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世界最速のモータースポーツ「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」予選開催

予選トップはニコラス・イワノフ選手、室屋義秀選手は9位

2015年5月16日開催

世界最速のモータースポーツ「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」が日本初開催

 日本で初開催となった、世界最速のモータースポーツといわれる「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」。このレースは、FAI(国際航空連盟)公認のもと開催されているもので、2015年は世界各地を転戦し全8戦が開催される。

 日本は第2戦目として開催され、会場は千葉県千葉市美浜区の幕張海浜公園。世界トップクラスのレースパイロット14名が参加し、日本からは室屋義秀選手が参戦している。

 5月16日は予選を開催。基本的なレースフォーマットはタイムレースとなっており、決められたパイロンゲートを通過していく。パイロンゲートの高さは25mで、これによりコースを規定。1周約6kmのコースが設定されている。予選は2本のタイムを計測、ベストタイム順に2名でベストタイムを競う決勝の組み合わせが決められる。

予選ではパイロンに接触してペナルティを受けるパイロットもいた

 決勝は2名ずつ7戦で競うラウンド・オブ・14、それらの勝者と敗者の中でベストタイムを出した1名が加わって2名ずつ戦うラウンド・オブ・8、それらの勝者が戦うファイナル4がわれ、そこを勝ち残った2名で決勝戦が争われる。

 曇り空の中実施された予選では、27号機 ニコラス・イワノフ(フランス)が51秒102の最速タイムを記録。以下、21号機 マティアス・ドルダラー(ドイツ)51秒530、55号機 ポール・ボノム(イギリス)51秒653となり、日本の室屋義秀は52秒429で9位となった。

予選トップとなった27号機 ニコラス・イワノフ選手
31号機 室屋義秀選手。決勝はセッティングをさらに煮詰め、上位を目指す

 これにより明日の決勝第1ラウンド(ラウンド・オブ・14)において室屋選手は、6の8号機 マルティン・ソンカ選手とマッチレースを行う。

順位パイロットタイム
127号機 ニコラス・イワノフ(フランス)51秒102
221号機 マティアス・ドルダラー(ドイツ)51秒530
355号機 ポール・ボノム(イギリス)51秒653
495号機 マット・ホール(オーストラリア)51秒951
599号機 マイケル・グーリアン(アメリカ)52秒014
68号機 マルティン・ソンカ(チェコ)52秒024
710号機 カービー・チャンブリス(アメリカ)52秒086
826号機 ファン・ベラルデ(スペイン)52秒106
931号機 室屋義秀(日本)52秒429
1084号機 ピート・マクロード(カナダ)52秒614
119号機 ナイジェル・ラム(イギリス)53秒375
1222号機 ハンネス・アルヒ(オーストラリア51秒416+2秒ペナルティ
1391号機 ピーター・ベネゼイ(ハンガリー)55秒183
1412号機 フランソワ・ルボット(フランス)DNS

 予選後、レースディレクターのスティーブ・ジョーンズ氏、昨年のチャンピオンであるナイジェル・ラム選手、予選1位のニコラス・イワノフ選手、地元日本の室屋義秀選手が出席した記者会見を開催。レースディレクターのスティーブ・ジョーンズ氏は、初めての日本開催について「日本で初めて開催できてうれしいです。数年前から日本で開催したいと思っていました。日本は航空において長い歴史を持っています。実際に来てみてよかった思います」とコメント。来年以降の開催についても、「来年も日本で開催したいと思っていますし、何年にもわたって開催したいとおもっています。非常によい会場だと思っています」と述べた。

 予選1位となったニコラス・イワノフ選手は、「決勝も1位になりたいです。エンジンや期待の調子もよいし、1位になりたいと思います」と、明日の決勝にも自信があるように見えた。

 9位となった室屋選手は、この千葉戦から新型機を導入。「2009年に初めて参加して、やっと日本で開催することができました。この幕張で開催されたことはとてもうれしいです。そのうれしい気持ちにひたっている暇もなくレースが始まりました」「これだけ多くの人に見ていただいているので、レーストラックに集中してフライトに専念したい思います」と会見で話し、新型機については「日本開催が決まって新型機をなんとか間に合わせました。福島で調整して、とてもよい機体になっています。この機体は、日本の皆さんの力があって、初めて導入できました。ブライトリングジャパンの支援と、ファルケンの支援などを得て、とてもよい機体を導入できました」「新しい機体で2回しか飛んでいないので、まだセッティングができていません。今晩(飛行データを)解析して、明日はベストセッティングで飛べると思います」と、決勝ではさらによい状態になるという。地元開催については、「小学生のときに千葉の習志野市に住んでいて、見慣れた景色で飛べるのは違和感があるのですが、知っている場所で飛べるのは自分のポジションが分かりやすかったです」と語り、最後に「スカイツリーも見えました」と結んだ。

予選終了後行われた記者会見
レースディレクター スティーブ・ジョーンズ氏
2014年のチャンピオン ナイジェル・ラム選手
予選1位となったニコラス・イワノフ選手
室屋義秀選手は予選9位

 会見で多くの来場者という言葉が聞かれるとおり、ときおり雨もぱらついた予選日の来場者数は6万人。決勝は晴天が予想されており、快晴の中、世界で14人選ばれたパイロットにより、世界最速のモータースポーツが行われる予定だ。

約6万人の来場者となった「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」

(編集部:谷川 潔/Photo:Burner Images)