パシフィコ横浜で開催されている「人とくるまのテクノロジー展2016横浜」 5月25日、横浜国際会議場(パシフィコ横浜、神奈川県横浜市)において自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2016横浜」が開幕した。自動車技術会が主催するこのイベントは、自動車メーカーをはじめ部品、検査、研究開発支援などを行なう各企業がブースを出展する日本では最大級の展示会となる。
会期は5月25日~27日までとなっており、開催時間は25日、26日が10時~18時、27日は10時~17時となる。入場は無料となっているが、会場での登録受け付けが必要。また、6月29日~7月1日には会場を名古屋に移し、「人とくるまのテクノロジー展2016名古屋」(ポートメッセ名古屋)が開催予定となっている。
トヨタ自動車
トヨタは新型「プリウス」のテクノロジーを紹介。TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)を採用したボディまわりをはじめ、エンジン、バッテリー、E-Fourなど、多数のコンポーネントを展示していた。
直列4気筒 1.8リッター「2ZR-FXE」エンジン 日産自動車
日産ブースは「リーフ」をフィーチャーして紹介。リーフをベースにした自動運転実験車両「ニッサン インテリジェント ドライビング プロトタイプカー」のほか、現行モデルの倍の容量60kWhを実現する高エネルギー密度バッテリ(参考出品)を展示していた。
ニッサン インテリジェント ドライビング プロトタイプカー 本田技研工業
ホンダは3月に発売したFCV「クラリティ フューエル セル」をメインにブースを展開。カットモデルや可搬型外部給電器「Power Exporter 9000」を展示。また、初代スーパーカブの「扱いやすく経済的な2輪車」というコンセプトを継承した電動2輪車「EV-Cub Concept」(参考出品)も来場者の注目を集めていた。
ホンダブースのメインはクラリティ フューエル セル 可搬型外部給電器「Power Exporter 9000」 マツダ
「CX-3」が置かれたマツダブースでは、先日発表されたばかりの新技術「G-Vectoring Control(G ベクタリング コントロール)」を紹介。今回はパネルでの紹介に留まっているが、担当者によれば「それほど遠くない時期に採用され、順次各モデルに展開していく」とのこと。
スバル(富士重工業)
中央に置かれた「WRX S4」が目立つスバルブース。面白いのは、このWRX S4が地面ではなく少し高い位置に展示されており、下回りが確認できるようになっている点。スバルならではのシンメトリカルAWDやサスペンション構造などを実際に見て確認できるわけだ。
とはいっても、直接見るのではなく腹下に複数の小型カメラが設置されており、それを操作することで屈んだり寝転んだりしなくても見ることができるようになっている。
とはいえ肉眼では見づらいのでカメラによる映像をモニターに こちらのコントローラーを使うと好きな場所をじっくり見ることができる ダイハツ工業
ダイハツブースでは「コペン」の「DRESS-FORMATION」を実際にデモンストレーション。ライトやフェンダーなどのパーツが用意されており、交換するイメージを体験できるようになっていた。また、昨年9月に発売された「キャスト」では、3バリエーション展開を活用した「自分仕様の軽自動車」をアピール。
スズキ
ハイブリッド+AGS(オートギヤシフト)のシャシーを使用し、走行状態によって異なる電気の流れがひと目で分かるような展示を行なっていた。そのほか、2気筒800ccのディーゼルエンジン、フューエルセルバイクといった飛び道具的な展示もされている。
コントローラーのボタンを押すと状態に応じた電気の流れを見ることができる 1.0リッターの「K10C」エンジンを直噴ターボ化した新開発の「K10C型ブースタージェットエンジン」 インド市場向けに開発されたという0.8リッター2気筒ディーゼルエンジン 燃料電池を使用した「BURGMAN FUEL CELL」スクーター 部品メーカーなど
詳しくは紹介できないが、そのほかにも目を惹くブースが目白押し。その中からいくつかを紹介しよう。正直なところまだまだ面白そうなネタがたくさんあったのだけれども、わずかな取材時間の中では回り切ることができなかった。クルマ好き、テクノロジー好きなら間違いなく楽しめるので、時間に余裕があるならぜひ出かけてみて欲しい。
三菱電機
パネル上を2本指で回すことでボリュームコントロールが可能 パネル上部で同様の操作を行なうとエアコンの温度コントロールに ショーワ
上がホンダ「シビックタイプR」やマツダ「ロードスター」に採用されている「DPA-EPS(デュアルピニオンアシスト電動パワーステアリング)」。下はより高出力対応が可能な「BRA-EPS(ベルトラックアシスト電動パワーステアリング)」 ホンダ「NSX」への採用が決まっているスーパースポーツカー用ハイポイドギア。製品も鏡面仕上げになる 車両センサーを利用した電子制御可変ダンパーシステム「IECAS(インテリジェント・エレクトロニク・コントロール・アダプティブ・サスペンション)」 ステアリングとダンパーの協調制御が体感できるシミュレーター。同社のテストコースを再現したもので、実際に開発にも使用されている ダイキョーニシカワ
樹脂製テールゲート。現在はガラスウィンドウだが樹脂製も開発しているそうだ トヨタ紡織
TNGA車用シート。ハイテン材を採用することで軽量化を実現 表皮一体発泡工法で作られたシート。レクサス(トヨタ自動車)に採用されている カルソニックカンセイ
流路を見直して効率をアップした水冷インタークーラー 「人の能力/気分を引き出して新次元のプレジャーを提供する」というHuman-Max Cockpit ヴァレオ
ウインドーの霜取りをスマートフォンがら遠隔操作できる「Remote Clean4U」 カメラを使ったサイドミラー「Sightstreemカメラモニタリングシステム」 自動運転からマニュアル運転への移行をスムーズかつ安全に行なえるようサポートする「Valeo Mobius2」。ステアリングにはタッチパネルとドライバーが握っていることを感知するセンサーを内蔵 自動運転時でも前を向いていることができるように、スマートフォンの画面をメーターパネルに表示できる キヤノン
キヤノンブースではMR(Mixed Riality」を紹介 MR用ディスプレイ。解像度はWUXGAで価格は900万円ほど。外部映像をカメラで撮影して合成することで自然な奥行き感を実現しているという 頭上の光学式センサーを用いて位置合わせを行なっている MRカメラの映像ではインパネが見えている。ガラスの先は現実の風景 デンソー
車線変更時などはフットレストが振動して教えてくれる そのほか
2017年に発売予定の「Defi SPORTS DISPLAY」(日本精機) ホンダ「クラリティ フューエル セル」に採用されたGFRTPハイブリッド成型リアバンパービーム(サンワトレーディング) カーボン製超軽量ボディのEV「TEEWAVE AR1」(東レ) 臨場感溢れるサラウンドサウンドを再生する「DTS Neural:X」(dtsジャパン) 屋外では超小型モビリティや最新技術搭載車の試乗会を実施