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SUPER GT第5戦鈴鹿、GT300は千代・クート・富田組の10号車 GAINER TANAX GT-Rが優勝

シーズンランキングのポイントリードを拡大

2015年8月30日 決勝開催

優勝した10号車 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正/富田竜一郎組)

 SUPER GT第5戦「インターナショナルSUZUKA 1000kmレース」は、8月29日~8月30日の2日間に渡り三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで開催された。30日に行われた決勝レースでは、スタート時から雨が降り、雨量も刻々と変わっていく難しいコンディションになり、各車ともにタイヤ選択に悩まされることになった。

 GT300クラスは、予選2位の10号車 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正/富田竜一郎組)が優勝。一時は下位に大きく沈んだが、その後地道に追い上げて最終的に追い上げてきた7号車 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒聖治組)を振り切って優勝した。10号車はポイントリーダーでもあり、さらにポイントリードを拡大した。

GT300は、ポールポジションからスタートした2号車 シンティアム・アップル・ロータスがセーフティカーに泣く

 GT300のスタートではポールポジションからスタートした2号車 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規/濱口弘組)がスタートで順当に飛び出し、2位以下を引き離して独走を始めた。順調にレースを始めた2号車に対して、予選2番手の10号車 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正/富田竜一郎組)には厳しいレースになった。スタート時に選んだタイヤが路面にあっていないのか、ずるずる後退を始め、最終的位は28位とかなり順位を下げたので、いち早くピットストップしてタイヤ交換、ドライバー後退を果たした。そうした中で順位を上げてきたのは、31号車 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一/佐々木孝太組)、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)の2台。徐々に順位を上げ、気がつくとトップ独走の2号車に次いで、2位、3位になっていた。

レース序盤を引っ張った2号車 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規/濱口弘組)

 レースが動いたのは、いつものように、ファーストドライバーの加藤寛規のロングスティントが終了し、ピットインした2号車がピットアウトした後だ。なかなかタイヤが暖まらない2号車は、あっという間に31号車、61号車に抜かれて3位に後退することになった。

 ところが、その後セーフティカーが出動すると、順位はさらに大きく動くことになった。その直前にピットストップを終えていた55号車 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志/福住仁嶺組)が順位を大きく上げたほか、セーフティーカーが出動した直後にピットインした2号車 シンティアム・アップル・ロータスが再びトップに立つことになった。それに対して、31号車、61号車はピットクローズになったためピットインできず、ピットオープン後に入ったときには順位を下げる結果になった。ところが、絶妙なタイミングでピットインしたと見れていた2号車は、実はピットクローズされてからピットインしたことが判明し、90秒のペナルティピットストップを課せられることになり、10位と大きく後退した。

2号車はピットインやセーフティーカーのタイミングで大きく順位を下げてしまった

一度は大きく順位を下げた10号車 GAINER TANAX GT-Rが、7号車を振り切って優勝

 2度目のセーフティカー出動が終わると、トップは55号 ARTA CR-Z GT、2位 31号車 TOYOTA PRIUS apr GT、3位 61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTとなったが、再開直後に、31号車と61号車が55号車を抜き、再びトップ争いは、31号車と61号車、そこに88号車 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/平峰一貴/佐藤公哉)がからみ、その3台でレースを争われることになった。ところが、83周目に、31号車はセーフティカー中にスピンしたことにより、ドライブスルーペナルティが科せられ、大きく順位を下げることになった。これでトップに浮上したのは、61号車もオーバーテイクした88号車 マネパ ランボルギーニ GT3、レースは88号車と61号車の2台で争われることになった。94周目には、3位に浮上していた11号車に対して、セーフティーカー中の追い越し違反でピットスルーペナルティを課せられ順位を下げ、勝負権を失うことになった。

トップ争いを演じた31号車 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一/佐々木孝太組)

 最後のピットストップが終わってみると、トップ3にいたのは、10号車 GAINER TANAX GT-R、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT、7号車 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒聖治組)。最後はこの3台によるマッチレースとなった。10号車は一度は順位を大きく下げたものの、ピットタイミングを他車とずらす作戦が上手くいき、結果最後のピットストップが終わった段階でトップにたっていたのだ。この3台の争いで最初に脱落したのは61号車で、終盤はポイントリーダーでウェイトハンデが最も厳しいはずの10号車と、7号車の間で、1秒前後の差で激しく争われた。

最後までトップ争いを演じた7号車 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒聖治組)と、10号車

 10号車と7号車のトップ争いは、一時は数秒まで開いたが、最後の10分を切った段階で1秒以下につまり、サーキットの全域でテールツーノーズのレースが繰り広げられた。コーナーでは、7号車 Studie BMW Z4が詰めるのだが、ストレートでは10号車 GAINER TANAX GT-Rが速く、オーバテイクには至らないという展開が続く、非常にテンションの高いレースがゴールまで展開されることになったが、結局千代がドライブする10号車 GAINER TANAX GT-Rが逃げ切り、そのまま優勝した。

優勝した10号車 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正/富田竜一郎組)
2位は、7号車 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒聖治組)
3位は、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)。徐々に順位を上げ、一時はトップを走行した
GT300結果(暫定)
順位カーナンバー車両名ドライバータイヤ
1位10GAINER TANAX GT-Rアンドレ・クート/千代勝正/富田竜一郎DL
2位7Studie BMW Z4ヨルグ・ミューラー/荒聖治YH
3位61SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL
4位88マネパ ランボルギーニ GT3織戸学/平峰一貴/佐藤公哉YH
5位21Audi R8 LMS ultraリチャード・ライアン/藤井誠暢YH
6位65LEON SLS黒澤治樹/蒲生尚弥YH
7位2シンティアム・アップル・ロータス高橋一穂/加藤寛規/濱口弘YH
8位0グッドスマイル 初音ミク SLS谷口信輝/片岡龍也YH
9位77ケーズフロンティア Direction 458横溝直輝/峰尾恭輔/飯田太陽YH
10位31TOYOTA PRIUS apr GT嵯峨宏紀/中山雄一/佐々木孝太BS
11位11GAINER TANAX SLS平中克幸/ビヨン・ビルドハイムDL
12位55ARTA CR-Z GT高木真一/小林崇志/福住仁嶺BS
13位30NetMove GT-R小泉洋史/岩崎祐貴YH
14位3B-MAX NDDP GT-R星野一樹/高星明誠/ウォルフガング・ライプYH
15位48DIJON Racing GT-R高森博士/田中勝輝/柴田優作YH
16位22グリーンテック SLS AMG GT3和田久/城内政樹YH
17位86Racing Tech Audi R8クリスチャン・マメロウ/細川慎弥/加藤正将YH
18位33Excellence Porsche坂本祐也/山下健太YH
19位60SYNTIUM LMcorsa RC F GT3飯田章/吉本大樹/ドミニク・ファーンバッハーYH
20位111Rn-SPORTS GAINER SLS植田正幸/鶴田和弥/池上真YH
21位18UPGARAGE BANDOH 86中山友貴/マルコ・アスマー/ニック・キャシディYH
22位9PACIFIC マクラーレン with μ's白坂卓也/阪口良平/山脇大輔YH
23位25VivaC 86 MC土屋武士/松井孝允/谷川達也YH
24位87クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3青木孝行/山西康司/黒田吉隆YH
リタイア51JMS LMcorsa Z4新田守男/脇阪薫一YH
リタイア50SKT EXE SLS加納政樹/ナニン・インドラ・パユーング/安岡秀徒YH
リタイア5マッハ車検 with いらこん 86c-west玉中哲二/密山祥吾YH
リタイア360RUNUP Group&DOES GT-R吉田広樹/田中篤/成澤正人YH

※BS=ブリヂストン、DL=ダンロップ、YH=横浜ゴム

(笠原一輝/Photo:奥川浩彦)