伊ピレリ、F1由来の「F1 ビード」を持つ新型「P ZERO」発表

新型「P ZERO」（スポーツ志向）

　伊ピレリは、ポルトガル エストリールでハイパフォーマンスカー用タイヤ「P ZERO」の新製品を4月5日（現地時間）に発表した。新しいP ZEROは「スポーツ志向」「サルーン向け」のほか、モータースポーツでスリックタイヤを選択することをイメージしたアグレッシブなモデルであるP ZERO CORSAの3種類をラインアップ。日本市場では4月からの販売開始となり、P ZEROが56サイズ、P ZERO CORSAが4サイズの計60サイズを導入予定。

　新型のP ZEROでは、ピレリが2011年から参戦を続けているF1で使用されているタイヤ同様に、高速走行時においての安定性を最大限に確保するべく、新技術の「F1 ビード」テクノロジーを採用。ビードエリアの高剛性コンパウンドが横方向のグリップをしっかりと確保し、よりすばやく正確なステアリングレスポンスを実現する。

　また、ビードとサイドウォールにかかる負荷をより均等に分散させることも可能になり、性能の急激な低下を抑制。高負荷を伴う高速走行時のタイヤ剛性が高まるほか、タイヤの動作がよりリニアで予測可能になることで、性能の限界点が突然ではなく徐々に訪れるようになる。これにより、ドライバーは高い安全性が確保されたなかで車両のスポーツ性能を満喫できるようになるという。

新型「P ZERO」（サルーン向け）

新型「P ZERO CORSA」

　トレッドパターンでは、深く幅広にした溝を増やして横方向の耐アクアプレーニング性能を高め、排水性も向上されてウェット路面でのブレーキングをさらに安定させている。さらに特徴的なトレッドパターンデザインによってノイズ削減も実現。意図的に無秩序な配置とした横溝が空気の衝撃音によるノイズを途絶させ、音量を最小化してドライビングの快適性を高める。

　スポーツ性能以外の面では、タイヤの接地面をフラットに保って均等な摩耗を実現する「Extended Range プロファイル」を採用。製品としての長寿命化に加え、ライフサイクルを通じてより一貫した性能を提供できるようになっている。

　このほか、プロファイルを最適化する最新のモデリング技術と軽量化、シリカ素材の配合増加などを実施して転がり抵抗を大幅に削減。低燃費化も果たしているという。

P ZERO 2016年導入予定サイズ

P ZERO CORSA 2016年導入予定サイズ

XL：エクストラロード規格
ncs：Pirelli Noise Cancelling System