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富士通とHERE、自動運転分野などにおける長期戦略的提携に合意

スマートシティやスマートモビリティ実現を目指す

2017年11月7日 発表

 富士通とHERE Technologiesは11月7日、モビリティサービスや自動運転を開発するユーザーに向け、両社の持つ技術を統合ソリューションとして連携させる長期戦略的提携に合意したと発表した。

 今回の提携で両社は、自動車製造業、交通事業者、および都市を対象としてグローバル市場を開拓しながら、まずは日系企業に向けて統合ソリューションを提供する。

 協業による取り組みとして、富士通はHEREの戦略的システムインテグレーションパートナーとしての役割を担うほか、富士通が持つデータ・アナリティクス、AI、そして高性能コンピューティング技術と、HEREが持つ位置情報データに関するサービスや技術を統合。スマートシティやスマートモビリティを実現するための渋滞予測や需給予測に基づき最適配車を実現するカーシェアリングのようなオンデマンドモビリティソリューションや、カメラ画像からの違反、事故などの認識、予測に基づいて交通インシデントへの迅速な対応を実現する交通監視ソリューション、混雑緩和や列車遅延時間の予測を考慮して都市全体の交通最適化を実現するマルチモーダル経路案内ソリューションなど、次世代のモビリティ関連ソリューションを新たに開発、提供する。

 さらに、HEREの「HERE HD Live Map」を富士通のモビリティソリューションに統合することで、自動運転に向けたソリューションを補完・強化することを目指す。

 また、HEREは、富士通の高度なアナリティクスと高性能コンピューティング技術を活用し、IoTの広がりで高まる複雑なデータ・アナリティクスに対するプラットフォームの提供に取り組むとしている。

 富士通 執行役員専務 香川進吾氏は、「このたび、グローバルな地図・位置情報サービスプロバイダーであるHEREと共にお客様に新しい価値を提供できることに喜びを感じるとともに、世界に広く展開できることを強く期待しています。富士通がこれまで培ってきた位置情報関連サービスの知見やヒューマンセントリックなAI技術、高性能コンピューティング技術を活かし、今後、本協業によるモビリティサービスの拡大や自動運転に必須となるダイナミックマップの提供を着実に推進することで、世界のさまざまな人々の移動・輸送に関する利便性向上に貢献します」とコメント。

 HERE Technologies CEOのEdzard Overbeek氏は、「これからの5年から10年の間に、私たちはトランスポーテーション、エネルギー、都市インフラストラクチャーに大きな変化を見ることになるでしょう。この変化の過程で、自動車メーカー、交通機関、そして都市は、重要な位置情報およびアナリティクス技術への迅速で容易なアクセスが必要になります。HEREと富士通はそれぞれの技術を組み合わせることで、自動化の世界に向け、お客様がパワフルな製品とサービスを構築するのを支援します」と述べている。