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三菱自動車、2017年度にPHEVの「新小型SUV」、2019年度にEVの新型「RVR」を発売
「ランサー」次期型は開発中止、「パジェロ」は改良しつつ継続販売
(2016/2/3 19:26)
- 2016年2月3日発表
三菱自動車工業は2月3日、東京都港区にある同社の本社で2015年度第3四半期の決算発表会を実施。この席で、2016年度中に公開を予定する新しい中期経営計画の発表に先立ち、2020年度までに同社が目指していく今後の商品展開の考え方について明らかにした。
この発表では、2015年10月に開催された東京モーターショー2015のプレスカンファレンスで三菱自動車工業 取締役社長兼COOの相川哲郎氏が宣言した「SUVと電動車両への注力」をさらに推し進め、電動車両のラインアップを強化するため、2017年度にPHEVの「新小型SUV」を新規投入、2018年度にPHEVをラインアップする「アウトランダー」をフルモデルチェンジ、2019年度にEVをラインアップする新型「RVR」を発売することが発表された。また、SUVのラインアップ強化については、2017年度に「デリカD:5」の次期型モデル、インドネシアで生産を行なう新型「小型MPV」の市場投入が実施される予定。全体としては2017年度から2020年度にかけて14車種の新型車を導入して、カーラインアップをSUVと電動車両の比率を高めた陣容にシフトさせていくという。
発表会に出席した三菱自動車工業 取締役社長兼COOの相川哲郎氏は集まった記者からの質問に対し、具体的な数値目標などは2016年度中としつつも、SUVと電動車両中心のカーラインアップへのシフトにより、販売台数、収益性ともに向上する計画であると語った。また、このタイミングで新しい全体計画を明らかにした理由については、これをもって開発部門も含めた全事業所をまわり、とくに千数百人にのぼる管理職を集めてこれからについての話しをすることで、社員のモチベーションを上げることが狙いだったとしている。
2モーターEVとエンジン搭載車を同時にラインアップすることになる次期RVRは大きく内容がことなるが、それでも並立させていくことの意義に対する質問には、「グローバルに展開しているRVRは、実は当社の現時点で一番売れているクルマであります。その意味では、仕向地によってはまだ内燃機関であるという判断です。ガソリンエンジン、仕向地によってはディーゼルもあります。そしてピュアEVもある。これから電池の性能が非常に向上するということを見越して、レンジエクステンダーではなく、ピュアEVでも十分な1充電航続距離が得られるであろうという見通しです」と相川氏は説明している。
一方、限りある開発リソースをSUVと電動車両に集中させるため、「ランサー」の次期モデルの自社開発取りやめ、「パジェロ」の現行型車両の継続販売についても合わせて発表されている。グローバル販売しているランサーは、現行モデルを仕向地の法規に適合するあいだは販売を継続。その後については、台湾でランサーを生産している中華汽車に開発委託を行なって一部地域に供給することなどを今後検討していくとのこと。
このほか、2020年度時点でのラインアップ表で「検討中」と注釈が付けられた「軽EV」について質問され、相川氏は「軽のEVについては日産(自動車)さんとジョブシェアを含めて協議しているところです。ただ、軽EVの市場については今後必ず大きくなっていくと考えていますので、基本的には投入の方向で検討しています」と回答した。
なお、三菱自動車の2015年度第3四半期決算では、売上高は1兆6620億円(前年同期比5%増)、営業利益は1020億円(前年同期比1%増)、純利益は767億円(前年同期比22%減)となった。また、第3四半期の累計期間の実績や直近の経済状況、市場動向などをふまえて、2015年度通期の売上高予想の一部を修正。売上高を200億円減の2兆2600億円としたが、そのほかに販売台数(105万3000台)、営業利益(1250億円)、経常利益(1300億円)、純利益(1000億円)はぞれぞれ前回予想から増減なしとなっている。
【お詫びと訂正】記事初出時、新しい中期経営計画の発表を2017年としていましたが、正しくは2016年度中になります。お詫びして訂正させていただきます。