ニュース

ゼンリンとMoT、映像データから道路変化を自動抽出する技術の共同開発で合意

地図情報を高鮮度に保つメンテナンスに活用

2020年4月22日 発表

高鮮度地図のイメージ

 ゼンリンとMoT(Mobility Technologies)は4月22日、ゼンリンが展開するナビゲーションシステムや自動運転時に使用される地図情報のメンテナンス効率化に向けて、道路情報の自動差分抽出を行なう技術の共同開発で合意した。

 道路情報は道路周辺にある建設や交通標識の新設や変更、路面ペイントや信号機の情報など日々刻々と変化している。今回の合意はそれらの変化に対応し、正確な地図情報を提供するために必須となる地図情報のメンテナンスをより効率化することを目的とした取り組み。

 具体的には、MoTが行なっている交通事故削減支援サービス「DRIVE CHART」を使い、日々運行するタクシーやトラックといった導入車両に設置したドライブレコーダーの車外映像からデータを取得。既存の地図情報と実際の道路情報の差分を機械学習によって自動的に抽出する。

 この変化情報をゼンリンで活用し、時空間データベース(現実世界を構成するさまざまな空間情報を時間軸で差分管理する地理空間データベース)として逐次メンテナンスを行ない、高鮮度な地図情報の提供を可能とする。

 今後は幅広い分野で両社の連携を強化し、安心・安全で便利な交通社会の実現に貢献していくとしている。

ドライブレコーダーで撮影した画像

 ゼンリンでは「知・時空間情報の創造により人びとの生活に貢献します」という企業理念の実現に向け、「現実世界をライブラリー化する」をミッションに掲げて各種情報を収集・管理。さまざまな情報を紐付ける空間情報におけるプラットフォームとして、位置情報ソリューションの提供を行なっている。

 MoTは「移動で人を幸せに。」をミッションとして、タクシーをはじめとするモビリティ関連事業を展開。次世代事業部においては、走行車両が得る映像データを機械学習により自動的にデータ化し、新たな価値創出を目指す研究開発を行なっている。

 今回の合意により、両社が持つアセットを掛け合わせ、安心・安全で便利な交通社会の実現に向けて地図情報を高鮮度に保つメンテナンスを行なうため、道路情報の自動差分抽出を行なう技術を共同開発することになる。