ニュース

三菱自動車、「マイルドハイブリッド」「e-Assist」全車標準装備の新型「デリカD:2」

燃費は2WD車が27.8km/L、4WD車が23.8km/L。ホイールベース拡大で車内スペースアップ

2015年12月17日発売

178万7400円~218万7000円

 三菱自動車工業は12月17日、コンパクトミニバンの新型「デリカD:2」を発売した。価格は178万7400円~218万7000円。新たにモーターの力で発進と中間加速をアシストする「マイルドハイブリッド」を全車で採用している。

モデルエンジン変速機駆動方式価格エコカー減税(取得税/重量税)
ハイブリッド MX直列4気筒DOHC 1.2リッター+WA05A型モーターCVT2WD(FF)1,787,400円80%/75%
4WD1,913,760円60%/50%
ハイブリッド MZ2WD(FF)1,933,200円80%/75%
4WD2,059,560円60%/50%
ハイブリッド MZ ナビパッケージ2WD(FF)2,060,640円80%/75%
4WD2,187,000円60%/50%
カスタム ハイブリッド MV2WD(FF)1,963,440円80%/75%
4WD2,089,800円60%/50%
新型「デリカD:2」

「デリカシリーズ」のエントリーモデルとして位置付けられているデリカD:2は、2011年にデビューして以来初めてのフルモデルチェンジ。5ナンバーサイズの規格制限を使い切らず、わずかにコンパクトで扱いやすさを重視したボディに両側スライドドアを備え、広々と使いやすい車内スペースを用意する先代モデルのコンセプトを踏襲。

 ボディサイズは3710×1625×1745mm(全長×全幅×全高)として全長をキープしつつ、ホイールベースを30mm延長して2480mmに拡大。前後にロングスライドするリアシートと合わせて車内スペースの拡大とユーティリティ向上を実現したほか、走行性能では直進安定性を向上。一方で最小回転半径は先代モデルから0.2m縮小した4.8mとして使い勝手も高めている。

 外観では専用形状のLEDヘッドライト、ブラックメッシュグリル、エアロ形状バンパーなどを採用するカスタムモデルを新たに設定。また、全色が新色となるボディカラーも、カスタムモデルと標準モデルで別々にラインアップ。各6色の計12種類を展開する。

特別なフロントマスクが与えられたカスタムモデル。左右のヘッドライトを繋ぐシルバーの加飾パネルにLEDを内蔵
LEDヘッドライトはカスタムモデルの専用装備。LEDポジションランプと上下2分割のスタイルで特徴的な表情を演出する
ハロゲンフォグランプの周囲にメッキ加飾を設定
バックドアガーニッシュも黒塗装+加飾のカスタム専用デザインとなる
タイヤサイズは全車165/65 R15。写真のアルミホイールはカスタム専用の8本スポークタイプ
標準モデルのボディカラー
カスタムモデルのボディカラー

 パワートレーンでは、新開発の直列4気筒DOHC 1.2リッターエンジンに最高出力2.3kW(3.1PS)/1000rpm、最大トルク50Nm(5.1kgm)/100rpmを発生する「WA05A」型モーターを組み合わせるマイルドハイブリッドシステムを採用。先代モデルから車両重量を約100kg軽量化したことなどにより、JC08モード燃費は2WD(FF)車で27.8km/L、4WD車で23.8km/Lを実現する。また、新開発エンジンは低回転域のトルク性能を高めており、軽量化したボディ、モーターによるアシストなどで力強い加速性能を手に入れている。

新開発の「K12C」型エンジン(左)は最高出力67kW(91PS)/6000rpm、最大トルク118Nm(12.0kgm)/4400rpmを発生。「WA05A」型モーター(中央)と組み合わせるマイルドハイブリッドシステムにより、2WD(FF)車で27.8km/L、4WD車で23.8km/LのJC08モード燃費を実現
回生発電した電力を蓄え、モーターの駆動力として出力するリチウムイオン電池は助手席の座面下に配置する
マイルドハイブリッドシステムの作動状態はメーターパネル右側に設定するマルチインフォメーションディスプレイに表示
新型デリカD:2の走行イメージ
e-Assistで新たに採用したステレオカメラ

 先進装備では予防安全技術「e-Assist(イーアシスト)」を全車に標準装備する。バンパーに備えたミリ波レーダーで車両前方の状況を検知する「FCM-City」に替え、新たにステレオカメラを利用する衝突被害軽減ブレーキシステム「FCM」を採用。FCM-Cityで約5km/h~約30km/hの低速走行時に作動していた自動ブレーキ機能が、FCMでは約5km/h~約100km/hまで作動速度域を拡大した。

 また、ステレオカメラによる前方監視を活用し、前方に障害物がある状態でアクセルペダルを強く踏み込んだ場合に、エンジン出力を制限しつつ警告音とメーター内の表示で危険を知らせる「誤発進抑制機能(前進時)」、停車中に前方の車両が発進して車間距離が開いたときにブザー音とメーター内の表示で知らせる「先行車発進お知らせ機能」などを機能させる。これに加えてイーアシストでは、走行車線からのはみ出しを警告する「車線逸脱警報機能」、車両の蛇行走行を検知して警告する「ふらつき警報機能」なども備えている。

衝突被害軽減ブレーキシステム「FCM」の警告表示
「誤発進抑制機能(前進時)」の警告表示
「先行車発進お知らせ機能」はホワイトでメーター内表示
「車線逸脱警報機能」の警告表示
「ふらつき警報機能」の警告表示
センターメーター化でインパネデザインを一新

 インテリアはメーターパネルをステアリング前方からインパネ中央に移動させたセンターメーターを採用し、左右対称なシンメトリーデザインによって開放感を演出。標準モデルは内装色がチャコールグレー&ブラックでシート色がブラウン、カスタムモデルは内装色がブラックでシート色がグレーをベースにダークパープルをアクセントに使うという組み合わせ。ロングスライド可能なリアシートは5:5分割可倒式となり、車内側、ラゲッジスペース側の両方から前後スライドの操作が可能となっている。

後席ワンアクションパワースライドドアは左側は全車標準装備、右側はMX以外のグレードに標準装備となる
ホイールベースの拡大で広さを増したキャビンは、ロングスライドするリアシートによって後席空間とラゲッジスペースの使い分けが可能
リアシートのシートバック中央にセンターアームレストを設定
MXのインパネ。このグレードのみステアリングがウレタンとなり、ほかのグレードは本革巻きを装備する
MZのインパネ。ステアリングスポークの左側に「ステアリングオーディオスイッチ」が追加される
「メモリーナビゲーション」を標準装備するMZ ナビパッケージ
カスタム ハイブリッド MVではピアノブラック仕様のインパネセンターガーニッシュを装着
自発光式のメーターパネル。中央にあるスピードメーターの外周部分は燃費状態を示す「ステータスインフォメーションランプ」となっており、通常のブルーから燃費がよい状態ではグリーンに変化。回生発電中は白く発光する
標準モデルのインテリア
カスタムモデルのインテリア
多彩なシートアレンジが用意されている
ラゲッジスペースはリアシートの前方格納で拡大できるほか、フロア下にサブトランクを設定
エアフィルター付きのフルオートエアコンを全車標準装備。MX以外のグレードは「ナノイー」搭載となる
クルーズコントロールシステムを全車標準装備
スライドドアのトリムにロールサンシェードを内蔵する
メモリーナビゲーションはカメラ画像を表示する「全方位モニター」の機能も持つ
車内には豊富な収納スペースを用意して使い勝手を高めている

(編集部:佐久間 秀)