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スバル、新本社ビルで新型「WRX」発表会を開催
「WRX S4」はEyeSight(アイサイト)を搭載に
(2014/8/25 11:01)
スバル(富士重工業)は8月25日、東京都渋谷区恵比寿に移転した新本社内で新型スポーツセダン「WRX」の発表会を開催している。新型「WRX」は、先代インプレッサシリーズのスポーツモデルとして存在した「インプレッサ WRX」シリーズの後継車種。新型からは独立車種となった。
新型WRXの概要については、富士重工業 取締役専務執行役員 日月丈志氏が解説。日月氏は、自身が商品企画本部時代に開発に携わったWRXの発表が、新本社の初の発表会となることがうれしいと述べた後、スバルのクルマ作りについて語った。
スバルは、5月9日に新中期経営ビジョン「際立とう 2020」を発表。日月氏は、その新中期経営ビジョンで示した2020年のありたい姿「大きくはないが 強い特徴を持ち 質の高い企業」を紹介し、スバルがお客さまに提供する価値である「安心と愉しさ」を徹底的に追求したモデルが新型WRXであるとした。
WRXには、「WRX STI」と「WRX S4」の2モデルがあるが、WRX STIは「スバル最高のロードゴーイングレーシングカー WRX STI」と紹介。「WRXはインプレッサをベースにし、モータースポーツのために生まれたクルマです。しかし、今回はインプレッサから独立した1つのスポーツカーとして内外装を一新し、徹底的に作り込んできました。そしてそのWRXをベースにモータースポーツで勝つためにさらに性能を向上させたのがWRX STIです。ツインスクロールターボエンジン、DCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)、ブレンボブレーキ。モータースポーツで戦える性能をお客さまが一般道で扱えるロードゴーイングレーシングカー。それがWRX STIです」と語った。
一方、WRX S4については、「新提案のスポーツセダン」とし、「モータースポーツのために生まれたWRXのヘリテージを引き継ぎながら、その走りをより多くのお客さまに楽しんでいただけるように、快適性能、安全性能、環境性能を強化しました。具体的には、300PSとハイパワーながらエコカー減税の対象となる2.0リッターターボエンジン、2ペダルスポーツとして性能を磨き上げたスポーツリニアトロニック、スバルの先進安全システムであるEyeSight ver.3を搭載。より多くのお客さまに安心して最高の走りを楽しんでいただくためにスバルの最新技術を惜しみなく投入し開発した」クルマだと位置づける。
「クルマを移動手段としての経済性や利便性で捉え、コモディティ化する、そういう傾向が強くなっています。言ってみれば、味のないクルマが多くなっています。しかし一方で密度の高い満足感、しっかりした味を求める方が確実にいらっしゃいます。S4にはしっかりとした味。素晴らしい味があります」「モータースポーツをDNAに持つWRXでより多くのお客さまに密度の高い満足感を提供したい。WRXにしかない味を毎日の生活の中で味わえるようにように進化させた新しい提案、それがS4です」と、味にたとえて紹介し、「スバルらしい、スバルにしかない味。星三つを超える星六つに仕上がった」と概要紹介を終えた。
車種開発の方向性については、富士重工業 スバル商品企画本部 プロジェクトゼネラルマネージャー 高津益夫氏が紹介。新型WRXシリーズの開発コンセプトは「パワーとコントロールの究極バランス」であるとし、それが「Pure Power in Your Control」という言葉に込められている。
このパワーとコントロールを突き詰めるために、ステアリングレスポンス、リアタイヤグリップ、フラットライドを追求した。S4では、パワーとコントロールである「スバル最高峰のAWDスポーツパフォーマンス」(Sports performance)に加え、EyeSightなどの「独自の総合安全性能」(Safety performance)、環境対応エンジンなどの「優れた環境性能」(Smart driving)、スタイリングなどの「洗練された質感」(Sophisticated feel)が備わっているとする。
技術説明などは行われなかったが、発表会場に展示されていた車両はWRX S4が2台のみ。WRX STIは、同日展示の始まった新本社1階でお披露目されたものの、本社ショールームの壁には「WRX S4」のロゴのみが掲示されていたのが印象的な発表会だった。