ニュース

フォルクスワーゲン、7人乗りミニバン「ゴルフ トゥーラン」をフルモデルチェンジ

トレンドライン、コンフォートライン、ハイラインすべて直4 1.4リッターターボ+7速DSG搭載

2016年1月12日発表

284万7000円~376万9000円

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは1月12日、7人乗りコンパクトミニバン「ゴルフ トゥーラン」をフルモデルチェンジした。価格は284万7000円~376万9000円。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
TSI トレンドライン直列4気筒DOHC 1.4リッターターボ7速DSG2WD(FF)2,847,000円
TSI コンフォートライン3,170,000円
TSI ハイライン3,769,000円

“MQB”を採用してすべてを一新、安全装備を充実

「ゴルフ トゥーラン」は2004年に国内導入されて以来、内外装やプラットフォーム、メカニズムすべてを一新するフルモデルチェンジは今回が初。新型ゴルフ トゥーランは、フォルクスワーゲングループ全体で推進するモジェラーコンセプト「MQB」を採用するだけでなく、安全装備を大幅に拡充し、最近登場の他のフォルクスワーゲン車と同等の装備を搭載した。

 いわゆる「自動ブレーキ」となるプリクラッシュブレーキシステム「Front Assist」は全車に標準装備。レーダーで前方車両との距離を計測し、衝突の危険がある場合にブレーキのスタンバイからドライバーへの警告、さらに自動で減速を行なって衝突の被害を軽減するほか、シティエマージェンシーブレーキも装備する。

 安全装備では、万が一の衝突の際に自動ブレーキをかけクルマを減速させて二次被害を軽減する「ポストコリジョンブレーキシステム」や、歩行者との衝突を検知すると同時にボンネットの後端を持ち上げてエンジン部品との空間を保ち、歩行者の頭部がボンネットに衝突したときの衝撃を和らげる「アクティブボンネット」も全車に標準装備となる。

 また、急制動等の車両の挙動から事故が起きる可能性を予測し、シートベルトの締め上げやエアバッグ動作の効果を上げるためのウインドウ閉じを行うプロアクティブ・オキュパント・プロテクションも全車標準装備。

 また、グレードにより停止までサポートする全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロール「ACC」や、走行中の車線逸脱からステアリング補正を行なうレーンキープアシストシステム「Lane Assist」を標準またはオプション装備する。

 子供の乗車については、2列目に加えて3列目シートまでISOFIXチャイルドシート固定装置を装備したほか、2列目に内蔵型チャイルドシートをオプション装備することが可能になっている。

ゴルフ トゥーラン コンフォートライン。ボディカラーはカリビアンブルーメタリック
オプションのLEDヘッドライト装備車。ただし、ハイラインのLEDヘッドライトとは形状が異なる

1.4リッターのダウンサイジングターボを搭載

 エンジンは直列4気筒DOHC 1.4リッターターボで、フォルクスワーゲングループが展開するダウンサイジングコンセプトに基づいたもの。従来型も1.4リッターながらターボとスーパーチャージャーの両方で過給するものだったが、新型ではターボチャージャーのみとなるものの、最高出力、最大トルク、燃費のいずれも向上した。

 トランスミッションはデュアルクラッチトランスミッションである7速DSGで、前輪を駆動。サスペンションはフロントがストラット、リアはマルチリンク式となる。今回導入のラインアップはすべて2WD(FF)のみとなり4WDの設定はない。

エンジンは全モデルとも直列4気筒DOHC 1.4リッターターボを搭載。最高出力は110kW(150PS)/5000-6000rpm、最大トルクは250Nm(25.5kgm)/1500-3500rpmを発生する
コンフォートラインのタイヤサイズは205/60 R16

ボディは大型化するも若干の軽量化を実現

 エクステリアではサイドのプレスラインが特徴的で、リアドアはスライドタイプは採用していない。ボディサイズはハイラインで4535×1830×1660mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2785mm。従来型に比べて全長は130mm、全幅は35mm、ホイールベースは110mm拡大している。

 一方、重量はボディが拡大したにもかかわらず軽量化。従来型のハイラインは1580kgだったが、新型は1560kgと20kg減少している。

 フロントグリルは最近のフォルクスワーゲン車のデザインで、新型「パサート」などと同様にヘッドライトとフロントグリルが連続的なデザインとなり、ワイド&ローを表現している。なお、ヘッドライトはグレードによってLEDになるほか、オートライトは全車標準装備となっている。

 ボディカラーは5色をラインアップ。モノトーンとブルー系のみでまとめられている。スライディングルーフはハイラインのみオプションで装備が可能。トレンドラインのみルーフレールが非装備となり、そのため全高が20mm低くなっている。

 シート地はハイラインがマイクロフリース、それ以外はファブリックとなる。2列目、3列目シートを倒して収納することで、フラットなカーゴスペースを実現するとともに、新型では3列目への乗降性も向上。さらに助手席の背もたれを前に倒すことで、広大なスペースを作り出すことも可能となっている。

コンフォートラインのインテリア
ステアリングホイールのリモコンはハイラインのみの装備で、コンフォートラインには装備されない
トランスミッションは7速DSGのみ。パーキングブレーキは電子スイッチ式
メーターパネル。中央にはマルチディスプレイを搭載
ヘッドライトは全車オートライト仕様。スイッチ下に収納がある
オーバーヘッドコンソールに収納が用意される
フロントシート
2列目シート
3列目シート
7名乗車時のシート
3列目シートをたたむとフラットな空間となる
2列目シートは個別に折りたたみが可能
2列目シートをすべてたたんだところ
トノボードはロール式でスライドして収納ができる
3列目シート利用時のトノボードは取り外して最後部のフロア下に収納が可能
助手席を折りたたむこともでき、長尺物の収納にも対応する

Apple CarPlay対応のインフォテインメントシステムを標準装備

 そのほか、全車に標準装備されるインフォテインメントシステムは「Composition Media」。FM/AMラジオ、CD、MP3/WMA再生、Bluetoothオーディオ/ハンズフリーを実現し、さらに「App-Connect」機能を持っている。App-ConnectはMirrorLink、Apple CarPlay、Android Audioに対応。スマートフォンの画面をComposition Mediaに映し出しで操作が可能となっている。

 また、ハイラインとコンフォートラインはオプションでナビゲーション機能まで含んだ「Discover Pro」に変更でき、ETC 2.0車載器にも対応する。なお、「Discover Pro」にもApp-Connect機能はあるが、MirrorLinkのみの対応となっている。

車両情報の表示や各種設定ができるインフォテインメントシステムを標準装備し、中央には液晶ディスプレイが配置される。写真はナビゲーション付きの「Discover Pro」を装備

新型ゴルフ トゥーラン主要諸元


トレンドライン(受注生産)コンフォートラインハイライン
価格2,847,000円3,170,000円3,769,000円
乗車定員7名
サイズ(全長×全幅×全高)[mm]4535×1830×16404535×1830×1660
ホイールベース[mm]2785
トレッド(前/後)[mm]1570/15401560/1535
重量[kg]15601560(スライディングルーフ装着車1590kg)
エンジン直列4気筒DOHC 1.4リッターターボチャージャー
最高出力[kW(PS)/rpm]110(150)/5000-6000
最大トルク[Nm(kgm)/rpm]250(25.5)/1500-3500
燃料消費率(JC08モード燃費)[km/L]18.5
トランスミッション7速DSG
タイヤサイズ205/60 R16215/55 R17

(正田拓也/Photo:原田 淳)