ニュース
スバル、2014年3月期 第2四半期決算を発表、前期に続き好調な業績
レガシィツーリングワゴンのラインアップ廃止については「正式発表ではないためコメント差し控えたい」
(2013/11/1 16:57)
スバル(富士重工業)は10月31日、2014年3月期第2四半期決算を発表した。
2014年3月期第2四半期の累計出荷台数は39万2600台(前年同期比12.7%増)、売上高1兆1256億円(同25.3%増)、営業利益1507億円(同248.4%)、経常利益1462億円(同222.9%増)、当期純利益998億円(同146.8%増)と、前期に引き続き好調な業績となった。単独為替レートは1ドル98円。
好調な業績の要因として富士重工業 代表取締役社長の吉永泰之氏は、新製品の積極的な投入、米国市場の販売数拡大、工場の稼働率の上昇、原価の低減の4点を指摘。これに加えて円高是正効果もプラスに働いたとした。吉永氏は「円高是正効果は確かに大きいが、それを除いた製品の実力面でも前年より上回ることができたと考えている」と、好調な実績が外的要因だけではないという自信を見せた。
引き続き好調な米国市場では、今年1月~9月までの販売実績が31万3400台と前年比で27%増となった。特に新型が投入された「フォレスター」は前年比で49.1%増となる8万4000台、インプレッサも前年比53.5%増となる9万8000台を売り上げた。またレガシィ/アウトバックも前年比2.2%増の12万3000台と根強い人気を見せている。米国市場の販売台数について年初の計画では36万5000台とされていたが、現在は2013年暦年で42万台(前年比24.9%増)と、予測を大幅に上回る販売台数を見込んでいる。
一方、国内では2013年暦年で軽自動車5万5000台、登録車12万5000台となる17万9000台(前年比0.9%増)を計画。OEMに移行した軽自動車の販売数は減少したが、登録車を中心に販売台数が伸びており、特にフォレスターと「XVハイブリッド」などが好調な売上げを見せている。
これらを踏まえた2013年度の通期業績計画では、スバルとして初めて連結販売台数が80万台を超える80万7300台(前年比11.4%増)となり、通期での生産台数も81万5000台(前年比6.6%増)で、過去最大となった。売上高は2兆3000億円(前年比20.2%増)、営業利益は2780億円(同130.9%増)、経常利益は2720億円(同170.4%増)、当期純利益は1780億円(同48.8%増)と、軒並み大幅な増加を見込んでいる。下期の単独為替レートは1ドルあたり97円(同17.3%増)。株主配当についても前回計画では1株あたり年間20円であったが、今回の好調な業績を受けて上期、下期でそれぞれ1株あたり20円、年間合計40円へ倍増する。
生産能力については、現在の77万2000台に対して2014年夏までに2万台の生産能力を本工場に追加することで79万2000台となり、2016年には米国SIAと合わせ92万2000台に増強する見込み。
最後に、10月30日に発表された新型スポーツツアラー「LEVORG(レヴォーグ)」についても触れた。LEVORGは中期経営計画“Motion-V”のロードマップで「New Concept」として掲載されていたもので、名前はレガシィ、レヴォリューション、ツーリングからきた造語。詳細について既報されている以上の内容は語られなかったが、吉永社長は「自分で言うのもなんですが」と前置きし、「非常に魅力的な商品でものすごくかっこいいです。ぜひモーターショーに見にきてください」と自信たっぷりにアピールしていた。
なお、一部で2014年にレガシィツーリングワゴンのラインアップが廃止されるという報道があったが、同社広報によると「弊社による正式発表ではないためコメント差し控えたい」ということだった。
質疑応答では軽自動車の増税に関する質問がされたが、これに対して吉永社長は「軽自動車の税金が安すぎるのではなく、普通自動車への税金が過大なのではないか。若者のクルマ離れと言われているが、先進国でこれが起きているのは日本だけ。もちろん若者に受け入れられるようなクルマを我々は開発しなければならないが、理由はそれだけではない。税金だけでなく駐車場なども含めて負担が大きすぎ、日本の自動車市場が盛り上がらない構造になっている。税金を下げてでも自動車市場を大きくしたほうが日本全体にとってはプラスになるのではないか」という見解を示した。