KDDI、ゼンリン、富士通の3社が「5G」活用も視野に入れた「ダイナミックマップ」生成・配信技術を実証実験

実証実験での3社の役割分担

　KDDI、ゼンリン、富士通の3社は、2018年1月から「ダイナミックマップ」の生成で必須技術となる大容量データの情報収集、自動運転車に対するマップ配信技術の実証実験を開始することで合意した。

　ダイナミックマップはさまざまな道路構造物の正確な情報、気象情報や事故・渋滞情報などの動的情報などを取得して組み合わせる高精度の電子地図技術で、将来的な実用化が期待される自動運転車が安全に走行するにあたり、自車位置を把握してアクションを定めていくために必須の技術となっている。

　3社ではダイナミックマップの生成で必要となるデータ収集、データ分析・加工、データ配信技術の実証を共同して実施。また、実証実験ではデータの収集や配信に「4G LTE」に加え、次世代移動通信システムの「5G」を活用していくことも検討していく。

　2018年1月からスタートする実証実験では、将来的な完全自動運転時代に求められるダイナミックマップに向け、データ収集・生成・配信基盤を構築。構築した基盤を使い、道路構造物の高精度地図と動的情報を連携させてデータ生成する処理性能、配信に要する時間などを検証していく。3社ぞれぞれの役割分担は下記のとおり。

・KDDI：一定間隔で生成される車載カメラやセンサーのデータを、確実かつ効率的にアップロードする車載通信モジュールとネットワークを検証。また。逐次アップデートが必要な動的情報や地図データの差分情報などを必要とする対象車両に、確実かつセキュアに配信する方式と最適なネットワークを検証する。

・ゼンリン：動的情報との連携や逐次・差分更新を可能とする高精度地図データの提供と提供プラットフォーム「ZGM Auto」を検証する。

・富士通：コネクテッドカーから得られるプローブデータなど大量の動的情報を収集。高精度地図と動的情報の紐付けや、車両へのリアルタイムデータ配信などを行なうMobility IoT基盤のダイナミックマップ管理機能を提供する。

　3社では各社が持つ要素技術の実証をつうじて、安心・安全なカーライフの実現を目指していくとしている。