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富士通、ICT(情報通信技術)のセミナーや展示を行う「富士通フォーラム2014」開催
クルマとICTの融合を紹介するデモンストレーションも。5月16日まで
(2014/5/15 18:42)
富士通は5月15日、東京国際フォーラム(東京都千代田区)において「富士通フォーラム2014」を開催した。同イベントはICT(情報通信技術)の利用や活用への取り組みを紹介するもので、今年は「Human Centric Innovation」をテーマにセミナーや各種展示、デモなどが行われている。会期は5月16日(事前申込制、入場無料)まで。
展示内容は農業から教育、医療、エネルギーなど多岐にわたっているが、ICTをクルマに活用することで安全、快適を追及する取り組みも紹介されていた。中でも目玉といえるのが「Vehicle ICT」のブース。ここでは独自のセンシング技術とセキュリティ技術を融合した車載サーバにより安全、快適、環境性能の実現を目指したデモが行われていた。
展示用のコクピットには車載サーバおよびメインディスプレイとなるタブレット、ナビやオーディオ用の車両ディスプレイ、そして触感パネルを採用したエアコンディスプレイを装着。取り外し可能なタブレットをメインディスプレイとして採用することで、キーの役割を果たす利用者認証を可能とするほか車載サーバのアップデート、車外での自動駐車確認など数々の機能を実現していた。これらの技術は自動車メーカーとの共同開発が必要となるため、今すぐ実現というわけにはいかないものの、近い将来、人とクルマをつなぐ新たなインターフェイスとして姿を現しそうだ。
現在の技術として目を惹いたのが「商用車テレマティクス・モビリティレコーダー」。これはカーナビとドライブレコーダー、スマートフォンリモートエンジンスタートシステム、連携緊急通報ユニットを組み合わせたもの。単体ではどれもすでに販売されているアイテムだが、組み合わせることにより車線認識を使った運転診断、「ヒヤリハット地点通知」などが可能になる。特に後者はビッグデータと組み合わせることでトラック、タクシー、初心者など異なるユーザー向けに地点抽出が可能になるなど、安全性を高めるうえでかなり有効になりそうなもの。このところ世間を騒がす事故が多い高速バスにもぜひ欲しい装備といえそうだ。
今後、カーナビへの展開が期待できるのが位置情報を活用した新しいクラウドサービス「SPATIOWL(スペーシオウル)」。といっても、すでに2011年から開始されているサービスで、クルマのプローブ情報やVICS、携帯電話、インターネットやSNSといった位置情報持つ情報をビッグデータとして活用、提供するもの。
VICSはもとより、プローブ情報だけでは対応しきれない突発的な事故や工事といった状況にも対応が可能なほか、予測精度も高められるとのことで、すでに一部自動車メーカーのナビゲーションでは部分的に採用されているそうだ。さらに音声認識や対話処理だけでなく、音声データを使った対象者のストレス状態診断などの機能まで備えており、今後こういった機能を備えるカーナビが登場してくるはずだ。