写真で見る三菱自動車「アウトランダー」


 3列7人乗りシートなどのパッケージングはそのままに、次世代SUVに求められる性能を身につけて登場した新型「アウトランダー」。一新された高級感漂うエクステリアもさることながら、注目は同社初となる先進安全技術「e-Assist」により最先端の安全性を獲得したことと、新MIVECエンジン搭載による高い環境性能を獲得したことだ。

 e-Assistは、衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)と車線逸脱警報システム(LDW)、それにレーダークルーズコントロールシステム(ACC)を組み合わせたアクティブセーフティ技術。FCMは前方障害物に対する警報や自動ブレーキ、LDWは車線から外れた場合の警報、ACCは減速・停止までを行う速度追従型クルーズコントロールと、事故を未然に防ぐためのテクノロジーを余すことなく搭載。これにより、長距離時の運転や悪天候時など、比較的事故の起きやすいような状況でも、ドライバーの運転をアシストしてくれる。

 また、新エンジンとなる直列4気筒SOHC 2.4リッター 16バルブエンジン「4J12」型は、動弁系の効率化などにより、SOHCながら従来のDOHCエンジンと同等の性能を持つのが特徴で、これにアイドリングストップ機能「AS&G(オートストップ&ゴー)」やECOモードスイッチを組み合わせ、JC08モード燃費は14.4km/Lを実現(2リッター車は15.2km/L)。これにより全車平成27年度燃費基準を達成、エコカー減税(50%)にも対応している。

 エクステリアはクラスを超えた上質感を目指し、デザインを一新。空力性能はCd値0.33(先代比で7%減)を実現しつつ、横基調の一文字グラフィックにより実寸以上に大きく見えるスタイリングを実現。また、フロントのウォッシャーノズルをエンジンフード裏側に装着するなど細部にこだわり、「よい物を所有したい」という現代人のニーズを満たした。エクステリア同様、インテリアも継ぎ目のないシームレスなデザインとし、上質感を表現。併せて手触りにもこだわることで、オーナーの所有欲をより刺激するものになっている。

 新型アウトランダーでは、このほかにもボディーの軽量化、振動や騒音の低減、シートの使い勝手向上、荷室の拡大など、同社の最先端技術を惜しみなく投入。世界戦略車として各国に輸出される予定だ。すでに7月にロシア、9月に欧州で発売を開始しており、ロシアでは受注台数が1万台を超えるなど好調なスタートを切ったと言う。日本での発売以降は中国、北米へも輸出される予定だ。

 グレードは直列4気筒2.4リッターエンジン搭載車が「24G」「24G Safety Package」「24G Navi Package」の3グレード(いずれも4WD)、直列4気筒SOHC 2.0リッターが「20G」の1グレード(2WD)という構成。e-Assistは「24G Safety Package」「24G Navi Package」のみ標準装着。e-Assist非装着の24Gと「24G Safety Package」の価格差は9万5000円となっている。

 直列4気筒2.4リッターエンジンの最高出力は124kW(169PS)/6000rpm、最大トルクは220Nm(22.4kgm)/4200rpm。直列4気筒SOHC 2.0リッターは、最高出力110kW(150PS)/6000rpm、最大トルク190Nm(19.4kgm)/4200rpmとなっている。いずれも無鉛レギュラーガソリン仕様。

撮影車両は24G Navi Packageで、メーカーオプションのS-AWCを搭載した4WD車となる。ボディーカラーはカッパ―メタリック。一文字を強調した前後スタイルが視覚上の安定感を生み出している。ボディーサイズは4655×1800×1680mm(全長×全幅×全高)サイドを貫くショルダーラインがシャープな印象を生む。硬質感を感じる張りのあるデザインだ
強い目力を感じさせるフロントヘッドライトと、すっきりまとまったテールランプのデザイン18インチのラウンドリムタイプのアルミホイールと225/50 R18インチタイヤを標準装着
インパネ上面からフロントドアトリムまでソフトパッドを採用。見栄え手触りもよくプレミアム感を演出。メーカーオプションの木目調インパネ&ドアトリムオーナメントパネルを装着。標準はシルバーパネルとなるインパネ右下にはエレクトロリックテールゲートやAS&G、LDW、FCMの各種スイッチが並ぶ
撮影車はオプションの本革シートを装着。運転席&助手席シートヒーターおよび運転席パワーシート、運転席シートバックポケットがセットになる三菱車初となる左右独立温度コントロール式フルオートエアコンを全車に標準装備。ECOモードスイッチがその上に。スイッチONでエンジン、エアコン、4WDの省エネ制御を行う
セカンドシートは6:4の分割可倒式。スライド長は先代から80mm伸びて250mmとなった。クッションを起こしてシートバックを前倒しするダブルアクションフォールディング機構を採用し、操作力を大幅に低減しつつも荷室の確保にも寄与。また先代モデルから荷室長を335mmも拡大している
サードシートは床下収納式で、シート幅、足下空間、座り心地を向上。先代モデルよりシート幅を120mm広げた。こちらは5:5分割可倒式となる
メーターは常時照明が点灯するハイコントラストメーターとなっている。中央部のマルチインフォメーションディスプレイには各種走行状況が表示される
本革巻ステアリング(シルバーアクセント)と本革巻きシフトノブを全車に標準装備。ステアリング中央の左側にはオーディオや電話、右側にはACCのコントロールスイッチを配置
6速スポーツモードCVT(INVECSIII)のパドルシフト部とS-AWCのモードセレクト部。S-AWCは4WD車にオプション設定。「AWC ECO」「NORMAL」「SNOW」「LOCK」の4つの走行モードがあり、メーター中央に走行モードが表示される
アームレスト下部には大型のコンソールボックスを装備。上部にはスライドおよび取り外しができるトレイを設置し、使い勝手を高めている
7インチWVGAディスプレイメモリーナビゲーションはNavi Packageに標準装備。後席9インチワイド液晶ディスプレイ+リモコンと、ロックフォードフォズゲートプレミアムサウンドシステム+9スピーカーを組み合わせることもできる
車両直左の死角をカバーするサイドビューカメラ。メモリーナビもしくはディスプレイオーディオとセット床下を有効活用できるラゲッジフロアボッスを装備。容量は16.5L4WD車には高出力・高トルクの直列4気筒2.4リッターエンジン、2WD車には経済性に優れる直列4気筒2.0リッターエンジンを搭載(写真は前者)
カスタマイズ嗜好の高いSUVユーザーに向けて、オンロードテイストをさりげなく強調するエアロパーツを開発。フロント、サイド、リアのボディーラインを演出するエクステンションはパッケージでの装着。フロントアンダーカバー、テールゲートスポイラーなども選べる。レイズ製18インチアルミホイールも装着
本革ステアリングカバー、イルミネーション付きスカッフプレートもディーラーオプション

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http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(Photo:安田 剛/奥野大志)
2012年 10月 25日