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ビーウィズ、7月1日より仏フォーカルのカーオーディオ製品を本格的取り扱い

セナのF1デビュー時のマシンが登場する「SUZUKA Sound of ENGINE 2015」で発表

2015年5月22日開催

アイルトン・セナが1984年のデビューシーズンに操ったトールマンTG184・ハート。SUZUKA Sound of ENGINE 2015で見ることができる

 日本のカーオーディオメーカーとして知られるビーウィズは、5月23日~24日に鈴鹿サーキットで行われるイベント「SUZUKA Sound of ENGINE 2015」の併催イベントとして、同社製品を利用したユーザー車のコンテストとなる「第9回 BEWITH SOUND CUP」を開催する。それに先だって、同社の販売代理店や報道関係者などを集めた説明会を鈴鹿サーキット内で開催し、同社が今年の1月に日本における輸入代理店契約を結んだFocal-JMlabのカーオーディオ製品ブランド「FOCAL(フォーカル)」の本格的な取り扱いに関して説明を行った。

 ビーウィズ 代表取締役 中島敏晴氏によれば、7月1日に新しいフォーカルのWebサイトを立ち上げ、国内で本格的に製品の取り扱いを始めていくことになるという。それに併せて、同社が扱うフォーカル製品のリスト、価格などが明らかにされ、国内向けとしてはトヨタ車向けに新たに開発されたトレードインスピーカー(純正のスピーカーと交換して取り付けることのできるスピーカー)をラインアップに加え、規模が拡大し続けているトレードインスピーカー市場にフォーカル製品を投入することで、同社の新しいビジネス拡大につなげていきたい意向だ。

7月1日よりビーウィズ扱いのフォーカル製品を本格的に販売開始

 Focal-JMlabは、1980年にジャック・マユールが創業したフランスのオーディオ機器メーカーで、高品質なスピーカーメーカーとしてオーディオマニアの間ではよく知られた存在だ。フォーカルはそのコンシューマ向け製品のブランドで、家庭用、カーオーディオ用などの製品をリリースしている。

 一方ビーウィズも、日本のカーオーディオ業界ではよく知られている存在で、ハイエンド向けのスピーカーやアンプ、サウンドプロセッサなどの製品をラインアップしており、大手のオーディオメーカーではカバーすることが難しいような高付加価値な製品を自社ブランドで製造、販売を行っている。

 自社ブランドを持つビーウィズが、フォーカルの国内代理店となるのは奇妙な感じもするが、ビーウィズの中島氏によれば相互に補完関係にあるので、競合はしないと判断して代理店契約を結んだと説明する。「製品としては同じハイエンドだが、ビーウィズにはないラインナップを持っており、特にスピーカーは非常に強いブランド力と技術をもっており、その点で住み分けられると判断した。Focal-JMlabとは数年前からやりとりをしており、以前の代理店で業績が思わしくないのでビーウィズでやってくれないかというオファーをもらい、前の代理店ときちんとできるならという話をして、それが昨年の末に実現したので今年の頭に契約を結んだ」(中島氏)と、経緯を説明した。

 このイベントに合わせて来日したFocal-JMlab 販売・製品部長 ピエール・ペラルド氏は「フォーカルの哲学は常に“サウンドクオリティファースト(音質第一主義)”だ。同じオーディオ機器メーカーのビーウィズも同じ考え方を共有してくれていると考えて代理店契約を結んだ。日本は我々にとって非常に重要な市場の1つ。ほかの市場ではブランドだったり、化粧箱だったりそういうことが重要視されるが、日本のユーザーはシンプルに音質にこだわってくれる。そうした市場で受け入れられることが大事なことだと判断している」と述べ、今後も日本市場を重視していきたいため、同じオーディオ機器メーカーであるビーウィズと代理店契約を結んだと説明した。

ビーウィズ 代表取締役 中島敏晴氏
Focal-JMlab 販売・製品部長 ピエール・ペラルド氏

 ペラルド氏は「カーオーディオの世界は徐々に変わりつつある。かつてはインストーラーによりインストールするというのが普通だったが、現在は自動車のクオリティも上がり、特に若い人ではクルマを必要以上にいじることに抵抗感を感じる人が増えている。そこで新しいビジネスとしてトレードインのラインアップも増やしている」と述べ、これまで高付加価値なウーハーなどを中心にラインアップしてきた同社も、トレードインスピーカーを重視していく。

 ビーウィズの中島氏によれば「フォーカルがトレードインスピーカーをやると言っても、国内のメーカーさんと同じような価格帯で戦うつもりはない。トレードインスピーカーであってもフォーカルのクオリティの製品として投入することになるので、それよりはやや高い価格帯で出していく予定。まずはラインアップとしてBMW用、そしてトヨタ用を投入し、今後ほかの国内メーカー向けのラインアップを増やしていきたい」と述べ、トレードインスピーカーでも高付加価値の価格帯に位置づけられる製品となる。

 中島氏によれば、それらの製品は7月1日から本格的に同社の販売チャネルを通じて販売開始する予定(すでに一部製品はテスト的に販売されているとのこと)で、それにあわせてフォーカルの日本のWebサイトを公開し、車種ごとのフィッティング情報なども提供する予定であるとした。

トヨタ車向けのトレードインスピーカー

 ビーウィズの販売代理店向けの説明会では、同社が扱うフォーカル製品のリストなどが公開された。

 ビーウィズが取り扱う製品で新たに日本市場に投入されるのが、6.5インチの2ウェイセパレート型と2つの8インチサブウーハーがセットになっている「Ultima」、FLAXというフォーカル独自の麻をベースにしたユニークなコーン紙を使った「Expert」シリーズの製品(P20F/P25F/P30F)、さらにはトヨタ向けのトレードインスピーカー(IS165TOY/IS690TOY/IC690TOY)の3ラインとなる。

 IS165TOYはカローラ、ヴィッツ、オーリス向けの6.5インチの2ウェイスピーカーで、ツィーターとのセット商品。IS690TOYはプリウス、カムリ、旧アルファードなど向けの6.9インチの楕円形2ウェイスピーカーで、こちらもツィーターとのセットになる。IC690TOYもプリウス、カムリなど向けの楕円形2ウェイスピーカーだが、ツィーターなし版となる。価格はそれぞれIS165TOYとIS690TOYが3万8880円、IC690TOYが3万4560円。

 なお、ビーウィズによれば、今回のリストにない製品であっても注文は可能とのことで、その場合は個別に商談という形になるとのことだった。

FLAXシリーズにはフォーカル独自の麻の素材を利用したコーン紙が利用されている
ハイエンドスピーカーとなるUltima。スピーカーには、数千万円するフォーカルのプロ用機材向けスピーカーの技術が応用されているという。価格はオープンプライスだが、普通乗用車が買えるぐらいとのこと……
FLAXスピーカーの新シリーズとなるP20F/P25F/P30F。P20Fが8インチサブウーハー、P25Fが10インチサブウーハー、P30Fが12インチサブウーハー
IS165TOYは6.5インチの2ウェイセパレート型スピーカー。カローラ、ヴィッツ、オーリスなどにトレードインできる。3万8800円
IS690TOYは6.9インチの2ウェイセパレート型スピーカー。プリウス、カムリ、旧アルファードなど向けのトレードインスピーカー。3万8800円
IC690TOYは6.9インチの2ウェイスピーカー。プリウス、カムリ、旧アルファードなど向けのトレードインスピーカー。3万4560円

伝説になった雨のモナコGPで2位表彰台を獲得したセナのトールマンTG184

5月23日に開催された「第9回 BEWITH SOUND CUP」

 ビーウィズが説明会を行った鈴鹿サーキットでは、5月23日~24日の2日間にわたり「SUZUKA Sound of ENGINE 2015」が開催される。これは、かつてモータースポーツシーンを賑わせた名レーシングカーを実際にサーキットで走らせて楽しんでもらおうというイベントで、ビーウィズも“サウンド”つながりということで、同社のユーザーが同社製品をインストールしたクルマの音質を競うイベント「第9回 BEWITH SOUND CUP」を鈴鹿サーキットで開催する。

 そのSound of ENGINE 2015では、往年のレーシングカーが多数登場するが、開催前日となる5月22日には、すでにサーキットに多数の車両が到着しており、実際に練習走行を行うなど本番に備えていた。Sound of ENGINE 2015に登場する車両はいずれも歴史的に見て貴重なレーシングカーが多く、アイルトン・セナが1984年にF1世界選手権にデビューしたときの車両であるトールマンTG184・ハートが整備されていた。この車両は、1984年のモナコGPでセナが操ったもの。レースは、セナが雨中でトップを走るアラン・プロストを追い抜いたところで赤旗終了。このため、その1周前の結果でプロストが優勝することになった。初めての表彰台獲得だったにもかかわらず、セナは憮然としており、レース終了という判断に納得がいっていなかったことでよく知られている。

 また、鈴鹿のF1としては最初のレースになった1987年のF1日本GPで優勝したフェラーリF187(ドライバーはゲルハルト・ベルガー)、鈴木亜久里が日本人初表彰台を獲得したレースとして記憶されている1990年の日本GPでネルソン・ピケが優勝した時のベネトンB190・フォードなどのF1カーが実際に走る。

 さらにグループCカーでは、1991年のル・マン24時間を優勝したマツダ787Bの同型車、1992年のデイトナ24時間を優勝したニッサン R91CP(長谷見昌弘/星野一義/鈴木利男組)などが走る予定となっている。このほかにもWGPなどを走った2輪車や、ケビン・シュワンツ、エディー・ローソン、ケニー・ロバーツという2輪のレジェンドライダーや、元F1ドライバーの中野信治氏、ミスタールマンこと寺田陽次郎氏などがゲストとして登場する予定で、トークショーなども計画されている。

ミハエル・シューマッハが3年目のシーズンを戦ったベネトンB193・フォード
1990年の日本GP優勝車となるベネトンB190・フォード
1991年ルマンで優勝した車両と同型のマツダ787B
1992年のデイトナ24時間を優勝したニッサン R91CP
カルソニック(現在インパルのSUPER GTでのメインスポンサー)の前身となる「日本ラヂエーター」のロゴがついたグループCカー。1984年型のマーチ84Cか、1985年型のマーチ85Cだと思われる…

 チケットは当日券も用意されている。詳しくは鈴鹿サーキットのWebサイト(http://www.suzukacircuit.jp/soundofengine/ticket/)などで確認していただきたい。

(笠原一輝)