写真で見る日産「GT-R EGOIST」(2011年モデル)


 2007年に登場した日産「GT-R」は、エンジンを530PSにパワーアップするなど大規模なマイナーチェンジを2010年10月に行った。グレード構成も変更されており、今回写真で紹介する「GT-R EGOIST(エゴイスト)」の追加もマイナーチェンジのトピックの1つ。

 GT-R EGOISTの価格は、ベースグレードの「GT-R Pure edition」(869万4000円)よりも大幅に高い1500万300円。インテリアは専用キルティングが施されたセミアニリン本革シート/ナッパ本革&アルカンターラによるもので、アッパーカラー4色、ロアカラー10色の合計20種類の組み合わせから選択できる。革の製造とインテリアの仕立てはドイツの職人集団「シートン ミュルハイムA.D.ルール」が受け持つと言う。

 また、GT-R EGOISTのオーディオシステムにはメーカーオプションとして「ボーズ プレシジョン・サウンドシステム」が用意され、オーダー時にオーナーの耳の位置を確認し、ボーズがシートポジションに合わせた音質セッティングを行うことになっている。

 さらに、希望があれば購入者は日産栃木工場の専用工房に招かれ、ソファに座ってインテリア組み付けの様子を見学できる特典も与えられる。

 エクステリアはSpecVと共通のチタン製エキゾーストシステムや、カーボン製リアスポイラーを装備。ボディーカラーは光の当たり具合で反射色が変化する3コートマルチフレックスボディーカラーの「アルティメイトオパールホワイト」(52万5000円)を選ぶこともできる。ホイールはレイズ製の軽量アルミ鍛造ホイールを装着。サスペンションも専用チューニングのものが搭載される。

 なお、そのほかのグレードのGT-Rで共通となる2011年モデルの変更点は、第一にエンジンの高出力化が挙げられる。空燃比変更やインレットパイプ径の拡大、エキゾーストパイプ断面の拡大などが施された新エンジンは、最高出力が従来の357kW(485PS)/6400rpmから390kW(530PS)/6400rpmに、最大トルクは従来の588Nm(60.0kgm)/3200~5200rpmから612Nm(62.5kgm)/3200~6000rpmに向上した。燃費についても10・15モード燃費で8.5km/Lに向上させている。

 エクステリアでは、Cd値を0.27から0.26へと向上、前後バンパーの形状変更で前後ダウンフォースを約10%増加するなどの変更が行われたほか、フロントバンパーにはLEDハイパーデイライトが埋め込まれた。

 そのほか、外見からは分からないがエンジンルームを開けるとエンジンのヘッドカバーが赤色となり、カーボン製ストラットサポートバーもエンジンルーム内に新たに装着された。

従来型GT-Rとの外見上の違いはフロントバンパーのデイライト、リアバンパーエアアウトレットの装備などが分かりやすい点。写真のEGOISTの塗装はアルティメイトオパールホワイトで、角度によって反射が緑やピンクに見える
フロント部分の変更点はデイライトを装備したこと
フロントグリルの開口面積は従来モデルよりも拡大し、ラジエーターへの流入空気量を増加させた
ヘッドライトは内部形状で若干の変更を受けたデイライトを装備し、その周辺のデザインも若干変更されている
ヘッドライトの全体的な印象に違いはない側面のターンシグナルライトはフェンダーの切れ目にある
ライトはキセノンヘッドライト。ターンシグナルは電球式グリル中央に配置するGT-Rのエンブレムエアダクトはボンネットの左右2カ所にある
フロントウインドー。ルームミラーは手動防眩タイプワイパーはフラットタイプサイドミラー。ターンシグナルランプは内蔵しない
フロントフェンダーのエアダクトドアノブは後方を押し、持ち上がったレバーを引く
直線的なスタイルのサイドウインドー。ボディーカラーの反射がピンク色に見えるフューエルリッドは一度プッシュすると開く。オープナーは不要
リアは円形のテールランプがスカイライン時代から続く系統であることを主張カーボン製のリアウイング
マフラーエンドはチタン製。バンパーと一体化したデザインチタンマフラーは排気焼けで独特の色合い
リア下部のセンターにあるのはリアフォグリアウインドー低排出ガス車であるステッカーが貼られる
EGOISTが下に付くGT-Rエンブレム丸型のテールランプ類。ブレーキランプはLEDテールランプはボディーから少し奥まったところにある
リアフォグはバンパー下部で点灯するトランクルームは剛性確保のためか手前方向に切り欠きがないので、物の出し入れは上まで持ち上げる必要があるダンパー装備で蝶番が荷室内に出っ張らない。リッドは垂直近くまで開く
エンジンルームにはV型6気筒エンジンが中央に縦置きで収まる赤いヘッドカバーが装着される最近のクルマには珍しくエンジンカバーがほとんど付いていない
バッテリー、ブレーキマスターだけはカバー内に収まるボンネットフードはダンパーではなく棒で支える。エンジンの周囲の薄い黒色の部分はカーボンファイバーの補強材
ボンネットフード裏の内張りには、プレミアムミッドシップの刻印タイヤはフロントが255/40 R20、リアが285/35 R20のランフラットタイヤ。ホイールはレイズ製の鍛造ホイールとなる
EGOISTのレザーインテリア。撮影車はアッパーカラー、ロアカラーともに「ミュルハイムブラウン」の組み合わせ
シートには専用キルティングステッチが施される
天井などはアルカンターラ表皮リアシートは2名乗車。中央にボーズスピーカーを配置
ステアリングのグリップ部や操作部などはブラックとなる。どの内装カラーを選択しても同じステアリング中央の「GT-R」ロゴは輪島蒔絵ステアリングエンブレムとなるシフトレバー
デュアルクラッチトランスミッションなので2ペダルシフトレバーはショートストロークスピードメーターは340km/hまで刻まれる。タコメーター下の液晶にデジタルで速度表示することも可能
パドルシフトもステアリングに内蔵。チタン製の独特の風合いを持つエアコンのルーバーは円形で、たたんで空気の流れを止めることもできるタイプカーナビや各種情報を表示する液晶モニターは、エンジン始動時に「GT-R」のロゴが表示される
オーディオ、エアコン、サスペンションなどのセッティングスイッチはダッシュボードセンターに集中するステアリングホイールにもオーディオやカーナビの操作ボタンが並ぶシフトレバーの先にはCDプレーヤーの挿入口がある
ドアを開けるとサイドシルの上面が革張りでGT-Rロゴが入るシートの調節は電動式で、シルバーのダイヤルの操作で行う。シートヒーターのスイッチもここにあるキーはスマートキータイプ。解錠/施錠動作ができる
ドアの内張りの上半分は専用キルティングステッチ加工が施され、下半分はアルカンターラドアはアルミ製。ALCOAのロゴが入るルームランプ類は電球タイプ。バイザー裏に鏡と電灯が備わる
天井もアルカンターラリアアームレストにある「シートン ミュルハイムA.D.ルール」のロゴの刻印収納はカップホルダーとアームレストの下にある
電源、USB、専用のコネクター。さまざまな車輌情報をPCに取り込めるグローブボックスは小さめ
タコメーター下には各種情報を表示できる燃費計と平均速度走行時間と走行距離
燃料残量から計算した航続可能距離外気温度アラームやメンテナンスの設定もできる
瞬間燃費計トリップメーターはAとBで切り替えて使用できる
ナビゲーションなどに使う液晶は、各種情報表示が可能。アクセルの踏み具合やブースト表示ブレーキの履歴ステアリングの切り角度
ギアポジション燃費履歴サーキットでのタイム計測も行える
ドライバーノート表示内容を設定することもできる
カーナビ画面日産の純正ナビではおなじみのメニュー画面カーウイングスのメニュー画面
各種設定画面。携帯電話とBluetoothで接続できる燃費などはこの画面でも表示できるカーウイングスの情報を表示できる
オペレーター通話も可能

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http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(正田拓也/Photo:鈴木広一郎)
2011年 1月 20日