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BMW、タフで力強く、ラグジュアリーさも兼ね備えた新型「X1」発表会

「新型X1はコンパクトSAVとして非の打ちどころのないモデル」とアピール

2015年10月16日開催

ビー・エム・ダブリュー 代表取締役社長 ペーター・クロンシュナーブル氏と新型X1

 ビー・エム・ダブリューは10月16日、フルモデルチェンジしたSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)「X1」の発表会を都内で開催した。同モデルの詳細は関連記事を参照いただきたい。

BMW、1.5リッターの直列3気筒ダウンサイジングターボを新採用した新型「X1」
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20151016_726010.html

会場では新型X1の登場後、パフォーマーが新型X1のデビューに華を添えた

 新型X1は、2010年にプレミアム・コンパクト・セグメントにおける初のSAVとして発売され、これまでに全世界で73万台以上を販売。今回のフルモデルチェンジで第2世代となる新型X1は、取り回しのよいコンパクトなボディーサイズとしながら、逞しく力強いスタイリングを実現。また、後席スペースは拡大され、ひとクラス上のモデルに匹敵する室内空間を実現するとともに、多彩なシートアレンジが可能で、高い実用性と多様性を両立することが特長になっている。

 新型X1では、いずれもターボエンジンとなる直列3気筒1.5リッターの「X1 sDrive18i」と、直列4気筒2.0リッターの「X1 xDrive20i」「X1 xDrive25i」を展開。X1 sDrive18iに搭載する3気筒エンジンのスペックは欧州仕様値となっているが、2シリーズ アクティブツアラーに搭載されるエンジンと排気量、圧縮比、出力値は同様のもの。また、ドイツ本国では直列4気筒2.0リッターディーゼルターボを搭載する「X1 xDrive18d」「X1 xDrive20d」などがラインアップされるが、現時点でのディーゼルモデルの日本導入は見送られている。

オプション設定のYスポーク19インチアロイホイール(タイヤサイズ:225/45 R19)を装着する「X1 xDrive25i xLine」。ボディーサイズは4455×1820×1610mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2670mmと、先代から30mm短くなった一方で、35mm高いサイズへと変更。「X3 xDrive20i」と比べて210mm短く、60mm狭く、65mm低いサイズになっている。搭載する直列4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジンは最高出力170kW(231PS)/5000rpm、最大トルク350Nm(35.6kgm)/1250-4500rpmを発生
こちらはX1 xDrive20i xLine。こちらも直列4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジンだが、こちらは最高出力141kW(192PS)/5000rpm、最大トルク280Nm(28.6kgm)/1250-4600rpmとなる。Yスポークの18インチアロイホイールを装着(タイヤサイズ:225/50 R18)
X1 xDrive20i xLineのインテリア。大きなインテリアトリムパネル、アンビエントライトなどを採用し、ラクジュアリーな室内空間を作り出している
後席では60:40で前後130mmの調整が可能なスライディング機能をオプション設定(X1 xDrive25iは標準装備)したほか、ニールームは先代から最大66mm拡大して居住性が高められている
ラゲッジルーム容量は505Lとし、先代から85L拡大。最大1550Lまで拡大することができる
ラゲッジフロア下に100Lのスペースも用意される
ラゲッジルームに設置されたリリースボタンで後席を倒すことができる
電動テールゲートを装備
X1 xDrive20i xLineの直列4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジン

 なお、新型X1の日本発売に伴い、タフで力強いという共通性があることからカシオ計算機のG-SHOCKとコラボレーションしたキャンペーンを展開する。このキャンペーンは特設サイト(http://www.bmw.co.jp/jp/ja/general/news_events/campaign/201510_x1/index.html)から申し込みを行うことで、111個だけのG-SHOCK限定モデル「G-SHOCK BMW NEW X1 LIMITED EDITION」(非売品)が抽選で当たるというもの。応募期間は11月30日までとなっている。

 また、10月17日に東京 六本木の六本木ヒルズアリーナで開催される「G-SHOCK」のエクストリーム・スポーツ・イベント「REAL TOUGHNESS」に協賛し、新型X1の特別車両展示も行われる。

新型X1主要諸元(抜粋)

X1 sDrive18iX1 xDrive20iX1 xDrive25i xLine
定員[名]5
駆動方式2WD(FF)4WD
全長×全幅×全高[mm]4455×1820×1610
ホイールベース[mm]2670
エンジン直列3気筒DOHC 1.5リッターターボ直列4気筒DOHC 2.0リッターターボ
エンジン型式-B48A20AB48A20B
最高出力[kW(PS)/rpm]100(136)141(192)/5000170(231)/5000
最大トルク[Nm/rpm]220(22.4)280(28.6)/1250-4600350(35.7)/1250-4500
トランスミッション6速AT8速AT
JC08モード燃費[km/L]-14.614.3
前/後タイヤ225/55 R17225/50 R18
前/後ホイール7.5J×177.5J×18

Xモデルは輸入車のSUV市場で最大のシェアを獲得

ビー・エム・ダブリュー 代表取締役社長 ペーター・クロンシュナーブル氏

 発表会では、ビー・エム・ダブリュー 代表取締役社長 ペーター・クロンシュナーブル氏が登壇するとともに、BMWブランド・マネジメント プロダクト・マーケティングの生野逸臣氏が製品概要の紹介を行った。

 冒頭に登壇したペーター・クロンシュナーブル社長は、「X1はG-SHOCK同様に“リアルタフネス”を誇り、特に若い世代のお客様にその魅力を感じていただいている。お客様は若いアスリートや冒険家、アウトドア好きで、そのアクティブでエキサイティングなライフスタイルを最大限に楽しむためにX1もひと役買っている」と述べるとともに、「車名に初めてXの文字が与えられたのはX5。オフロードのみならず、日常使いのクルマとして顧客を獲得するのに時間はかからなかった。この先駆的なモデルはBMWに今まで以上にお客様を呼び入れ、のちに世界で類を見ない成功を収めている。今日では5つのXモデルを異なるセグメントから出しており、世界中で何百万台ものXモデルが販売され、その人気はさらに増している。ここ日本でもXモデルは同様の成功を収め、輸入車のSUV市場で最大のシェアを獲得している。第2位の競合他社の2倍の台数を誇っている」とコメント。

 そしてXモデルの最小サイズとなるX1については、「2010年に登場したX1は多様性、スポーティさ、俊敏性と多様性を併せ持つモデル。X1の購入者層はBMWブランドのなかでももっとも若く、日本でも購入者の4分の1が20代~30代のお客様。ときどき若者のクルマ離れの話を聞くが、BMWについては当てはまらない。X1のお客様が求めているのは若さと外交的な性質に合ったクルマで、逞しいエクステリアのスタイリングとラグジュアリーで広々としたインテリアは活動的なライフスタイルに合致している。さらに多様な使い勝手のよさで街乗りにも適している」と、その特長について説明。

 また、同社は2014年から2シリーズ クーペ、i3、2シリーズ アクティブ ツアラー、2シリーズ カブリオレ、1シリーズ、2シリーズ グラン ツアラーと、コンパクトモデルを積極的に市場投入しており、「コンパクトモデルは新しいお客様を取り込むうえで重要な役割を担い、とくに国産車からの乗り換えを促す際に重要性が増す。輸入車のシェアは日本で10%に満たないなか、国産車ブランドから新しいファンを獲得することが鍵になる」とし、新型X1を筆頭に同社のコンパクトモデルを日本で積極的にアピールしていくとした。

新型X1はコンパクトSAVとして非の打ちどころのないモデル

BMWブランド・マネジメント プロダクト・マーケティングの生野逸臣氏

 新型X1の製品概要については、実車を交えながら生野氏が行った。

 エクステリアでは、全高を35mm高めるとともにボンネットに厚みを持たせ、さらにBMW伝統の4灯式ヘッドライトとフォグライトで形成する6眼フェイス、精悍な顔立ちを強調するLEDヘッドライト(全車標準装備)、直立した大きなキドニー・グリルの採用などで迫力あるフロントデザインを構築。

 サイドビューでは30mm短くなった全長、35mm高くなった全高により、取り回しのよいコンパクトなボディーサイズを維持しながら、後方に向かって切れ上がっていくドアに走るキャラクターラインによってXモデルらしい逞しく力強いプロポーションを実現した。また、リアビューでは陰影のはっきりしたプレスライン、ブラックとシルバーを組み合わせたアンダーガードなどで筋肉質なデザインを表現。また、LEDライトバーを配置した幅広のL字型のリアコンビネーションライトにより、都会に映える新鮮なイメージとともにワイドなスタンスを強調させている。

新型X1のディメンション

 一方、インテリアでは優れた視認性が特長とし、先代から前席のシート高を36mm、後席で64mm高くしたことで乗降性が向上するとともに、周囲の状況把握が容易になったという。また、8.8インチの高解像度ワイド・コントロール・ディスプレイ、指による文字入力や地図の拡大/縮小が可能なタッチ・パッド付きiDriveコントローラーを組み合わせるiDriveナビゲーション・システムを全車標準装備していることなどが語られている。

 後席も進化ポイントとして挙げられ、オプション設定になるものの新型X1では前後130mmの調整が可能なスライディング機能を搭載するとともに、ニー・ルームも先代モデルから最大66mm拡大され、ひとクラス上のモデルに匹敵する後席空間を実現したという。さらにラゲッジルーム容量は先代から85L拡大の505Lとし、2列目シートのバックレストを倒すことで1550Lまで拡大することができ、ラゲッジフロア下に100Lのスペースを用意していることも特長とした。

 このほか新型X1の魅力について、「ステアリングを切れば思った通りに曲がっていく、アクセルを踏めば気持ちよく加速する、ハードな走りをしてもしっかりクルマがついてきてくれる。そういうドライバーが運転して楽しいと感じる“駆けぬける歓び”を新型X1でも実現している」と述べ、そのなかでも新開発のオンデマンド式インテリジェント4輪駆動システム「xDrive」については、ステアリングの切れ角やホイールの回転速度といった車両データからオーバーステアやアンダーステアなどの兆候を察知すると、ファイナルドライブに一体化された電子制御式多板クラッチシステムが前後アクスルへの駆動トルクを可変配分し、優れたロードホールディングを実現することが紹介されている。

 生野氏はプレゼンテーションの最後に、「ただデザインがかっこよいだけでなく、取り回しのよいサイズ、最大化された室内と荷室、多くの標準装備、何よりBMWが生み出すドライビングダイナミクス。この新型X1はコンパクトSAVとして非の打ちどころのないモデルになっている」と自信を示した。

インテリアについて
後席は前後130mmの調整が可能なスライディング機能(オプション。X1 xDrive25iは標準装備)を搭載
ニー・ルームは先代モデルから最大66mm拡大
足をかざすことででロック・アンロック操作ができるコンフォート・アクセス
ラゲッジルーム容量は先代から85L拡大の505L
ラゲッジスペースのスイッチで後席を倒すことができる
後席を倒すことでラゲッジスペースは最大1550Lまで拡大可能
新型X1のパワートレーンなどについて
新開発のオンデマンド式インテリジェント4輪駆動システム「xDrive」について
直列4気筒2.0リッターエンジンの出力は20iと25iで異なる
各グレードでスタンダードモデル、xLine、M Sportを展開する(25iはxLineまたはM Sportの設定)
カメラを使った前方監視で車線からの逸脱をドライバーに警告する「レーンディパーチャーウォーニング」、衝突の危険性が高まったときにドライバーに警告する「前車接近警告機能」、衝突の危険に対してドライバーによる回避操作が行われない場合、自動的にブレーキが作動させて衝突の回避は被害軽減を図る「衝突回避・被害軽減ブレーキ」で構成される「ドライビング・アシスト」などを全車に標準装備

(編集部:小林 隆)