ニュース

トヨタ、2015年3月期 第1四半期決算を発表

営業利益は前年同期比4.4%増の6927億円で第1四半期過去最高を記録

決算内容を解説するトヨタ自動車 常務役員の佐々木卓夫氏(写真右)、小西工己氏(写真左)
2014年8月5日発表

 トヨタ自動車は8月5日、2015年3月期 第1四半期の実績とともに、2015年3月期の見通しについて発表した。

 第1四半期(4月~6月)の決算は、連結販売台数が前年同期比で9000台(0.4%)増の224万1000台。売上高が1353億円(2.2%)増の6兆3906億円、営業利益は293億円(4.4%)増の6927億円、純利益は476億円(6.6%)増の7718億円となった。

 第1四半期過去最高となった営業利益については、原価改善努力や為替の円安効果がその主な要因。一方のマイナス要因としては諸経費の増加ということで、アジア、中南米等の諸外国のインフレに伴う経費増、国内では賞与増加分などがその主たるものだという。また、連結の販売台数については日本やアジアで減少したものの、北米・欧州・中近東での販売が堅調であったことで増加となった。

 2014年暦年の販売、生産計画については、1月23日に発表した当初計画に比べ、グローバル販売でトヨタで13万台減の915万台(前年比102%)と若干の下方修正とした。

 会見に出席した佐々木卓夫常務役員は、「当第1四半期の実績は、期始の見通しに対しておおむね想定通りで、通期見通しの連結販売台数も変更なしとし、通期収益見通しも据え置きとしている。今後も各国の市場動向を注視しながら、持続的に販売策を実施していくとともに、レクサスNX、RC等各国において魅力的な商品を投入していく」と述べるとともに、「以前の過去最高利益だった2008年3月期の第1四半期は、為替レートが1ドル121円、1ユーロ113円で、為替の部分だけを見ると3500億円ほどのギャップがある。今回の数字は、リーマンショック以降の4年間で収益構造を改善してきたことの結果として出ているのだと思う。今後もこういった収益を維持しながら、さらに改善していく努力を続けたい」とコメントした。

日本・アジア地域で販売台数は減少したが、北米を中心に堅調に伸びており、結果9000台増の224万1000台を販売
ドルの3円安、ユーロの11円安という為替レート変動もあり、連結決算では6兆3906億円の売り上げを記録。営業利益は6927億円
営業利益の増減要因は、原価改善、為替変動の影響に加え、金利スワップ取引などの評価損益が押し上げ、対して車種構成変化や諸経費の増加もあり、営業利益は293億円の増加となっている
所在地別の営業利益。日本はノア/ヴォクシー、ハリアー、ヴィッツ等の新型車が販売を牽引したものの消費税導入の落ち込みもあり、販売は対前年同期比で2万台減となった
北米の堅調な自動車市場を背景にRAV4やカローラ等の主力モデルの販売が好調で、前年同期比2万1000台の販売増もあり、営業利益は前年同期比461億円の増加となった
欧州ではカローラ、オーリス、カムリなどが販売台数を伸ばし、前年同期比1万4000台の増加となった。原価改善もあって営業利益は56億円増加
アジア地域ではハリアー、ヤリス等の販売台数は増加したものの、タイ市場の低迷などもあり販売台数は38万5000台にとどまった
その他地域では、ベネズエラや南アフリカの生産台数の減少や各国の通貨変動の影響などにより、営業利益は前年同期比84億円減の340億円となった
金融セグメントでの営業利益では、融資残高の増加や為替変動の影響などもあって前年同期比で38億円の増益に
持分法投資損益。前年同期比153億円の増加となった。この要因は主に中国の販売実績が好調に推移した結果であるという
通期の連結販売台数見通しについて。アジア・中近東の販売台数減少、北米の堅調な販売を織り込み、5月に公表した数字の変更はせず
7月以降の前提為替レートをドル100円、ユーロ135円とし、通期の前提為替レートはドル101円、ユーロ136円としている
設備投資、減価償却、研究開発関連についても期末決算時点から見通しの変更はなし
2014年暦年の販売台数は当初計画から13万台減となる915万台、グループ全体で1022万台。具体的な中身は、新興国弱含みで推移しており、その分を日本5万台上乗せ、アメリカも230万台レベルでそこを担うような計画となる

(青山義明)