写真で見るフェラーリ「458イタリア」


 フェラーリ「458イタリア」は、2009年7月に発表された、F430後継となるV8ミッドシップの2シータースポーツカー。車名の458は、4.5リッターV型8気筒エンジンに由来する。

 それまでのF430からはボディーデザインも一新され、エンジンにはフェラーリ初の直噴エンジンとなる、新設計の4499cc 90度V型8気筒のドライサンプエンジンが搭載された。吸気側と排気側には、連続可変バルブタイミング機構が備えられ、4種類の異なるバルブ特性を使い分けることで、全回転域で最適なトルクを発生すると言う。圧縮比は12.5:1で、最高出力は570CV(CV=cheval-vapeur:フランスでの税法上の馬力のこと。425kW、約578PS。ただし7CV程度は走行時のラム圧効果による)、最大トルクは540Nmを発生。低回転域で最大5%のトルク増を達成し、3250rpmでその80%を発生する。

 トランスミッションには、7速F1デュアルクラッチギアボックスを採用、同様のシステムを採用したフェラーリ・カリフォルニアよりも反応時間を短縮したほか、V8エンジンの出力とトルク曲線にマッチし、低回転から高トルクを発生する。

 フロントサスペンションは、新開発されたダブルウィッシュボーン方式が採用され、L字型デザインのロアアームにより、縦方向の柔軟性や路面の凹凸による衝撃の吸収やサスペンションノイズも低減していると言う。また、ボディー、リアのマルチリンクサスペンションや専用タイヤで横剛性を強化し、縦方向の剛性をF430比35%向上することでステアフィールを向上。ステアリングギヤ比もF430(16.9)の30%減の11.9とすることで、よりダイレクトなステアフィールとした。

 ショックアブソーバーシステムには、第2世代の磁性流体を採用し、同システムを最初に採用した「599」に比べ、入力時間が50%減少したECUにより、ダンピングフォース発生までの時間を8ms(599は15ms)に短縮、ダンパー内の内部フリクションも低減し、より緻密なコントロールが可能になったと言う。ブレーキにはカーボンセラミックブレーキを採用、フロントには6ピストン、リアには4ピストンのアルミキャリパーを備える。

 さらに電子装備では新たな電子制御ディファレンシャル「E-Diff 3」と、トラクションコントロールシステム「F1-Trac」を統合制御するECUを搭載、ABSとの統合制御も行うハイグリップ路面用のセットアップ「パワー・オン・ストラテジー」が新たに搭載されている。E-Diff 3は旧バージョンと比較してコーナー出口でより多くのトルクを供給し(スポーツ、レース、CTオフ、CSTオフの場合)、フィオラノテストコースで1分25秒の最速ラップタイムを記録している。

 シャーシも全面的に新設計され、航空業界用に新たに開発された合金を採用、運動性能とハンドリング向上のため軽量化しつつ、ねじれ剛性でF430比15%、ビーム剛性は5%向上した。

 スタイリングはピニンファリーナによるデザイン。ボディー前端左右には、弾力素材のウイングレットを備え、低速時にはボディー下部に空気を流しダウンフォースを発生させ、高速時には変形してラジエターインテーク部を縮小して空気抵抗を軽減する。ボディー設計にはCFD(数値流体力学)技術などが採用され、空力効率は1.09、空気抵抗係数Cd値0.33、ダウンフォースはCL値0.36を実現した。200km/h時で140kg、トップスピードで360kg超のダウンフォースを発生する。

 車体のサイズは、4527×1937×1213mm(全長×全幅×全高)、重量は1380kg。最高速度は325km/h以上。ボディーカラーはソッドカラー7色、メタリックカラーが9色、50's 60'sカラー10色が用意される。今回の撮影に使用した車両のボディーカラーはソリッドカラーのGiallo Modena、ホイールは20インチ鍛造スポーツが装着される。価格は2830万円

360、F430とは大きく異なるデザイン。フロント下部に見える弾性ウイングレットがアクセントになっている。MRでありながら、それまでのMRモデルとは異なり、ボディーサイドには(サイドウインドー後端を除き)エアインレットがない

 

縦長の2灯式ヘッドライトが特徴的なフロントマスクライトを挟むようにしてエアインレットとアウトレットがレイアウトされるボンネット上に装着されるフェラーリエンブレム
エアインテーク内の跳ね馬のエンブレムは日本ではナンバープレートの裏に隠れてしまうエアインテークに設置された弾性ウイングレット。中央側のみが固定されており、走行風圧で変形するボンネットフードは一般的な形状
フロントトランクには、ボディーカバーや車載工具、パンク修理キットなどが収められる幅は狭いが高さがあるので大きな荷物も収められそうだ車載工具。フェラーリロゴ入りの軍手も含まれる
ロゴ入りケースに収納されるエアゲージ付きのパンク修理キットワイパーはフラット式フェンダー部に大きくレイアウトされたロゴ。下にはシンプルなウインカーが見える
ボディーから突き出たドアミラー。視認性はいい非常にシンプルなドアノブとキーシリンダー
サイドウインドー後端にあるエアインレットボディーサイドにはデザインを担当したピニンファリーナのロゴがレイアウトされる
リアウインドーからエンジンが見えるウインドー左右はメッシュになっているウインドー内に収められたV型8気筒エンジン。エンジン上部にエアチャンバーは赤く塗られている
特徴的なリアビューエンジンフードにはフェラーリロゴ。ボディー埋め込みのハイマウントストップランプも備える360、F430 では4灯だったリアコンビネーションランプは2灯になった。F430よりさらにボディーからはみ出たデザインとなっている
リア中央には跳ね馬のエンブレムがあしらわれるリアのアクセントともなっているディフューザー。ディフューザーの上はメッシュになっており、マフラーの一部が見えるセンター3本出しマフラー。中央のみパイプの径が絞られている
ホイールは4種類から選択できる。写真のホイールは鍛造スポーツ。サイズは20インチ。タイヤはミシュランパイロットスポーツでタイヤサイズはフロントが235/35 ZR20、リアが295/35 ZR20。ブレーキシステムはもちろんブレンボ製で、ブレーキディスクはカーボンコンポジット製。ブレーキキャリパーはフロントが6ピストン、リアは4ピストン

 

ヘッドライトにはLEDデイライトが内蔵される。左から、ロービーム点灯時、ハイビーム点灯、ウインカー点灯時。ウインカーもLED
リアコンビネーションランプもLED。左から、ポジション点灯時、ブレーキ時、ウインカー点灯時
ハイマウントストップランプも備えるディフューザー部の左右にはリアフォグも備える

 

ドア開口部。ドアの内張はレザー製。ボディーカラーに合わせたステッチが施される。内装色やステッチ色はカスタマイズ可能ドアハンドルは上部に引き上げるタイプ。小型のドアポケットを備えるドアポケット内には発煙筒が収納されていた
シート形状は4タイプから選択できる。これはスタンダードサイドシルのアルミプレートにはフェラーリロゴがエンボス加工されている
サイドシル部にはエンジンルームのオープナースイッチがある電動シートスイッチ
F1を彷彿とさせるたくさんのスイッチを備えたD形状のステアリングホイール。左右の矢印のボタンはウインカーステアリング上部にはシフトインジケーターLEDを備える
メーターレイアウト。中央にアナログのタコメーター。左右には各種情報を表示できる液晶モニターを備える。また右側モニターはナビゲーション表示機能も備えるタコメーターは9000rpmからレッドゾーンで10000rpmスケール。シフトポジションが表示できるディスプレイも備える夜間表示モード
ステアリング部の左側スイッチ類。上からウインカースイッチ、ロー/ハイビーム切り替え、サスペンションセッティングスイッチ、エンジンスタートボタン右側スイッチは上から、ウインカースイッチ、ワイパースイッチ、車両の挙動を切り替える「マネッティーノ」スイッチ
シフトパドルはカーボン製。左側がシフトダウン用で、右側がシフトアップ用ステアリング裏にも左右にスイッチが備えられている。これはオーディオコントロール用ステアリングコラム根本にある電動チルト/テレスコ用スイッチ
ステアリング左下の左側メーター操作用スイッチ。「VDA」は458から新設され、車両の状態を総合判断してドライバーにコンディションを警告するさらに下には左右の電動ミラー操作用スイッチと、ヘッドライトスイッチが用意される最下段にはオートパークとパーキングスイッチがある。パーキングスイッチは引くとパーキング、押すと解除
キーシリンダーはオーソドックスなタイプで、エンジン始動には必ずキーを差し込む必要があるステアリング右側には右側メーターの操作スイッチとボリュームノブがレイアウトされる
ペダルはアルミのレーシーなものサイドシル内側にボンネットと給油口のオープンスイッチがある
ダッシュボード上には458 ITALIAのロゴグローブボックス開口部。内部にはiPod接続用ケーブルと、USB端子が用意されるほか、DVDスロットとETC車載器がある
ルーフ部にはマップランプなどのほか、パーキングアシストスイッチや、ドアのロックスイッチ、つり上げ警報の解除スイッチがレイアウトされるルームミラーは自動防眩タイプ。左上に見えるのはETCの受信部
サンバイザーも本革製。非常にシンプルなデザインセンターコンソールに備えられたデュアルエアコンの操作部エアコン操作部の真下に位置するドリンクホルダー。奥行きの異なる2つが用意される
カーボンが目を引くセンターコンソール。上部に見えるのはギヤの操作スイッチ。オートとバックのほかにローンチコントロールボタンを備える。ハザードランプの下はウインドー開閉ボタンセンターコンソール後部にあるのがグローブボックスオープンボタン。その後はトレー状になっているトレーは途中で仕切られており、その中にシガーソケットが用意される
エンジンルームを覗き込むリアウインドー助手席側から見たインテリア
真っ赤なカバーのついたキーはリモコンでドアの施錠・解錠ができるほか、トランクのオープンスイッチも備える。裏面には跳ね馬がレイアウトされる
左側の液晶モニター表示バリエーション。サスペンションセッティングや油圧、油温など車両の各種情報をモニターできる右側モニターではオーディオのほか、スピードメーターの表示も可能

 


写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(平 雅彦(WINDY Co.)/Photo:礒村浩一)
2010年 12月 13日