写真で見るBMW「アクティブハイブリッド7」


 1977年に初代モデルが誕生した7シリーズ。以降、BMWのフラッグシップシリーズとして位置づけられ、ラグジュアリー&パフォーマンスなモデルがリリースされてきた。そして、昨年3月に5世代目としてデビューしたのが、「EfficientDynamics(エフィシエント・ダイナミクス)」を理念に生まれた新7シリーズ。これは「より少ないエネルギーで、より高い性能の実現」を目指したもので、高効率のトランスミッションやインテリジェント軽量ボディー、ブレーキエネルギー回生システムなどの採用により、燃料消費率の削減を実現している。

 そして同10月に追加モデルとして発表されたのが「アクティブハイブリッド7」だ。これはガソリンエンジンとモーターを組み合わせたBMW初となるハイブリッドシステムを搭載しており、「EfficientDynamics」をさらに一歩進めたものといえる。

 7シリーズ用のパワーユニットは3リッターの直列6気筒、4.4リッターのV型8気筒、6リッターのV型12気筒と3種類用意されているが、この新しいハイブリッドシステムに組み合わされるのは4.4リッター+ツインターボのV型8気筒ユニット。最高出力449PS、最大トルク66.3kgmと、エンジン単体でも相当に強力なスペックを誇る。

 そこに組み合わされるモーターは最高出力20PS、最大トルク16.3kgmと、数値だけ見ると控えめな印象だが、システム全体の合計で見れば465PS/71.4kgmのモンスタースペック。2.1tを超える大柄なボディーをわずか4.9秒で100km/hまで加速させてしまうハイパフォーマンスぶりを発揮する。

 同時にアイドリングストップを行うことでCO2の削減と燃費向上を実現する「ハイブリッド・スタート/ストップ機能」も搭載。10・15モード燃費は同じV型8気筒ユニットを搭載する750i/750iLの6.6km/Lに対し、9.3km/Lと大きく上回る省燃費性能を獲得している。

 ラインアップはロングホイールベース仕様の「Active Hybrid 7 L」のみ。価格は1420万円。

エクステリアはほかの7シリーズと変わらない。ロングホイールベースモデルのため5212×1902×1490mm(全長×全幅×全高)と迫力のあるサイズタイヤはフロントが245/45 R19、リアが275/40 R19で760iLと同サイズを装着。タイヤ空気圧警告システムも備える。ホイールは専用デザインだ
外観上の判別点となる専用バッジはCピラーとトランクリッドの2カ所に装着されるエンジンルームに収まるV型8気筒4.4リッターツインターボユニット。モーターはトランスミッション部分に装着されるため、ボンネットを開けただけではごく普通のガソリンエンジン車に見える
トランクルームに収まるリチウムイオン・バッテリー。容量約40L、重量約27kgの小型軽量設計のため、トランクスペースは460Lが確保されている4.4リッターもの排気量を持ちながら「エコカー減税」および「自動車グリーン税制」による免/減税が受けられる。取得税と重量税は100%免税、自動車税は50%減税で最大約97万円の優遇が受けられる
インテリアは7シリーズならではのラグジュアリーなもの。ステアリングは左のみの設定タコメーター下には瞬間燃費計を配置。右側にはバッテリーのインジケーターが見えるが、バッテリーのみでの走行はできない
各種情報の表示が可能な10.2インチワイドディスプレイ。オーナーズ・ハンドブックなど従来の機能に加え、ハイブリッド専用項目を追加。走行状態や回生システムによる充電状態などのチェックが可能だ
装備の充実度も7シリーズならでは。停車中でも電力の供給が可能なハイブリッド車の特性を活かし、車外からでもエアコンの起動が可能なBMW初の機能「リモート・クライメート・コントロール」も搭載サイドシルのプレートは「Active Hybrid 7」のロゴが入った専用タイプ

(安田 剛 / )
2010年 8月 12日