで活躍してきた三菱自動車。紆余曲折の末にモータースポーツの現場からその姿は減ってきていたが、昨年からアメリカ・コロラド州で行われる「パイクスピークヒルクライム」にi-MiEV/i-MiEV Evolutionでワークス参戦しており、今回のアジアクロスカントリーラリーではプライベーターながらアウトランダーPHEVで参戦するなど、三菱自動車のモータースポーツ活動復活の方向性が垣間見られるようだ。まだまだトップクラスと互角に争うレベルにはほど遠いものの、今回のラリーでも随所で見せたモーター音だけが耳に残るその走りに、新しい時代のモータースポーツを感じずにはいられなかった。
なお、9月26日には三菱自動車本社(東京都港区)1Fショールームで、今回の「アジアクロスカントリーラリー2013」と「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム2013」の参戦ドライバーによるトークショーが行われる。ゲストは青木・石田選手と増岡浩選手に加え、三菱自動車工業の益子修社長も参加予定だ。両レースに参戦した車両の実車展示もあるので、お近くの人は足を運んでみてはいかがだろう。