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地図や位置情報をテーマに「G空間EXPO」、日本科学未来館で開幕

準天頂衛星(QZS)受信機によるシームレス測位体験も可能

キャンピングカーを改造してPCや衛星ブロードバンド車載局を搭載したMozilla Japanの「Mozbus」
2013年11月14日~16日開催

日本科学未来館

入場無料

 地理空間情報をテーマにしたイベント「G空間EXPO」が11月14日、東京・お台場の日本科学未来館にて開幕した。入場料は無料(常設展示を見る場合は入館料が必要)で開催期間は16日まで。

オープニングセレモニー

 同イベントは地図や位置情報、測量、衛星測位、ITSなど地理空間情報(G空間情報)に関連した技術やサービスを紹介する展示会および講演・シンポジウム。過去には2010年9月と2012年6月の2回、横浜市のパシフィコ横浜にて開催されたが、3回目となる今回は日本科学未来館へと舞台を移した。初日となる本日10時、メインステージにてオープニングセレモニーが開催された。国土交通副大臣の高木毅氏や、日本科学未来館の毛利衛館長などによる挨拶のあと、テープカットが行われた。

 展示内容としては、日本科学未来館のシンボルゾーンで開催される「G空間EXPOメッセージゾーン」、科学技術展示「地理空間情報フォーラム」、地理空間情報に関するアイディアや製品などの審査を行う「Geoアクティビティフェスタ」、子どもから大人まで幅広い体験ができる「Geoエデュケーションプログラム」、地理空間情報をテーマにした「講演・シンポジウム」と、大きく5つに分かれる。

 「G空間EXPOメッセージゾーン」は、地理空間情報に関するさまざまな展示のほか、この分野において第一線で活躍する多彩なゲストを招いてメインステージ上で講演が行われる。東京大学の柴崎亮介氏や名古屋大学の河口信夫氏、慶應義塾大学の神武直彦氏などによる講演のほか、角川アスキー総合研究所の遠藤諭氏による「第2回位置モノ ガジェット&アプリ大賞」なども行われる予定だ。また、16日のステージにはスペシャルナビゲーターとしてDJ TARO氏も登場する。

 さらに、メインステージのまわりでは、測量体験コーナーや、UAV(無人航空機)やバルーンマッピングによる空中撮影の紹介などが行われているほか、キャンピングカーを改造してPCや衛星ブロードバンド車載局を搭載したMozilla Japanの「Mozbus」の展示も行われている。

 「地理空間情報フォーラム」では、地理空間情報に関する技術や機器、ソフトウェア、データ、サービスなどが出展される。出展企業は日立グループや、ゼンリン、昭文社、KDDI研究所、ESRIジャパン、アジア航測、国際航業、いいよねっとなど。ゼンリンでは、ドライバーの安全・安心を実現するための高精度地図データベース整備の取り組みなどを紹介している。

ゼンリンの高精度地図データベース

 準天頂衛星(QZS)受信機で屋内外のシームレス測位を体感できる測位体験ゲームや、レーザー距離センサーを用いた測位システム「ICHIDAS」の体験コーナー、測量機器による地図作り体験、3DレーザースキャナーデータによるAR体験、歩行者デッドレコニング(PDR)による歩行者ナビの体験イベント、NFC(近距離無線通信)による会場周回体験「G空間ゾーンスタンプラリー」、距離を測る体験「歩測体験」、測量の技術を競い合うコンテストなどさまざまな催しが用意される。さらに、16日には日本科学未来館の近くにある「船の科学館」前の航海訓練所桟橋において、大型測量船「拓洋」の一般公開も行われるほか、日本科学未来館の西側グランドにて14日と15日、準天頂衛星「みちびき」のLEX補強信号を用いたセンチメートル級の測位を体験できるデモンストレーションも実施される。

 「Geoアクティビティフェスタ」は地理空間情報に関する独創的なアイディアやユニークな製品、画期的な技術、新サービスなどについて展示やプレゼンを行う場を設けて審査などを行う催しで、計28のプレゼンターが作品を発表する。期間中、「電子国土賞2013」の表彰式や、審査員によるパネルディスカッションなども行われる。

 「Geoエデュケーションプログラム」は、地理空間情報を学んだり体験したりできるプログラムで、14日は学校教員向けの「デジタル地図を使った授業づくり」、15日は自治体職員向けの「GISとオープンデータによる地域活動支援」、16日は子どもから大人まで楽しめる「Geoアトラクションズ」が開催される。Geoアトラクションズでは、GPS地上絵(GPSの軌跡で絵を描く)、マッピングパーティー(OpenStreetMapの地図作成)などを開催。このほか、スマートフォンやGPS機器を使って宝探しをする「G空間キャッシング」も3日間通して開催される。

 「講演・シンポジウム」では、衛星測位や測量、GIS、位置情報サービスなど幅広い分野の講演が開催される。位置情報サービスの最新動向について講演する「G空間WAVE2013 gコンテンツワールド+ジオメディアサミット」や座談会「GPSロボットカーコンテスト2013徹底分析」、日本地図学会による「進化するタブレット地図」など多彩なラインアップとなっている。

(片岡義明)