写真で見る日産「GT-R」(2010年モデル)


 日産 R35型「GT-R」は、V型6気筒ツインターボエンジン「VR38DETT」を搭載し、デュアルクラッチトランスミッションを後方にレイアウトした「独立トランスアクスル4WD」を採用した2ドアクーペモデル。最高出力357kW(485PS)/6400rpm、最大トルク588Nm(60kgm)/3200-5200rpmを発生、日産ではスーパーカーと位置づけている。

 現行型のGT-Rは2007年12月に登場後、2008年12月に最初の仕様変更を受け、2009年12月には2度目のマイナーチェンジが行われた。今回のマイナーチェンジでは、HDDカーナビに、4ダイバーシティアンテナを採用した地上デジタルチューナーを搭載したほか、iPodとのUSB接続に対応した。また、カーナビのマルチファンクションメーター機能に、ニスモ発売のデータロガーキットをインストールし、USB経由で簡単に走行データをダウンロードしてデータ解析が行えるようになる。

 そのほか、フロントサスペンションのショックアブソーバーとスプリングの精度を向上することにより、上質な乗り心地を実現し、リアサスペンションのラジアスロッドブッシュの剛性を高めることで、路面とのダイレクト感をさらに向上させた。さらに冷却ダクト付きのSpecV用リヤディフューザーを全車に採用することで、リアフロアまわりの冷却性能を向上している。

 さらにspec Vではリアサスペンションのショックアブソーバーの特性を変更し、しなやかな乗り心地とフラットライドなハンドリングを実現したと言う。この特性に合わせてダンロップ製タイヤを標準装備とし、従来標準装備されていたブリヂストン製タイヤはオプション設定に変更された。また、「GT-R」「GT-R SpecV」ともに、より通気抵抗の少ない六角メッシュの触媒セルの採用により、低中速域のエンジンレスポンスを向上している。

スポーツカーらしくロー&ワイドでボリューム感のあるクーペボディー。リアウイングは控えめで、大径マフラーエンドがアクセントになっている。外観は今回のマイナーチェンジではほとんど変更されていない

 

フロント中央はブラックアウトされ、開口部は遠目には巨大に見えるが上下に大きく分割されているフロントグリルにはGT-Rエンブレムが装着される
ヘッドライト全体は縦長なデザイン。ヘッドライトはロービームがHID、ハイビームがプロジェクター方式
ボンネット上のNACAダクト。ボンネット内はパイプ状になってエンジンルームに導入されるワイパーはフラットタイプが採用されている
ホイールは20インチ。タイヤはブリヂストンの専用タイヤ「POTENZA 070R」がオプションとなり、ダンロップの「SP SPORT 600 DSST」が標準タイヤとなった。ブレーキはブレンボ製モノブロック構造でフロントは6ピストン、リアには4ピストンキャリパーを備える。ブレーキディスクはドリルドタイプフェンダー後部にはエアアウトレットが設けられる。上部にGT-Rエンブレムが付けられるドアミラーはウインカーを内蔵しないタイプ。下端が黒く塗装される
ドアハンドルは空気抵抗が考慮された、指で押し込むと開くタイプ
ドア開口部。ドアハンドル部がシルバーに塗装されアクセントになっているドアのスイッチ部ドアポケットは非常に小型。内側はネットになっている
サイドステップにもGT-Rロゴがあしらわれるシートの調整は電動で行う。右に見えているのは座面高調整ボタン。左上はシートヒーターの強度切り替えスイッチ

 

GT-Rのリアトランク右側にはGT-Rエンブレム
リアのコンビネーションランプは丸形が左右に2灯ずつと、スカイライン時代からのデザインを継承している。ランプにはLEDが採用されている。左から無灯時、スモール点灯、ブレーキ時
非常に大径で存在感があるマフラーエンド2009年12月のマイナーチェンジから全モデルに採用されたカーボン製リアディフューザーリアウイングは低い形状のもの。トランク取り付け部は複雑な形状をしている
ハイマウントストップランプはウイング裏面に埋設されているリアトランク開口部はボディーよりもかなり小さめ開口部は小さめだが容量はそこそこありそうだ

 

GT-Rの心臓部、縦置きにレイアウトされたV型6気筒ツインターボエンジン「VR38DETT」。吸気は片バンク3気筒ずつに別れているのが分かるインストルメントパネル。センターコンソールは若干運転席側を向いているタコメーターは歯車のようなデザインになっており、下部には車両情報ディスプレイを備える。スピードメーターは340km/hスケール
ステアリングの左にはオーディオ関連スイッチ、右にはクルーズコントロール関連スイッチが並ぶ
ワイパー操作用レバー。ハンドルとレバーの間にあるのは本革巻マグネシウム製シフトダウン用パドルこちらはシフトアップ用パドルウインカー&ヘッドライト操作用レバー
ステアリングのチルト、テレスコピック調整は手動。写真はロック解除レバーエアコン吹き出し口は丸形ルーバー。左に見えるのは車両情報ディスプレイの表示切り替えスイッチエアコン吹き出し口の下にはサイドミラーの調節ノブとミラー開閉スイッチがある
さらに下にはETC車載器が収められる。右下がボンネットオープナー。左はトランクオープンスイッチメーター左にはトリップメーターのリセットスイッチと、メーターの照度調節用スイッチがあるステアリングホイール左下にはシガーソケットが用意される。通常はカバーが装着される
ペダルとフットレストはアルミ製で、ゴムの滑り止めが装着されているルームミラーはシンプルなタイプ。防眩切り替えはミラー下のレバーで行うルームライトはルーフ前部にサングラスホルダーと一緒に設けられる
ルーフ中央には牽引時用スイッチがある照明付き助手席用バニティミラーセンターコンソール最上部はカーナビ&マルチインフォメーションディスプレイ
中段にはオーディオ操作部とデュアルモードエアコン、シルバー部に設けられたスイッチは左からトランスミッションやショックアブソーバー、VDC-Rのセッティング切替用シフトレバーの前には、CDスロットが用意される。試乗車はBOSEサウンドシステム装着車だったので、右下にBOSEロゴが見えるシフトレバー。シフトストロークは非常にショート
シフトレバー後方にはエンジンスタートスイッチがある。スマートキーに対応し、キーを差し込まずにエンジンを始動できるサイドレバー脇はシャッター付きのドリンクホルダーになっている
アームレスト内部は小物入れになっている。アームレスト内にはシガーソケットとUSB端子などが用意されている
助手席シート脇には、電動シートスライドスイッチが設けられており、運転席から助手席を前後にスライドできるインテリア。シートはセミバケットタイプで高級感のある本革・パールスエードが採用されているリアシート。左右のシートはフロントからつながるセンターコンソールで別れている
リアシート中央にはドリンクホルダーがレイアウトされる中央のシートバック位置にはBOSEのサブウーファーが埋め込まれている
グローブボックス
助手席のフロアカーペット下には牽引フックとタイヤレンチを備える。右の写真は緊急時のトランクオープン用キーシリンダキーはスマートエントリーに対応。トランクオープンスイッチも備える
タコメーター下の車両情報ディスプレイの表示例。燃費情報や走行時間、航続可能距離、外気温、凍結注意の表示のほか、シフトアップ回転数なども設定できるカーナビのほか、水温、油温やブースト圧など車両のさまざまな情報表示にも対応したディスプレイ。デザインはプレイステーション用ドライビングシミュレーター「グランツーリスモ」シリーズの開発で知られるポリフォニーデジタルが手がけている。表示は好みでカスタマイズできる

 

 

(平 雅彦(WINDY Co.) / Photo:石川 智)
2010年 3月 25日