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国交省、2012年度の自動車リコール届出内容の分析結果を発表

リコール対象台数は前年度116%増の561万3000台

 国土交通省 自動車局は3月31日、2012年度に届け出が行われた自動車のリコール内容の分析結果を発表した。

 自動車のリコール届出は、届出件数が308件で前年度の263件から17%増。対象台数が561万3000台で前年度の259万4000台から116%増となっている。このうち、国産車は217件で前年度の180件から21%増、対象台数は541万1000台で前年度の242万3000台から123%増。輸入車は91件で前年度の83件から10%増、対象台数は20万2000台で前年度の17万1000台から18%増と、それぞれ増加している。

 この理由については、2012年度には対象台数が100万台規模の大規模リコールが2件発生していることなど、届出1件あたりの対象台数が多いリコールが多かったためとしている。

 不具合発生の原因別では、設計に係るものが225件で前年度の178件から26%増となり、全体の64%となっている。製造に係るリコールは126件で前年度の111件から14%増。この2項目を合計すると351件になって届け出全体の308件より多くなるが、これはリコール届出が複数の原因にまたがる場合、区分ごとに集計しているため。

 また、届け出のうち、ハイブリッドカーや電気自動車(EV)などの「特有の構造等に起因するもの」では、2012年度に国産車で制動装置で4件、原動機で1件、動力伝達装置で1件、電気装置で1件の合計7件が届け出られ、このうちハイブリッドカーが2件、EVが5件の届け出となっている。これまでに2009年度にハイブリッドカーで1件のリコールが届け出られて以来、2010年度に原動機と電気装置で合計2件、2011年度に電気装置3件と原動機2件がそれぞれハイブリッドカーで発生し、2012年度になって輸入車のEVで動力伝達装置の1件が届け出られるなど「年々増加傾向にある」と分析している。

 このほか、先進安全自動車(ASV)技術に関するリコール届出件数は、2012年度に衝突被害軽減ブレーキで1件の届け出があった。これまでに2008年に国産車の全車速ACC(全車速域定速走行・車間距離制御装置)で2件、2011年に輸入車の全車速ACCで1件の届け出がある。

 詳細な分析結果については、詳細資料がPDF形式(http://www.mlit.go.jp/common/001033852.pdf)で配布されている。

 自動車のリコール制度は、1969年に自動車の不具合による事故の未然防止を図るために創設されたシステム。1995年からは道路運送車両法でリコールの勧告制度、罰則の適用等の規定が整備さている。また、自動車のリコールに関する不正事案が発生したことなどを受け、2002年7月に道路運送車両法が改正され、リコール命令、罰則の強化、後付装置リコール制度(タイヤ・チャイルドシート)などの規定も設けられている。リコールが届出された場合、自動車メーカーなどはリコール届出直後からダイレクトメールなどでユーザーに通知を行い、早期に回収・修理のための措置を講じることと定められている。

【お詫びと訂正】記事初出時、年号の表記に一部間違いがありました。今回発表された分析内容は、2012年度についての分析になります。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:佐久間 秀)