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三菱電機、車載向け「簡単操作インターフェイス」を開発
「先回りエージェント」とクラウド併用の音声入力で高速操作を実現
(2014/2/10 19:15)
三菱電機は2月10日、簡単で高速な操作が可能な車載向けインターフェイスを発表した。
開発したのは、ドライバーの意図を推測して次に操作する項目を表示する「先回りエージェント」と、1回の音声入力で操作ができる「タッチ&ボイスHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)」の2点。これらを組み合わせることでほとんどの操作を2回のステップ、15秒以内で完了できるという。ナビゲーション、オーディオ、エアコン、電話など自動車に搭載される多様な機器を簡単に扱えるようにするというのが開発コンセプトで、機器の操作時間を短縮することで運転時によそ見をする時間が減り、安全性も向上するという。
基本的なインターフェイスは、3つの操作候補から直接希望の機能を選ぶ3択ボタンと、「音楽」「ナビ」「エアコン」「電話」という4つの機能に直接アクセスするための機能ボタンというシンプルなもの。これに音声入力も組み合わせることができる。
「先回りエージェント」は、これまでのドライバーの操作履歴や車両情報、交通情報などからドライバーが次に行うと思われるものを上位3位まで表示するというもの。表示された機能はハンドル上の3択ボタンで直接選択でき、推定結果は液晶ディスプレイだけでなくHUD上にも表示されるため、操作に伴う視線移動を軽減できるとしている。HUDの画面サイズは17.2インチ(3.3m先に表示)で解像度は480×240ドット。輝度は13000cd/m2で、日中でも視認性に優れるという。表示件数については1件や2件だと少なすぎ、4件以上だと手探りで操作しづらいため、上位3件を表示することにした。
たとえばガソリンが少なくなればガソリンスタンドへのルートを表示するボタンを表示し、目的地に向かう途中で渋滞に巻き込まれた場合、渋滞で遅くなるという状況をエージェントが判断し、到着が遅れることを相手に連絡するために電話の操作ボタンを表示するなど、ドライバーが必要とするであろう機能をこれまでの履歴などから推定する。いつも同じ時刻に自宅へ連絡を入れるというようなケースも学習し、その時刻になると電話をかけるためのボタンを表示するようになる。
もし3位以内に操作したい項目がない場合は、別途用意される4つの機能ボタン「音楽」「ナビ」「エアコン」「電話」のうち希望するボタンを押すと、押したボタンに関連する機能のみを抽出して上位3件を表示する。
一方「タッチ&ボイスHMI」は、「先回りエージェント」では該当する操作がなかった場合などに音声入力で操作を行うもの。上記の機能ボタンから希望するものを押しながら「一言」しゃべることで、機能を使うことができる。
たとえば音楽ボタンを長押しすると「何を聴きますか?」と聞いてくるので、アーティスト名や曲名などを発言すればそれに対応する曲を再生してくれる。また、ナビボタンを押すと「どこへ行きますか?」と聴いてくるので、目的地の名称など発話すると候補地を3件まで表示してくれる。その中から3択ボタンを使って目的地を選ぶという仕組みになっている。同社によると、走行中に行いたいと思う機能の9割以上をこの機能でカバーできるという。
音声認識は従来どおりのカーナビローカルの音声認識だけでなく、ネットワークが使える環境であれば自動的にクラウド上のライブラリも併用するのが最大の特徴。これにより、より正確な音声認識が可能になっているという。
今後はさらなる予測能力の精度や音声認識精度の向上、HUDの大画面化などが課題となっており、2018年を目処に本機能を自動車に組み込んで販売を開始する見込み。特定の自動車メーカーだけでなく、OEM販売も視野に入れているという。
ターゲットとしては、インターフェイスの組み込みなどカスタム要素が多いためまずは高級車からということだが、すでにネット機能などは普及車でも一般的になりつつあるため、いずれはそうした車両にも展開するとしている。