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TomTomとゼンリングループが協業、プローブを活用した新交通情報サービス「Zenrin Live Map with TomTom Traffic(仮称)」共同開発
2018年度以降に実証開始。「いつもNAVI」「ドコモ地図ナビ」などへの導入検討
2017年10月31日 21:56
- 2017年10月27日 発表
オランダのTomTom Inrternationalとゼンリン、ゼンリンデータコムは10月27日、日本において新たな交通情報サービスを共同開発することを発表し、都内で記者発表会を行なった。
TomTomは世界68カ国で地図サービスを展開している企業で、iOSの「マップ」アプリなどにも地図データを提供している。同社は5億以上にのぼる膨大な交通ビッグデータをプローブ情報として収集し、AIやマシンラーニングによる分析処理を行なって配信するリアルタイム交通情報「TomTom Traffic」を提供してきた。
今回、TomTomとゼンリン、ゼンリンデータコムの3社が協業し、各関連団体と協調することにより、リアルタイムな交通情報サービス「Zenrin Live Map with TomTom Traffic(仮称)」を共同開発する。同サービスではユーザーのプローブデータの活用により、単なる渋滞情報だけでなく、正確な到着時間の予測や高精度な渋滞最後尾予測など、ドライバーの利便性を高める機能も提供する。
さらに、これらのサービスの提供を通じて、自動車やモバイル端末などのIoT機器から得られる位置情報ビッグデータを相互に連携・活用することにより、社会全体の交通情報の精度が向上する「地図エコシステム」の構築も目指している。ダイナミックマップ基盤の高精度3次元地図データの協調領域と連携することで、自動運転システムへのダイナミック情報の生成・提供を実現するほか、IoTと連携したスマートシティの実現や、地図データの逐次更新などの取り組みも検討する。
TomTomのマネージングディレクターを務めるアントワン・ソウサー氏は、記者発表会で「TomTomは膨大なユーザーのプローブデータを解析することで、渋滞や工事、通行止めの検知などさまざまな交通情報をリアルタイムに提供することが可能で、これらの情報を地図の更新にも活用しています。今回、ゼンリンおよびゼンリンデータコムと組むことで、我々の強みをもっと強固なものにして、日本の未来の交通情報をもっとよいものにしていきたいと思います」と語った。
ゼンリンの第二事業本部長である藤沢秀幸氏は、「ゼンリンは、自動車やモバイル端末などのIoT機器から得られるダイナミックな情報をクラウドに収集し、リアルタイムに地図上に載せて配信する“地図エコシステム”の構築を目指しており、今回の協業はその最初の取り組みであると考えています」と、今後の展望について述べた。
3社は今後、国内のカーメーカーやナビメーカー、ナビアプリベンダーなどへの提供に向けて、2018年度以降に交通情報サービスの実証を開始する予定だ。すでにゼンリンデータコムのナビアプリ「いつもNAVI」をはじめ、NTTドコモが提供するナビアプリ「ドコモ地図ナビ」にも導入を検討しており、すでに検証を開始しているという。