写真で見るアウディ「A5スポーツバック」


 ワゴンのように荷物をたくさん積めて、セダンのように快適で、スポーツカーのようにカッコよくて、よく走るクルマ。それがアウディ「A5スポーツバック」だ。クルマに限らず、あれもこれもと欲張った製品は、どっちつかずになりがちなものだがA5スポーツバックは、スタイル、実用性、性能のすべてを揃えることに成功してしまった。本国ではアウディ100周年記念式典で、日本では2010年最初の新車として披露されたことからも、このクルマにかけるアウディの熱意と自信が感じられる。

 A5スポーツバックは、同じDセグメントに属するセダン「A4」と似たディメンションを持つが、A4よりも5mm長く、30mm広く、50mm低い。ワイド&ローの安定感のあるプロポーションに、後方へ向かってなだらかに下がるルーフラインと、ファストバックのリアセクションを組み合わせ、スポーティかつエレガントなスタイルを実現している。

 一方で、パッセンジャールームに入っても、低くなったルーフの影響は感じられない。天地方向に押しつぶされたサイドウィンドーを見て、やっとこのクルマの車高について思い出すといった具合だ。A4と同じように、4人が快適に移動できる空間が確保されている。さらにラゲッジルームは開口部の大きなリアハッチを得て使い勝手がよくなり、容量は通常で480L、リアシートをたためば980Lに及ぶ。

 日本に導入されるのは、2リッター 直列4気筒 DOHC 直噴ターボエンジンと7速デュアルクラッチトランスミッション「Sトロニック」、4WDシステム「クワトロ」を組み合わせた「2.0 TFSI quattro」のみ。A4、A5クーペでも定評のあるパワフルで扱い易いパワートレーンだ。

 価格は575万円。

ボディー前半だけを見るとA4のようだが、後方へなだらかに下がっていくルーフラインがA5 スポーツバックのアイデンティティ。撮影車両のボディーカラーはアイビスホワイト

 

最近のアウディでおなじみの、凝った造形のヘッドライトクラスター。LEDウイングランプの形状はモデルごとにことなるが、A5ファミリーは外側を跳ね上げた形状。高速道路でこの形のウイングランプが迫ってくると、すぐA5と分かる。フォグランプは標準装備テールランプもLED
サイドミラーはターンシグナルランプ内蔵標準のタイヤは245/40 R18だが、撮影車両はオプションの19インチ5アームYスタイリングアルミホイール(14万円)を履いていた。タイヤサイズは255/35 R19アンテナとGPSレシーバー類はルーフ上のシャークフィンにまとめられている

 

こちらはS-lineパッケージ装着車。専用の前後バンパーとサイドシル、スポーツサスペンション、18インチホイール、本革内装、マットアルミニウムのトリムパネルなどを備える。ボディーカラーはガーネットレッド・パールエフェクト

 

エンジンルーム。2リッターの直列4気筒直噴ターボエンジンをフロントアクスル上に縦置きする

 

アイビスホワイトの車両の内装。本革シートの色はシナモン。トリムはマットアルミニウム
ステアリングホイールにはオーディオコントロールとハンズフリーのリモコンスイッチを装備する。またステアリング裏側にシフトパドルも装備
中央に「DIS」(ドライバーインフォメーションシステム)のディスプレイを備えたメーターパネル。DISには走行距離や燃費情報、オーディオ情報(曲名や周波数)、カーナビと連動したナビゲーション指示が表示される
トランスミッションは7速デュアルクラッチAT「Sトロニック」。シーケンシャルシフトモードを備える。エンジンスターターはプッシュスイッチインストゥルメントパネル右のライトコントロールダイヤルステアリングコラムはチルト&テレスコピック調整可能
助手席グローブボックスにはETC車載器とCDチェンジャー、iPodインターフェイスが詰め込まれているが、車検証とマニュアルもちゃんと入るエアコンのコントロールパネルの上は、オプションの「アウディ・ドライブ・セレクト」(32万円)と「アウディ・パーキング・システム」(22万円)のスイッチ。エンジン特性やトランスミッション、サスペンションなどの特性を好みに設定できるアダプティブ・クルーズ・コントロールとセットでオプションの「サイド・アシスト」(32万円)。車線変更時に死角に車両がいると、インジケーターランプなどで警告する
センターコンソールボックス内にアクセサリーソケットを備える
ルームライトコントロールにはサングラスホルダーを装備。電動ガラスサンルーフは22万円のオプション
「バング&オルフセンサウンドシステム」は15万円のオプション
リアシートは2人掛け。収納式のアームレストにはカップホルダーが内蔵されている。センターコンソール後部にエアコンの吹き出し口とアクセサリーソケットを備える。ラゲッジスペースの詳細は後述

 

シフトレバーの後ろにあるMMIのコントローラー。カーナビ、オーディオなどを統合したMMIは標準装備される
MMIではカーナビやオーディオのコントロールだけでなく、細かい車両設定ができる
Bluetoothによるハンズフリー通話システムも搭載。携帯電話内の電話帳にもアクセスできる

 

ラゲッジスペースのトノカバーは、ボディー側とハッチ側で構成される2分割式。どちらも外すことができる
リアシートは4:6の分割可倒式。座面をはね上げないシングルフォールディングタイプだが、シートバックを倒しただけでほぼフラットになる
ラゲッジスペース下のテンパータイヤ地上デジタルチューナーなどはラゲッジスペース脇に搭載

 


【お詫びと訂正】記事初出時、リアシートは3人掛けという表現がありましたが、正しくは2人掛けで定員は4名でした。お詫びして訂正させていただきます。

(安田 剛 / Photo:編集部:田中真一郎)
2010年 2月 22日