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JVCケンウッド、ハイレゾ再生と同時にナビの使い勝手も向上させた「“彩速ナビ”2015年モデル」発表会
「K2テクノロジー」や192kHZ/32bitアップコンバートで「マスター音源再生」を追究
(2015/2/5 17:07)
- 2015年2月4日開催
ケンウッド(JVCケンウッド)は2月4日、AVナビゲーション“彩速ナビ”の新製品などの2015年モデルを発表した。ハイグレードモデルとなる「タイプZシリーズ」(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150204_686790.html)、フルHDドライブレコーダーの「KNA-DR500」(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150204_686900.html)の詳細については関連記事を参照されたい。
同日開催された発表会では、まずJVCケンウッド 執行役員 常務 カーエレクトロニクスセグメント長の宮本昌俊氏が登壇。2013年からの国内市場におけるカーナビの出荷台数は、昨年は4月からの消費税増税による反動減を受けて通年で10%以上減少。2015年も同程度の販売台数を予想し、引き続きかなり厳しい状況になるとの見方を示した。また、構成比でも新車装着されるメーカーオプション/ディーラーオプションに比率が高まり、市販製品は厳しくなるとした。
しかし、AVナビの価格帯で見ると、全体が厳しいなかで15万円オーバーの製品は堅調さを見せており、この傾向は2015年も続くと予想。この高価格帯に位置するハイグレードモデルのタイプZ、ステップアップグレードのタイプXに、新製品として「非常に強力な商品」を投入した。
宮本氏は「全体の数量はそれほど多くはないが堅調なあたりの商品。ここを求めるお客様は商品をよく勉強し、理解して買われる人が多いので、そんなお客様に応えられる製品をぜひ作ろうと考えた」と語り、新製品のポイントとして“業界初となるハイレゾ対応”のAVナビとしてタイプZをラインアップしている。また、宮本氏は2014年5月に現職に就く以前はオーディオ事業部長という肩書きで仕事をしており、同社ではホームオーディオやヘッドホンなどでハイレゾ対応の製品をすでに発売していることを紹介。「これまで、家のなかでも屋外でもハイレゾが楽しめるという売り文句を使ってきましたが、これでやっとクルマのなかでも、お客様のライフスタイルに合わせていつでもハイレゾの音を聞いてもらえる商品群ができたかなと考えている」と語った。また、宮本氏のプレゼンテーションに続き、新製品の紹介ムービーが流された。
“彩速ナビ”の新製品であるタイプZとタイプXのコンセプトや新機能については、JVCケンウッド カーエレクトロニクスセグメント カーインフォビジネスユニット 第一商品企画部の渋谷英治氏が解説。
2015年モデルでは、美しい画面とハイレスポンスの両立という彩速ナビの基本コンセプトを継承しつつ、数多くの“トレンド機能”を採用。彩速ナビの特徴ともなっているスマートフォンライクな操作性とホーム画面を使うGUIをさらに進化させ、ホーム画面は右側に縦長の地図表示、左側上のAV領域、左側下のウィジェット画面の3分割に変更した。また、新しいホーム画面の中央には2014年モデルから採用した「VOIPUT」のアイコンを設定。VOIPUTでは新たに音声による楽曲検索も可能になった。
ナビ機能の面では、右左折などの残り距離をカウントダウン表示で分かりやすく演出する「ここです案内」、音声案内のポイントをスクロール選択で事前にチェックできる「案内先読みガイド」を新採用し、見知らぬ土地などを走るときにとくに頼りにされるナビの安心感と使い勝手を向上させている。また、操作性では指1本で画面の拡大と縮小を変更できる「拡大・縮小スライダーバー」を追加設定した。
また、タイプZの目玉機能であるハイレゾ対応では、原音再生による最高の音質を追求。単純にFLACやWAVといったファイルの音楽を再生できるというだけでなく、アーティストたちが生み出したマスター音源が持つ本来の魅力を車内で再現することを重要視している。渋谷氏は「音楽制作から音の出口までを一貫して手がける事業体としての強みをこのモデルで発揮させ、彩速ナビで過去最高の音になっています」とアピールしている。
このほか、タイプZで新採用した高音質化技術の「K2テクノロジー」は、圧縮によって失われた周波数帯域の情報を追加するのではなく、マスター音源にクオリティを近づける課程で時間軸での波形補正を行い、これによって周波数帯が伸びていく逆転の発想で開発。「マスター音源の持つ余韻や響き、空気感や音の粒立ちといったものを復元できる素晴らしい技術です」と渋谷氏は語っている。