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写真で見る ダイハツ「キャスト スポーツ」

 この「キャスト スポーツ」は9月9日に発売されたダイハツ工業の軽自動車「キャスト アクティバ」「キャスト スタイル」に続く第3弾モデル。キャストシリーズは生活の道具としての軽自動車ではなく、「ずっと乗りたい」「愛着がわく」と思ってもらえるような魅力を持つことを目指したクルマ。そのためにダイハツが行ったのが、質感が高く普遍的な魅力を持つデザインを与えること。この基本となる考え方をベースにデザインが行われ、そこから3モデルのバリエーションごとに異なる個性が与えられている。

 先行して発売されたキャスト アクティバは力強さと立体感のあるクロスオーバーテイストに仕上げられ、キャスト スタイルは都会的なイメージ。そして今回のキャスト スポーツはその名のとおりスポーツテイストを盛り込んだ作りになっているのだ。

 このキャストシリーズについての詳細は、発表記事やまるも亜希子氏による試乗インプレッションがすでに掲載されているので、そちらを参考にしていただきたい。

ダイハツ、3つの世界観で個性を表現する新型軽自動車「キャスト」

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150909_720227.html

ダイハツ「キャスト アクティバ」「キャスト スタイル」

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/20151027_727071.html

左が10月28日にデビューした「キャスト スポーツ」。中央の「キャスト スタイル」、右の「キャスト アクティバ」はひと足早く発売され、10月の軽四輪車通称名別新車販売速報で4位になる好調ぶりを見せている

 それではキャスト スポーツについて紹介していこう。まずはスタイリングから。フロントマスクではレーシーなメッシュをイメージした専用デザインのグリルを備え、さらにチェッカーフラッグをデザインに取り入れたスポーツ専用エンブレムが取り付けられている。バンパー形状もリップ部分の張り出しが大きくなり、両サイドにはLEDイルミネーションランプがビルトインされる。このリップ部分だが、ここにはボディーカラーによらずブラックの塗装が施され、加えてアクセントとして赤いラインも入れられる。さらにサイドスカート、リアバンパー下部にもフロントリップ同様のブラック塗装+赤のストライプ入りとなっている。

 視線を上に動かすと目立つのが、ドアミラーとリアクォーターピラーに使われている赤い加飾だ。この配色はメーカーオプションの「デザインフィルムトップ」を選択すると同時に採用されるデザインで、ボディー色と同じモノトーン仕様のルーフの場合はミラーやピラーはボディー同色となる。シンプルに乗りたい人はこちらを選ぶとよいだろう。ただし、フロントバンパー、サイドスカート、リアバンパーの塗り分けとストライプはキャスト スポーツのデザインのポイントなので、ここはルーフカラーに関わらず同一仕様となっている。

キャスト スポーツのスタイリング。撮影車はオプションのデザインフィルムトップ仕様「パールホワイトIII×デザインフィルムトップ」
ボディー下部のエアロパーツがブラック塗色となり、赤いストライプが入る
フロントグリルはメッシュ調デザインでスポーツ専用エンブレムが付く。チェッカーフラッグに赤いSマークを組み合わせるデザイン
オプションで4万3200円高のデザインフィルムトップ。白い「クリスタル調/ホワイト」はアクティバとスタイルにも設定されているが、黒い「カーボン調/ブラック」はスポーツ専用。これを選択するとミラーとリアピラーが赤い加飾仕様になる
ルーフアンテナは前方に倒れる可倒式。リアスポイラーにもデザインフィルムは施工される
ヘッドライトは全車「Bi-Angle LEDヘッドランプ」(ダークメッキ、オートレベリング機能、LEDクリアランスランプ付き)
LEDフォグランプとLEDイルミネーションランプの点灯パターン。LEDイルミネーションランプはスモールランプと連動
リアコンビネーションランプの点灯パターン。ブレーキランプはLEDで灯火パターンは3Dエフェクトとなる
リアウインカーとバックランプはリアバンパーのサイド部分に配置される

 次にインテリア。ここでも2タイプの配色が用意されている。カタログで「ダイハツおすすめインテリア」とされるスタンダードオーダーが「レッド&ブラック」仕様。シートはブラックの表皮にレッドステッチが入れてあり、インパネはブラック基調でセンター部分に赤い加飾パネルを組み合わせている。この仕様はボディーカラーのデザイン(エアロパーツ部分の黒と赤の組み合わせ)と調和が取れているもので、スポーツカーらしさも感じられる作りだ。

 それに対してメーカーオプションのユニークオーダーとして設定されている「ブラック&ホワイト」仕様は、シートとドアトリムの一部がホワイトのプロテインレザー表皮となっている。スタンダードオーダーで赤になっているインパネ部分はピアノブラックに変更。ホワイトのシートとインパネのブラック&ピアノブラックという組み合わせは、欧州の高級スポーツカー的な上品な仕上げと言える。

ブラックの表皮にレッドステッチの組み合わせがスタンダードオーダー。メーカーオプションとしてホワイト表皮のシートも用意される。各シートは座面の広さがあってゆったり座れる。リアシートの足下も十分広い
フロントシートは前後スライド、リクライニングはもちろん、運転席はシートリフターも備えてシート高の調整が可能。稼動幅がかなりあるので幅広い体格のドライバーに合わせることができそうだ
運転席にはシートヒーターも標準装備。センターアームコンソールはふた付きの小物入れとなっている。跳ね上げも可能なので、ベンチシート風に使ったり、サイドスルーにも対応する

 シート部分だけでも凝った作りと言えるのだが、質感の高さを目指したクルマはさらに細かい部分にもこだわりがちりばめられてた。そこを順番に紹介していくとまずはメーター部。メーターの文字盤はスポーツのデザインのキーになっている赤色が使われているが、外装やシートのステッチに使う鮮やかな赤ではなくて派手さを抑えた色味を採用。そのため赤色文字盤ながら渋めの印象にもなっていた。

 そのほか室内の装備ではステアリングがレッドステッチ仕上げのMOMO製の革巻きタイプを採用。センターパッド部はメッキ仕上げのMOMOオーナメントが付き、スポーク部はシルバーの加飾プレートを装着する。左側のスポーク部はオーディオ、ナビのコントロール用のスイッチ類を配置する。

ルーフにはサングラスなどを収納するオーバーヘッドコンソールもある。サンバイザーは運転席、助手席ともにミラーを備える
ブラック表皮のシートはインパネの赤い加飾プレートとセット。ホワイトシートを選ぶとピアノブラック加飾プレートとなる
色遣い以外のインテリアデザインは共通で、エアコン操作パネルはピアノブラック仕上げ。シフトセレクターはインパネシフトを採用する。ステアリングの右側にプッシュ式のスターターボタンのほか、衝突回避支援ブレーキ、トラクションコントロール、アイドリングストップといった機能のOFFスイッチを配置。センターコンソールには小物入れと12Vのアクセサリーソケットがある
小物入れは豊富。助手席の前方にオープンタイプのインパネトレイを設定。リッド付きのグローブボックスは車検証や取扱説明書がピッタリ入るサイズ
運転席の右側には固定式のドリンクホルダーもある。エアコン吹き出し口は押し込むようにして開閉させる。吹き出し口を彩るリングはブラックシートでは赤、ホワイトシートではシルバーとなる
運転席側のダッシュボード下に給油口の開閉レバーがある。給油口はボディー右側。レバーの横にある丸いノブはボンネットオープナー。ペダル配置はセンターよりで、左足側のフロアに段差を設けてフットレスト形状としている
ステアリングはMOMO製の革巻き仕様で赤いステッチが入る。ステアリングにはCVTの7速マニュアルモードの変速操作を行うパドルシフトも装備。シフトダウンをすばやく行い、ショックを減らす「ブリッピング制御」も採用する
純正ナビ装着用アップグレードパック(2万1600円高)をオプション装着すると、ステアリングスポークにカーナビやオーディオ類の操作スイッチが追加される
ライト系のスイッチ類とワイパー系のスイッチ類。ヘッドライトはオート機能付き
メーターパネルの文字盤は落ち着いた赤。書体と指針が白になっている。センターにあるマルチインフォメーションディスプレイにはアイドリングストップ時間や平均燃費、航続可能距離などの各種情報を表示。メーター内にあるスイッチを押して表示を切り替える
メーカーオプションの「スマートフォン連携メモリーナビゲーション」(9万7200円高)を装着すると、スマートフォンなどに保存してある音楽などをクルマのスピーカーで再生できる。6.2型ワイドVGAディスプレイ(フリック、ピンチ操作/タッチ式)で、ナビゲーション、VICS FM多重レシーバー機能、CD/DVD再生、ワンセグTV、AM/FMラジオ、ハンズフリー通話などの機能を備える。メモリーナビゲーションを選ぶとHDMI/USB/AUX端子も付くので、さまざまな機材と連携できるようになる
リアシートは左右分割での前後スライドと可倒式バックレストを採用。前後スライドは240mm、バックレストは2段階のリクライニングも設定されている。それぞれの機能を生かしてシートアレンジすることで、ラゲッジスペースをいろいろなバリエ-ションで利用できる。ラゲッジスペースのフロア下にアンダーボックスも用意
KF型の水冷直列3気筒12バルブ DOHCインタークーラーターボエンジン。排気量は0.66リッター。最高出力47kW(64PS)/6400rpm、最大トルク92Nm(9.4kgm)/3200rpm

 続いて走行性能に関する部分。エンジンはほかのキャスト2モデルに設定されている自然吸気エンジンはラインアップされず、KF型の直列3気筒DOHC 0.66リッターインタークーラーターボエンジンと7速マニュアルモードを備えるCVTの組み合わせ1種類で、エンジンは最高出力47kW(64PS)/6400rpm、最大トルク92Nm(9.4kgm)/3200rpmを発生。駆動方式は2WD(FF)と4WDが用意され、2WDが162万円、4WDが174万4200円となる。

 吸入する空気を冷やすためのインタークーラーを備えており、装着場所はエンジン上部。ただ、ボンネット上に外気を導入するダクトは見当たらない。実はフロントグリル内にインタークーラー用の走行風吸気口が設けてあり、そこから導入した外気はボンネット裏に設定されたダクトを通過してインタークーラーまでダイレクトに導かれるようになっている。

インタークーラー用のダクトはグリル内にあり、ボンネット裏にあるダクトを通過して直接インタークーラーまで送られる
安全装備としては衝突回避支援システム「スマートアシストII」を標準装備。衝突回避支援ブレーキ、衝突警報機能、車線逸脱警報機能、前後方向の誤発進抑制機能などを、フロントグリルのレーザーレーダー、フロントウインドー内側の単眼カメラなどによって機能させる
タイヤの16インチ化とハイグリップ化に合わせ、減衰力特性とスプリングレートを変更したスポーティサスペンションを標準装着

 ホイールは2WD車に16インチ、4WD車に15インチのアルミホイールを採用。タイヤは横浜ゴムのアドバン A10(165/50 R16)が標準装備され、2WD車のみにブリヂストンのポテンザ RE050A(165/50 R16)というハイグリップタイヤがメーカーオプション設定される。

 2WD車はシリーズ唯一のタイヤサイズ&ハイグリップタイヤをカバーするキャスト スポーツ専用のスポーティサスペンションが標準装着されている。このスポーティサスペンションは16インチのスポーティタイヤ(アドバン A10を含む)を履くことによるステアリングレスポンスの向上や、グリップ力アップとマッチングするようショックアブソーバーの減衰力特性とスプリングのレートを変更し、ロール剛性を高めた仕様となっている。

キャスト スポーツの標準タイヤは横浜ゴム。16インチホイールは2WD車専用で、4WD車は15インチになる
16インチのハイグリップタイヤを選んだ場合、タイヤサイズは同一ながらアルミホイールデザインが変更になる。2万1600円高のメーカーオプションで2WD車のみに設定

(深田昌之)