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国交省と環境省、輸入ディーゼルモデルの排出ガス路上走行試験結果公表
メルセデス・ベンツ車でNOx排出量2~4倍程度の乖離を確認
(2016/4/22 22:44)
- 2016年4月21日 発表
国土交通省と環境省は4月21日、海外メーカー2社、BMWとメルセデス・ベンツのディーゼルエンジン搭載モデルで実施した排出ガスの路上走行試験結果を公表した。
今回実施された排出ガスの路上走行試験は、独フォルクスワーゲンの排出ガス不正事案を受けて実施したもの。両省が設置した「排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会」の第3回検討会で公開された結果によると、今回の試験車両となる2モデルについては、フォルクスワーゲンと同様の不正ソフトの搭載は確認されなかった。また、各社から事前に報告があった保護制御の範囲内で推移するNOxの排出量であることが確認できたとしている。
路上走行試験では、都市内、都市間、高速といった走行ステージを用意して、台上試験の結果と比較した。
BMW「320d」の路上走行試験では、渋滞のあった走行区間においてNOx排出量が0.146g/kmを記録したが、それ以外の走行試験は規制値(0.08g/km)を全て下回る結果となった。
一方、メルセデス・ベンツ「ML 350 BlueTEC」の路上走行試験では、一部の高速区間においてNOx排出量が規制値(0.08g/km)を下回ったが、それ以外の走行区間では台上試験と2~4倍程度の乖離が発生した。
2~4倍程度の乖離が発生した主な理由としては、試験環境(道路勾配、車両重量等)や運転操作の相違に加え、路上走行時は外気温が低く、尿素SCRにおいて尿素噴射制御を中止する、あるいは触媒活性が低下する領域が頻出したことによるものと考察している。
両省は先に公表された国産モデルと今回の試験結果を合わせて、路上走行では測定環境や運転方法の違い、エンジン保護制御の作動等により、台上走行と比較して排出ガス量に増加がみられることが検証結果から判明したとし、PEMS(車載式排出ガス測定システム)を用いた路上走行検査を導入するとともに、保護制御の作動範囲の指針を策定することが必要であるとして、同検討会において2017年4月頃の最終とりまとめに向けて引き続き議論を進めていく。