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写真で見る ホンダ「オデッセイ」「オデッセイ アブソルート」

 国内では多人数乗用車の草分け的な存在となるのがホンダ・オデッセイだ。1994年に登場した初代モデルは、それまでの多人数乗車モデル=ワンボックスボディーという常識を覆し、セダンをベースに大きな空間を持たせたのが特長となっていた。まだミニバンという定義がなかった国内市場に、3ナンバーサイズの大きなボディーをひっさげ、新しい風を送り込んだのだ。2代目以降においてはそのDNAを継承しつつ、居住性の向上に加えて低床化によるスポーティな走行性能&スタイルを演出するなど、独自の路線を貫いてきたといえる。

 5代目となる新型もその路線は変わらない。まずはさらなる洗練を目指してプラットフォームを一新。ボディーサイズは全幅は1800mmで据え置き、全長を30mm延長とわずかな変更にとどめる一方、全高は1545mmから1695mmまで一気に150mmもアップ。頭上空間を中心に室内空間を拡大することで居住性を大幅に向上させている。ホイールベースも70mm延長されて2900mmとなったが、最小回転半径は5.4mと小回り性を確保しつつ、燃料タンクやエキゾーストを薄型とすることで極限ともいえる超低床化を実現。ワンボックスタイプにありがちな腰高間を払拭し、セダンのような乗り心地と軽快なハンドリング、そして市街地や駐車場などでの扱いやすさも獲得しているのだ。

 また、最近のモデルらしく安全機能も充実している。アブソルートおよびEXグレードにオプション設定される「マルチカメラビューシステム」はバックカメラに加え、フロントグリル、左右ドアミラーにもカメラを装着。それぞれ単独の映像を見ることができるほか、4つの映像を合成してクルマ全体を上方から見下ろしたような「グラウンドビュー」表示も実現する。さらに新しいオデッセイでは、この映像を解析して駐車枠を検出し、電動パワーステアリングを自動で作動させて駐車をサポートする「スマートパーキングアシスト」も装備。アクセルとブレーキ、シフトレバーを操作するだけで簡単に駐車することが可能だ。加えて、EXグレードにはリアバンパー内蔵のレーダーで後退時にリア側方からの車両接近を知らせる「後退出庫サポート」、後方から接近する車両をドアミラーのインジケーターで知らせる「ブラインドスポットインフォメーション」も装備している。そのほか、30km/h以下の低速走行中、追突の恐れがあると自動的にブレーキを作動させる低速域衝突軽減ブレーキ、急な発進や加速を防ぐ誤発進抑制機能をサポートする「シティブレーキアクティブシステム」も用意。それぞれグレードにより標準またはオプション設定されている。

 プラットフォームの変更に合わせてパワートレーンも一新。エンジンは先代のK24AからK24Wに変更された。2.4リッターの直列4気筒という点はK24Wにおいても変わらないが、基本骨格から見直されており、次世代環境技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」を投入した新ユニットとなる。上級グレードのアブソルートには直噴技術を採用することで、レギュラーガソリン仕様ながら2WD(FF)車は最高出力140kW(190PS)、最大トルク237Nm(24.2kgm)を発生するハイパワータイプを搭載。標準グレードに搭載されるユニットは従来どおりのポート噴射が採用されるものの、最高出力129kW(175PS)、最大トルク225Nm(23.0kgm)とパフォーマンスが向上している。2WD(FF)車のJC08モード燃費は、直噴タイプが13.6~14.0km/L、ポート噴射モデルが12.4~13.8km/Lとなっている。

 ミッションは全車に新開発のCVTを搭載する。従来型から変速比幅を19%ワイド化するとともに、伝達効率の向上や軽量化による高効率化を実現。至上命題ともいえる燃費性能だけでなく、走りの性能をアップするために加速性能も向上させているのだ。また、アブソルートには7スピードモード&パドルシフトが組み合わされ、より走りを楽しめる仕様となっている。駆動方式は2WD(FF)だけでなく、電子制御タイプの4WD「REAL TIME AWD」搭載車も用意されている。

 グレードは標準タイプが「B」「G」「G EX」の3グレード、アブソルートが「ABSOLUTE」「ABSOLUTE EX」の2グレードを用意。全グレードに2WDと4WDが設定され、Bおよび4WD車は8人乗りのみ、その他には7人乗りと8人乗りの両方が用意される。

 ボディーカラーはアブソルート専用の注文色となる「プレミアムヴィーナスブラック・パール」などを含む全7色。内装色はアブソルートがブラック、標準グレードがアイボリーを基調としたものになる。

 価格は249万円~373万円。

ABSOLUTE、ABSOLUTE EX

「絶対的」の名前が付けられたアブソルートはプレミアムモデルに位置づけられるグレード。直噴を採用したハイパワー仕様のエンジンに加え、7スピードモード&パドルシフトを備えたCVT、10mmダウンの専用チューニングサスペンション、専用チューニングのパワーステアリング、17インチタイヤ&ホイールなどスポーティな走りが楽しめる仕様だ、内外装に関しても前後のエアロダイナミクス・カラードバンパーに加え、フォグランプ、専用グリルなど力強さを感じさせるフィニッシュとなっている。

ボディーカラーはプレミアムヴィーナスブラック・パール
こちらはホワイトオーキッド・パール
フロントグリルに配したメッキバーで力強いイメージを演出
LEDターンシグナル付のドアミラー
ブラインドスポットインフォメーションはEXグレードに標準装備
リアドアはオデッセイ初の両側スライドドアを採用。ただ、外観からはあまりそれを感じさせない
スライドドアはかなり複雑な形状となっている
フロントはリアよりフロア位置が少し高く見えるが、フロア自体の高さはそれほど変わらない
リアドアはステップが低く設定されているぶん乗り降りしやすい
リアのセンターガーニッシュはアブソルート専用
シャープなデザインのヘッドライト
ポジションランプはLEDを使った導光タイプ
アブソルートはLEDヘッドライトが標準。EXグレードにはパッケージオプションでオートレベリング、オートライト機能を用意
ハイビームは一般的なハロゲンタイプ
ウインカーは内側下部に用意
リアコンビランプの点灯パターン
フォグライトはアブソルート専用設定
2.4リッター直列4気筒DOHCのK24Wエンジン。2WDと4WDでスペックが異なり、前者が190PS/24.2kgm、後者は185PS/24.0kgmとなる
エンジン単体のカットモデル
バルブまわり
アブソルート用は直噴を採用
ピストンヘッドにはキャビティが設けられている
ホンダならではのVTEC+VTC仕様
新開発CVTにより従来の5速ATを上まわるダイレクトなレスポンスを実現する
超低床を実現する樹脂製の薄型燃料タンクは2列目シート下に収まる
フロント、リアに採用されるザックス製の振幅感応型ダンパー。メインとサブ、2本のピストンがあるのが特長
大きなストロークの際は高い減衰力を、小さなストロークの際は低い減衰力で振動の吸収が可能
マフラーエンドは下向きで外からはほとんど見えない
アブソルート専用オプションの18インチアルミホイール。タイヤサイズは225/45 R18。標準サイズは215/55 R17となる
アブソルートはブラック基調のインテリアカラーと黒木目調パネルの組み合わせ
本革巻ステアリングを標準装備。スポーク部にはインターナビやクルーズコントロールなど多くのボタンが付く
シフトレバーはインパネタイプ、エアコンパネルは静電タッチ式。アイドリングストップ時に効果を発揮する蓄冷エバポレーターも装備
ステアリングコラム右側のスイッチパネル。EXグレードのスライドドアは左右とも電動タイプが標準となる
ペダルまわり。サイドブレーキは足踏み式
EXグレードはインターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器を標準装備
ディスプレイは7インチワイドVGA。フリックやピンチイン/ピンチアウトといった操作にも対応
地デジやiPod/iPhone、Bluetooth、HDMIなど豊富なAVソースに対応。iPhoneを音声で操作可能な「siriアイズフリー」にも対応する
トリップメーターも大画面で確認できる
バックカメラは標準装備でEXグレードは後退出庫サポートも用意。フロント、左右両サイドに装着されるマルチビューカメラはオプション設定
センターコンソール最下部に用意されるリフトアップトレイ
未使用時は足もとを広く、引き出すことで手が届きやすい位置にセットすることが可能
引き出し式のカップホルダーも装備
インパネ下部にはHDMIとUSB×2、DC12Vソケットを配置
ルーフ部にはLEDルームランプと室内確認用ミラー付サングラスボックスを装備
中央に大きなスピードメーターを配置したメーターパネル。アブソルートはホワイトとレッドの照明を採用
スピードメーター中央はマルチインフォメーションディスプレイ。平均燃費や航続可能距離などを表示できる
フロントシートはアームレスト付
フロントドア。パワーウインドーやドアミラー用のスイッチをアームレストに装備
7人乗りモデルに装着されるプレミアムクレードルシート
アームレストをシート左右に用意
中折れ機構付のシートバックとオットマンにより快適度がアップ
3列目シートを床下格納し、タイヤハウスを避けるために2列目シートを中央に寄せると740mmもの前後スライドが可能になる
3人掛けの3列目シート。各席で独立したリクライニングが可能なほか、中央のシートバックを前に倒すことで長尺物の積載にも対応
フル乗車時のラゲッジスペース
3列目を収納した状態
3列目の固定はフックとベルトで行う
トリプルゾーンコントロール・フルエアコンはEXグレードに標準装備
2列目、3列目に独立したエアコンの吹き出し口を用意

B、G、G EX

 標準仕様となるモデル。インテリアカラーはベージュのみ。

フロントまわりの違いでアブソルートよりフォーマルな印象
リアガーニッシュ部の文字はオデッセイのみに変更される
G EXのみアルミホイールを標準装備。タイヤサイズは全車215/60 R16
インテリアはベージュと茶色の木目調パネルの組み合わせ
メーター照明はホワイト
7人乗りのインテリア。ショルダーから下もベージュなので車内が明るい印象になる
ウインカーレバー先端にカメラスイッチを設定。これはアブソルートも同様
EXグレードはスライドドアにロールシェイドを装備

純正アクセサリー

標準仕様のアクセサリー装着車
ドアミラーガーニッシュとフロントフェンダーガーニッシュ。後者はエアアウトレット風の造形だが実際はダミー
標準品がウレタンステアリングとなるB、Gグレード向けの本革ステアリングホイールカバー
全車に装着可能な本革セレクトノブ
8インチの大画面を採用するパナソニック製プレミアムインターナビ「VXM-145VFEi」
純正オプションでは定番アイテムのイルミネーション付サイドステップガーニッシュ
フルシートカバーを装着した8人乗りモデルの2列目シート。カバーは7人乗りモデルにも設定あり
8人乗りモデル向けの2列目用として設定される簡易脱着フルシートカバー。取り付け、取り外しが簡単に行えるので、汚れてもすぐに洗うことが可能
淡い白色光で室内を演出するピラーイルミネーション
ラゲッジスペースが立体的に利用可能になるデッキボード&ラゲッジボックス
ボードには補強が施されているので上に重い荷物を置いても大丈夫
3列目のシートバック裏に装着するラゲッジネット。小物の収納に便利
アブソルートのオプション装着車
フォグランプ下のフロントビームライトガーニッシュで印象的なフロントマスクを演出

無限

無限パーツを装着したオデッセイ アブソルート
オデッセイ専用サイズの「MDA」ホイール。18インチと19インチが設定される
アンダースポイラーやスポーツグリルを装着してさらに迫力を増したフロントマスク
塗装済みで販売されるウイングスポイラー
専用エキゾースト用のリアアンダースポイラー。純正マフラー用もラインアップする
スポーツエキゾーストシステム。リアアンダースポイラーとセットで装着する必要がある。シングルテールとなるB、Gグレード用もラインアップ
親水性の広角ミラーを採用したハイドロフィリックLEDミラー。ウインカー連動でミラー内のLEDが点灯するギミックも設定
無限のエンブレムをAピラー下に設置。チタン製とクロームメッキ(ホワイト、ブラック)の3タイプを用意

(安田 剛)