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写真で見る ホンダ「オデッセイ」「オデッセイ アブソルート」
(2013/11/1 13:44)
国内では多人数乗用車の草分け的な存在となるのがホンダ・オデッセイだ。1994年に登場した初代モデルは、それまでの多人数乗車モデル=ワンボックスボディーという常識を覆し、セダンをベースに大きな空間を持たせたのが特長となっていた。まだミニバンという定義がなかった国内市場に、3ナンバーサイズの大きなボディーをひっさげ、新しい風を送り込んだのだ。2代目以降においてはそのDNAを継承しつつ、居住性の向上に加えて低床化によるスポーティな走行性能&スタイルを演出するなど、独自の路線を貫いてきたといえる。
5代目となる新型もその路線は変わらない。まずはさらなる洗練を目指してプラットフォームを一新。ボディーサイズは全幅は1800mmで据え置き、全長を30mm延長とわずかな変更にとどめる一方、全高は1545mmから1695mmまで一気に150mmもアップ。頭上空間を中心に室内空間を拡大することで居住性を大幅に向上させている。ホイールベースも70mm延長されて2900mmとなったが、最小回転半径は5.4mと小回り性を確保しつつ、燃料タンクやエキゾーストを薄型とすることで極限ともいえる超低床化を実現。ワンボックスタイプにありがちな腰高間を払拭し、セダンのような乗り心地と軽快なハンドリング、そして市街地や駐車場などでの扱いやすさも獲得しているのだ。
また、最近のモデルらしく安全機能も充実している。アブソルートおよびEXグレードにオプション設定される「マルチカメラビューシステム」はバックカメラに加え、フロントグリル、左右ドアミラーにもカメラを装着。それぞれ単独の映像を見ることができるほか、4つの映像を合成してクルマ全体を上方から見下ろしたような「グラウンドビュー」表示も実現する。さらに新しいオデッセイでは、この映像を解析して駐車枠を検出し、電動パワーステアリングを自動で作動させて駐車をサポートする「スマートパーキングアシスト」も装備。アクセルとブレーキ、シフトレバーを操作するだけで簡単に駐車することが可能だ。加えて、EXグレードにはリアバンパー内蔵のレーダーで後退時にリア側方からの車両接近を知らせる「後退出庫サポート」、後方から接近する車両をドアミラーのインジケーターで知らせる「ブラインドスポットインフォメーション」も装備している。そのほか、30km/h以下の低速走行中、追突の恐れがあると自動的にブレーキを作動させる低速域衝突軽減ブレーキ、急な発進や加速を防ぐ誤発進抑制機能をサポートする「シティブレーキアクティブシステム」も用意。それぞれグレードにより標準またはオプション設定されている。
プラットフォームの変更に合わせてパワートレーンも一新。エンジンは先代のK24AからK24Wに変更された。2.4リッターの直列4気筒という点はK24Wにおいても変わらないが、基本骨格から見直されており、次世代環境技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」を投入した新ユニットとなる。上級グレードのアブソルートには直噴技術を採用することで、レギュラーガソリン仕様ながら2WD(FF)車は最高出力140kW(190PS)、最大トルク237Nm(24.2kgm)を発生するハイパワータイプを搭載。標準グレードに搭載されるユニットは従来どおりのポート噴射が採用されるものの、最高出力129kW(175PS)、最大トルク225Nm(23.0kgm)とパフォーマンスが向上している。2WD(FF)車のJC08モード燃費は、直噴タイプが13.6~14.0km/L、ポート噴射モデルが12.4~13.8km/Lとなっている。
ミッションは全車に新開発のCVTを搭載する。従来型から変速比幅を19%ワイド化するとともに、伝達効率の向上や軽量化による高効率化を実現。至上命題ともいえる燃費性能だけでなく、走りの性能をアップするために加速性能も向上させているのだ。また、アブソルートには7スピードモード&パドルシフトが組み合わされ、より走りを楽しめる仕様となっている。駆動方式は2WD(FF)だけでなく、電子制御タイプの4WD「REAL TIME AWD」搭載車も用意されている。
グレードは標準タイプが「B」「G」「G EX」の3グレード、アブソルートが「ABSOLUTE」「ABSOLUTE EX」の2グレードを用意。全グレードに2WDと4WDが設定され、Bおよび4WD車は8人乗りのみ、その他には7人乗りと8人乗りの両方が用意される。
ボディーカラーはアブソルート専用の注文色となる「プレミアムヴィーナスブラック・パール」などを含む全7色。内装色はアブソルートがブラック、標準グレードがアイボリーを基調としたものになる。
価格は249万円~373万円。
ABSOLUTE、ABSOLUTE EX
「絶対的」の名前が付けられたアブソルートはプレミアムモデルに位置づけられるグレード。直噴を採用したハイパワー仕様のエンジンに加え、7スピードモード&パドルシフトを備えたCVT、10mmダウンの専用チューニングサスペンション、専用チューニングのパワーステアリング、17インチタイヤ&ホイールなどスポーティな走りが楽しめる仕様だ、内外装に関しても前後のエアロダイナミクス・カラードバンパーに加え、フォグランプ、専用グリルなど力強さを感じさせるフィニッシュとなっている。