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【連載】西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ

第23回:よし、決めた。GT-Rを売却しよう

 2014年、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 実は、2013年には自分のGT-Rに関して大きな出来事があった。この“出来事”は、元日産GT-R開発責任者の水野和敏氏や、元日産GT-R開発ドライバーの鈴木利男氏、日産GT-Rの生産ライン構築に大きく貢献した元栃木工場工務部第一技術課の宮川和明氏と2013年に出会ったことを発端としている。

 水野氏と宮川氏は日産を退社され、すでに新たなキャリアを歩んでおられるし、鈴木氏は開発ドライバーの契約が2013年モデルの開発までで、2014年モデルの開発には関与していないようだ。水野氏から聞けたお話は、本連載第21回(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130704_606103.html)と22回(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20131107_622261.html)にまとめており、鈴木利男氏から伺ったお話は本連載第15回(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130321_592272.html)にまとめているので、こちらを参照いただきたいが、こうして3人の“ミスターGT-R”からのお話を伺っているうちに、筆者個人としては「現行のR35 GT-Rは2013年モデルが、ある種最終形ではないか」と考えるようになり、2013年モデルへの買い換えの検討をするようになったのであった。

筆者と水野和敏氏(右)
筆者と鈴木利男氏(左)
筆者と宮川和明氏(右)

 水野氏が率いてきたチームGT-Rは2013年モデルまでの開発をもって解散しており、2014年モデルの開発は新しい開発体制で行われると聞いていたことも、その決意を後押しした。また、情報筋から流れてきた「2014年のカタログモデルのGT-Rはラグジュアリー方向に振られ、NISMOモデルはよりピュアスポーツ路線となり、オールラウンダーなGT-Rは2013年モデルが最終形となる見込み」という情報も、さらに自分の決断を早めることとなった。

 2012年モデルを購入して15カ月。「乗り換えるには早い」ということは自分でも分かっているつもりであったが、2013年5月には売却を決断している自分がいたのであった。年次進化する日産GT-Rが、1年でどう進化したのかというのを自分の感覚で確かめたいというのもあった。

GT-Rの売却先を探す

 「手持ちのGT-Rを売却し、2013年モデルに買い替える」という相談を、まずは2012年モデルを購入した地元の埼玉日産ディーラーに相談してみることにした。

 「え、それはどうしてですか?」と言われるかと思いきや、予想に反してディーラー担当者は「そうですか。今年(2013年)はそういう方が多くいらっしゃいます」という明るい表情で応対してきた。なんでも、自分が来店した日の前日にも同様の相談があり、今まさに商談を進めている最中だというのだ。

2013年モデルへの買い換えを検討する埼玉日産担当者と筆者との商談の様子

 「自分だけのレアケースではない」という話に励まされたことで、切り出しにくかった手持ちのGT-Rの売却の話をしてみたのだが、これについては担当者は明るい表情を見せなかった。なんでも日産ディーラーでは、毎月刊行されている中古車基準価格でしか買い取れず、自分のGT-Rのような極端に新しい年式では、どうしても割安になってしまうというのだ。この時に聞いた参考買い取り価格は600万円前後であった。筆者のGT-RはPURE EDITIONで、コミコミ約945万円だったので、「新車時の6割で買い取って貰えるならば上々」という話もあるが、もう一声、欲しい気はする。結局この日は売却については「中古車買い取り店を当たってみてはどうか?」というアドバイスをもらえただけであった。

 その後、時間のあるときに大手買い取り店を巡って相談してみたのだが、やはり600万円前後あたりが相場だった。一部、650万円を提示したところがあり、これが5店舗巡っての最高金額であった。

大手買い取り店にも訪れて買い取り査定を行ってみた

 そんな買い取り相談をゆるゆるとやっている最中、ディーラー担当者から連絡があり、先に商談を進めていた方が、手持ちのGT-Rをかなりの高額で買い取りしてもらったという話を伝え聞く。ディーラー担当者としては、1件でも多く商談をまとめたいので、こういうときはフットワークがとても早い(笑)。先行して商談しているその方から、その買い取り店の詳細を聞いてもらえることになった。

 その後、その方が買い取りをしてもらった店舗が群馬の「クラフトスポーツ」(http://craftsports.co.jp/)であると連絡をいただき、さっそく見積もりをお願いするのであった。余談だが、この「先に商談を進めていた方」とは後に埼玉日産ディーラーで出会うことになり、今では友人となっている。R35 GT-Rオーナーズクラブの方にも雑談でこうした話をしてみたところ、やはり「クラフトスポーツ」の名が挙がる。R35 GT-Rの買い取り店としてはオーナーの間でも有名なようだ。

 買い取り見積もりは、これまでの最高額の提示。あえて具体的な買い取り金額は伏せておくが相場に対して100万円以上高かった、ということは言っておこう。そのまま売却を決断。

 車両の受け渡しは自宅まで引き取りに行ってもいいという提案を受けたが、事情を説明して、せっかくなのでクラフトスポーツに出向いて受け渡し、そのついでに取材をさせてもらう段取りとした。決して自分だけが特別なわけではなく、筆者より先行して商談を進めていた前述の埼玉日産のお客さんは自分よりも買い取り価格が上だったので、基本的にクラフトスポーツの買い取り価格は、一般的な買い取り業者の相場よりは高値安定とみてよさそうだ。

車両売却にあたっては3人の“ミスターGT-R”のサイン入りエンジンカバーを取り外し、新品のエンジンカバーに差し替えた

クラフトスポーツがGT-Rを高値で買い取れる理由とは?

クラフトスポーツ チーフディレクターの湯本一樹氏

 なぜクラフトスポーツはGT-Rの買い取り価格が一般的な買い取り業者の相場よりも高いのか、どうしてそんなにGT-Rの買い取りに力を入れているのか、クラフトスポーツのチーフディレクター、湯本一樹氏にお話を伺った。

 クラフトスポーツは、群馬県の中古自動車販売業者の大手である高崎自動車販売が母体となっている中古車ディーラーである。トヨタ自動車の「セルシオ」やレクサスなどの高級セダンをメインに取り扱いつつ、R32 GT-RからR34 GT-Rまでの第2世代GT-Rの取り扱いにも力を入れるようになった高崎自動車販売だが、敷地スペースの問題もあってGT-Rの展示は満足いくほどできなかったという。そこで2010年1月に、前橋市に広い敷地を利用した新店舗を設立。ここにGT-R専門店の形で「クラフトスポーツ」が誕生した。

 広大な敷地内にはレクサスの中古車ショールームもあるが、GT-R専門店のクラフトスポーツとはショールームが分かれている。敷地内中央にはガソリンスタンドもあり、一見すると高速道路のSA(サービスエリア)か、あるいは道の駅のようだ。

商談ルームはとてもきれいで、レース車両も展示されている
「群馬県内最多レベルの同時展示車数」を自負すると言うが、全国でもここまでのGT-Rを在庫している店舗は多くないだろう
広大な敷地に並べられた在庫車。ショールームは分かれているがスバル車やレクサス車を取り扱っているセクションも存在する

湯本氏:全国の良質なGT-Rをすべて集める意気込みで、GT-Rの買い取りに力を入れています。「クラフトスポーツ=GT-R」というイメージがGT-Rファンの間で定着することを目標に営業をしています。

 「GT-R専門店」というコンセプトを掲げてはいるが、現在、クラフトスポーツが特に力を入れているのがR35 GT-Rだという。R32、R33、R34 GT-Rは現在は下取りがメインで、下取りした車両で良質なものがあれば店頭に並べるという感じだそうで、常時在庫しているのはR35 GT-Rになる。取材当日も40台近いR35 GT-Rが広い敷地に並べられており、これらがすべてクラフトスポーツの在庫車だというのだから恐れ入る。

取材当日は、下取りの形で在庫車となったR32、R33、R34 GT-Rが並んでいた。このR34 GT-Rは走行4万kmのVスペックNurで価格は638万円!

湯本氏:群馬県内では日産の正規ディーラーさんよりも在庫量は多いですね。群馬日産ディーラーさんとは関係が良好なのもありまして、群馬日産ディーラーさんからお客様を紹介していただくこともあります。それと、新車の購入を検討されている方が、我々の所に実車を見にいらっしゃるなんていうこともよくあります。

 筆者のGT-Rは、先に述べたとおり大手買い取り業者の相場よりもだいぶ高かったわけだが、それを実現できる理由はどこにあるのだろうか。

湯本氏:買い取り価格については、我々の独自の相場を元に決めていますから、大手買い取り業者さんの相場とは異なっていることが多いと思います。大手買い取り業者さんの買い取り価格は年式、走行距離、グレードなどのデータから一律にはじき出されますが、我々はいい状態の車両にはいい価格を出すようにしています。これも、多くのお客さまに満足いく形でお譲りいただけている理由の1つになっていると思います。

逆に申し上げますと、実際に車両を見せていただき、当社規定の条件を満たさないものについては買い取りを辞退させていただくこともあります。さまざまな理由があるのですが、あえて言うとしたら、大手買い取り業者さんよりも相対的に高く買い取れるのは、買い取ったあとのGT-Rという車種の販売力に自信があるからですかね。

 筆者の場合もそうだったのだが、買い取り査定の予約は電話を入れるだけでOKだった。クラフトスポーツは群馬県に本拠を構えるが、基本的には全国無料での出張査定を行っている。遠方の場合は、出張査定するまで多少のタイムラグがあるようだが、群馬県近隣や首都圏であればほぼ即日の対応が行われる。筆者のケースでは、たまたま見積もり査定の担当者が関東圏に出張査定していたため、埼玉の筆者宅近隣地で落ち合う約束をその日に取り付けることができた。

湯本氏:査定時に心がけているのは、その1台を見た時にオーラがあるかですね。ちょっとオカルトじみた表現ですが、査定担当者は数多くのクルマを見てきているので、状態のよいクルマ、オーナーさんが大事にしてきたクルマは、査定担当者も直感的に分かるんです。もちろんそれだけでなく、整備履歴書といった書面としてのデータも査定には反映いたしますが。

自動洗車ラインも完備
在庫車の専用撮影ブースもある。たまたま新たに在庫車となったレクサスが撮影中であった

 中古車の買い取りという都合上、高年式(新しい年式)の車両が高く買い取られるのは当然で、さらにいえば上位グレードの方がより高い値段が付く。ただ、クラフトスポーツとしては、高額の車両だけを買い求めているのではなく、低年式(古い年式)のR35 GT-Rの買い取りも普通に行っている。これは、価格がこなれた初期型R35 GT-Rをチューニングのベース車両として欲しがるニーズが出てきたり、当時は憧れだったR35 GT-Rが手の届く価格に落ちてきたりしたためで、中古のR35 GT-Rに大きな引き合いが生まれているのだ。

湯本氏:2007年式の初期型で4万km乗っていたとしても、ちゃんと査定して買い取り金額を提示いたします。そのクルマの次のオーナー様の姿が見えれば、そのクルマには価値があるので条件はきちんと提示いたします。我々はR35 GT-Rの目利きには自信がありますので。

 クラフトスポーツでは、2007年式で400万円台の値段を付けている車両もある。こうした車両は前述したチューニングベースとして買い求める人以外に、「次の車検まで乗ってみたい」「R35 GT-Rという名であればなんでもいい」というカジュアル派のR35 GT-Rファンにも引き合いが多いそうだ。

陽光下ではゴールドっぽく見えるタイタニウムグレーは今や絶版カラー。これは2007年モデルの基準車。走行8100kmで518万円。お買い得だ。

 一方買い取りの際に、査定額にプラス加点できるものはあるのだろうか。

湯本氏:査定の際、オーナー様にお立ち会いいただけるときは、ぜひともアピールポイントをおっしゃっていただきたいですね。加点できるかどうかは分かりませんが、査定担当者が気がつかない部分などもあるかもしれませんので。

 その中でも定番なのは禁煙車かどうか、サーキット走行があるかないか(ない方が加点)。メーカーオプション、ディーラーオプションも定番ですね。R35 GT-Rですと、これまで日産が幾度なくリリースしてきたバージョンアップキットの装着をはじめ、バックモニター(リアカメラ)、フロアマットなどが定番です。追加パーツはノルドリンクさんやNISMOのパーツであれば加点を付けられることが多いですね。

 それ以外ではボディーコーティング、ホイール保護シール、あとはタイヤの残り溝も重要です。タイヤ交換直後であればそう言っていただけると加点できる場合があります。ほかにもあると思いますので、ダメ元で色々と査定担当者に言ってみてください。

取材当日はノルドリンクのデモカーが在庫車になる準備が行われていた。2008年式で走行2万4000kmだが、ノルドリンクのカーボンパーツが贅沢に奢られ、さらに内装はホワイトの本革に貼り替えられた希少車。さまざまな部分が加点査定されたためか、価格も658万円と年式の割には高めだ

 クラフトスポーツでは買い取れないという条件はあるのだろうか。

湯本氏:日産のメーカー保証を継続してお客様にご提供することをモットーにしている関係上、改造車の買い取りは基本的にご遠慮しています。NISMOのスポーツリセッティングコンピュータをはじめとしたNISMOパーツの装着はその限りではございません。ボディーカラーを全塗装(いわゆるオールペン)もNGですね。社外ホイールの装着車については微妙です。完全NGではないのですが、実車を見せていただいて条件を提示するという感じになろうかと思います。

 買い取られた車両については、全車、第三者検査機関のAIS(オートモビル・インスペクション・システム)に委託して、修復歴はないか、事故車でないかといったことも含めた状態審査を行っている。万が一、クラフトスポーツから納車された車両が審査結果と違う状態だったことが後に判明した場合は返金対応もするというから、在庫車には相当な自信があるようだ。実際、筆者のGT-Rも引き渡したその日にAISの審査が行われた。

筆者の車両も引き渡し直後にAISによる審査が行われた
筆者の車両は外装、内装ともに5つ星。修復歴もなしの結果をいただいた
「他業者さんの見積もり書を見せていただければ、よりよい条件を示せると思っていますので、ぜひとも『あそこではいくらだった』というお話もお聞かせいただければと思います」と湯本氏

 クラフトスポーツが昨今、特に高く買い取ろうとしているR35 GT-Rの条件はどう言ったものになるのだろうか。

湯本氏:そうですね、BLACK EDITIONでサッチャム準拠の車両防盗システム装着、サイドエアバッグ装着、BOSEオーディオシステム装着車両は欲しいですね。これらの総額はPREMIUM EDITIONを超えますし、希少性もあるのでだいぶ高いお値段が付けられます。同様の理由で、2013年モデルから追加されたアーバンレッド内装付きのファッショナブルインテリア装着車も欲しいところです。

クラフトスポーツで中古R35 GT-Rを買う場合は?

筆者のように2013年モデルへの買い換えを決断するオーナーも少なくないようで、2012年モデルも比較的多く持ち込まれるようだ。こちらは走行6300kmの2012年モデル(BLACK EDITION)。ガンメタ色。848万円

 今回、筆者は車両の買い取りでしかクラフトスポーツを利用していないが、クラフトスポーツではそうして買い取ったGT-Rを店頭に並べて販売している。

 続いては、クラフトスポーツで中古GT-Rを購入する場合についての話題にも触れておくとしよう。

 現金一括で購入できるのはもちろんとして、クラフトスポーツでは最大84回の金利3.9%でのローンも利用できる(残価設定ローンは取り扱っていない)。ローンは、クラフトスポーツが提携しているクレジット会社が、定期的に期間限定で支払い回数延長や低金利の特別キャンペーンを行っている場合もあるので、遠慮なく相談いただきたいとのこと。

 試乗については応相談。敷地内や近隣地域での試乗は、タイミングや条件次第では可能とのことだ。

 売れ筋モデルや、昨今の売れ行き動向はどうなのだろうか。

500PSオーバーになったマイナーチェンジ後の2011年モデル以降は高値安定。ガンメタ色のこちらの車両は走行9400kmの2011年モデル(基準車)。748万円

湯本氏:2013年中期までの傾向としては、比較的2011年モデル以降の買い取りが多いですね。西川さんのように“水野最終モデルの2013年モデル”へ買い換えるという方が結構いらっしゃいます。ただ、販売車両の総数でみると、市場流通台数の多い2007年モデル、2008年モデルが多いですね。2011年モデル以降の人気は高いです。弊社で2007年モデルを購入いただいたお客様が、2011年モデルを再び弊社で購入されたというのも最近ありました。ただ、マイナーチェンジ後の2011年モデルと、マイナーチェンジ前となる2010年モデル以前では200~300万円の価格差があります。お客様はその価格差に見合った性能が得られるのかどうかで悩まれますね。

 R35 GT-Rは、イヤーモデルとして毎年バージョンアップするので選ぶ側は大変だ。そこには単純に走行距離が多い・少ないで決められない難しさがあるのだ。クラフトスポーツでは、お客さんに各イヤーモデルをどのように薦めているのだろうか。

湯本氏:我々はR35 GT-Rに関しては相当な情報量を持っておりますので、その車両を一般的な中古車ディーラーよりも正確なデータをお客様に提示できるような体勢を敷いています。例えば、複雑なのは最初期型の2007年式です。

 日産の発表によれば2007年式は約5000台が生産されていまして、車体番号4992以降が2008年式に分類入されます。しかし、2007年式が発表されたのは2007年末ですから、2007年モデルでも2008年5月くらいまでに登録されたのは2007年式なんですね。2008年式は2008年7月以降くらいからの登録が2008年モデルなんです。さらに、大手ディーラーなどでは2007年式を展示車として店舗に2年間展示しており、これを2年後の2009年に初登録するというケースもあります。これが2009年モデルかというと違いますよね。我々が取り扱う車両については、そこまでの詳細な情報までをお客様にご説明致します。

 なお、初年度登録時期が生産時期とずれている車両は何もデメリットばかりではない。というのも、日産のメーカー保証期間は、初登録年からスタートするので、生産年式が古くとも、メーカー保証は相対的に同年生産車と比較すれば長く受けられることになるのだ。湯本氏によればそうした条件までを吟味して希望のクルマを選択して欲しいとのことであった。

一般に有彩色は価格が安いというイメージがあるが、GT-Rの場合は色の指定買いがあるためその傾向はあまりないのだとか。こちらは筆者のと同色の赤の2009年モデル(BLACK EDITION)。走行2万1700kmで638万円。赤だから安いということはないのだ

 クラフトスポーツで中古GT-Rを購入した場合、アフターサービスは基本的にはユーザーが居住する近隣のGT-R取り扱い店か、日産ハイパフォーマンスセンター(NHPC)で受けられるようになっている。そう、メーカー保証を継続できるのだ。

 2007年モデル、2008年モデルは一部、初年度登録後5年が経過しており、メーカー保証が切れている車両もある。そうした車両を買い求めるユーザーのためにはクラフトスポーツが用意している特別保証プランをオススメしている。

 これはエンジンおよびトランスミッションまでを保証するもので、納車時から2年が保証適応期間となる。価格は10万5000円の掛け捨てだ。湯本氏によれば、メーカー保証切れの車両を買い求めた人の7割近いユーザーが、この特別保証プランに加入しているとか。

 クラフトスポーツで取り扱っているGT-Rは、群馬のNHPCで一度整備してから店頭在庫車両にするため、納車後の大きなトラブルは今のところないようだが、一般的に中古のR35 GT-Rを購入する際には、どういったポイントに気を付ければよいのだろうか。

豊富なGT-R知識を持つ湯本氏。クラフトスポーツはGT-R関連イベントにもブース出展をしているようなので、GT-Rの売却、あるいは中古GT-Rの購入予定があるのならば、ぜひ相談してみてはどうだろう

湯本氏:よくチューニング雑誌に出ているようなエンジンやトランスミッションのトラブルはほぼありません。逆に、チューニング雑誌で言われない部分に気を付けるべきポイントがあります。1つはヘッドライトの結露ですね。ヘッドライトの中が曇ってしばらく抜けない場合があります。それとメーターのLED電球の球切れ。マルチファンクションディスプレイ(MFD)の表示不具合。ドアスピーカーのビビリ音。この辺りですかね。

 この辺りは、メーカー保証期間が残っている場合は無償修理が可能なので、中古でR35 GT-Rを獲得したオーナー諸氏は重点的に意識して状態を観察した方がよいかも知れない。最後に、湯本氏にR35 GT-Rファン及び、一般読者向けのコメントを頂いた。

湯本氏:広い敷地の中に各年式のR35 GT-Rを幅広く取り揃えていますので、ぜひ一度、お立ち寄り下さい。ホームページにはイベントの開催告知もありますので、時々そちらもチェック下さい。以前は、水野和敏さんや鈴木利男さんのトークショーを開催したことがございます。それと全国の日産ディーラー様、GT-Rの買い取りに関して、ご紹介をお待ちしております。

実際に色とりどりの本物のGT-Rが見られるのはクラフトスポーツだけ、といっても過言ではないかもしれない

次回で最終回

 約2年にわたって続いたこの連載もついに次回で最終回を迎える。最終回は、2013年モデルの購入と2012年モデルとの違いの話題などを中心にお届けする予定だ。

クラフトスポーツ

〒371-0814 群馬県前橋市宮地町248-1
http://www.craftsports.co.jp
営業時間:10時~19時
Tel:027-265-3388
FAX:027-265-1171

西川善司

テクニカルジャーナリスト。元電機メーカー系ソフトウェアエンジニア。最近ではグラフィックスプロセッサやゲームグラフィックス、映像機器などに関連した記事を執筆。スポーツクーペ好きで運転免許取得後、ドアが3枚以上の車を所有したことがない。以前の愛車は10年間乗った最終6型RX-7(GF-FD3S)。AV Watchでは「西川善司の大画面☆マニア」、GAME Watchでは「西川善司の3Dゲームファンのためのグラフィック講座」を連載中。ブログはこちら(http://www.z-z-z.jp/BLOG/)。

(トライゼット西川善司)