写真で見るポルシェ「911ターボカブリオレ」


 ポルシェ「911ターボ カブリオレ」は、3.8リッターターボエンジンを搭載したモデルに、ソフトトップを装備したオープンスポーツカー。水冷エンジンを搭載した911シリーズとしては、996型に続く2世代目で、997型と呼ばれる。外観では996型でティアドロップ形状になったヘッドライトが、元の丸形に戻されている。

 ターボモデル特有の外観の特徴は、フロントのデイタイムランニングライトの上まで拡張されたエアインレットや、リアフェンダーに設けられたインタークーラー冷却用のエアインレット、リアバンパーに設けられたエアアウトレット、可変式の大型リアウイングなど。リアには「turbo」ロゴが備えられる。

 エンジンはポルシェのトレードマークといえる水平対向6気筒DOHC。3.8リッターのオールアルミエンジンで、直噴システムを備え、3200rpmまでの低回転時には燃料を2回に分けて噴射、冷間始動時には燃料を3回に分けて噴射する機構を備える。圧縮比は9.8:1。911ターボ カブリオレでは、そのエンジンに可変タービンジオメトリー(VTG)を2基備えたツインターボチャージャーとし、最高出力は500PS(390kW)、最大トルクは700N・mを発生する。さらに高出力化した530PSの911ターボS カブリオレも用意される。

 トランスミッションは、カブリオレモデルではデュアルクラッチを採用した7速2ペダルMTのポルシェ・ドッペルクップルング(PDK)のみ。クローズドボディモデルでは6速MTも用意される。

 ターボモデルの駆動方式は4WDのみとなる。これに、ポルシェ・トラクション・マネージメントシステムを組み合わせ、電子制御式マルチプレートクラッチ、オートマチック・ブレーキ・ディファレンシャル(AMD)、アンチ・スリップ・コントロール(ASR)を統合制御する。最高速度は315km/hとクローズドボディモデルと同じで、スポーツ・プラスモードのローンチコントロール作動時の0-100km/h加速は、クローズボディモデルの3.3秒よりやや遅い3.7秒となっている。

 車体のサイズは4450×1850×1300mm(全長×全幅×全高)。ボディカラーはスタンダードカラーとメタリックカラーを合わせて全12色が用意される。今回の撮影に使用した車両のボディカラーはやや落ち着いた色合いのルビーレッドメタリック。価格は2273万円。

911特有の丸みを帯びたどこか優しいデザインだが、大型化されたフロント開口部や、リア回りの大型ダクトやリアウイングがターボモデルであることを主張する。

 

ソフトトップの電動オープンのようす。ピラーへのルーフのロックは自動的に行われるので、操作に必要なのは開閉スイッチの押下のみ。左右窓の開閉も自動的に行われ、窓が閉じた状態から始めれば、最後に窓が閉じた状態で終了する。開閉時間は約20秒
ライト部が盛り上がったポルシェ911独特のフロントマスク。ポジションランプはフロントの開口部の中に浮くようなデザインでレイアウトされるボンネットフードに装着される盾型のポルシェエンブレムフロント下部には、ターボモデルのみにリップスポイラーが装着される
右に見えるのが6連のLEDデイライトを備える。外側はウェルカムホームライトワイパーはオーソドックスなトーナメント式サイドミラーは固定式
ターボモデルのボディサイドには大型のエアインレットが設けられるリアバンパー内に埋め込まれるようにレイアウトされたマフラーエンドの横には、エアアウトレットも設けられているリアにはポルシェエンブレムはなく、turboロゴだけが装着される
左がリアウイング収納状態、右が展開状態。車速が120km/hで展開、60km/hで格納されるほか、手動での展開や格納も可能
フロントのタイヤサイズは235/35ZR 19、リアは305/30ZR 19。ホイールは19インチ911ターボIIホイールが装着される。ブレーキキャリパーはフロントが6ピストン、リアが4ピストン。オプションでポルシェ・セラミックコンポジット・ブレーキ(PCCB)が用意される(ターボSには標準装備)
ライト点灯パターン。左上から消灯、スモール点灯時、ロービーム点灯時、ハイビーム点灯時、ウインカー点灯時
リアコンビネーションランプ点灯パターン。左上から消灯時、スモール点灯、ブレーキ時、ウインカー点灯時、バックフォグ点灯時
フロントトランク開口時。開口部は小さいが深さはあり容量は105L。ルーフオープン時に風の巻き込みや風切り音を抑えるウィンドウディフレクターが収納されている
リアに搭載されるエンジン。手前に巨大なエアフィルターが見えるほか、フード上部には電動ファンが設置されている

 

インテリアはレザー仕上げ。フロントシートはバケットタイプドア開口部。ピラーレスで、ドア下部のみバックスキンが使用されているスイッチ部。特徴的なドアノブにウィンドウスイッチが並ぶ
スピーカーシステムはBOSE製。シートポジションは3パターン記録できるフタのついたドアポケット。容量は少なめドアステップ部には「turbo」ロゴがあしらわれる。内側にはトランクとエンジンフードのオープンボタンが用意される
シートポジションは電動。シートサイドにスイッチが設けられるドアステップ助手席側。ちょうど折りたたみ傘が入るくらいの小物入れが用意される
フロントシートのヘッドレスト部にはポルシェエンブレムがエンボス加工されるフロントシートの可倒スイッチはショルバー部に設けられるシート背面にはフックが設けられる
リアシート。センタートンネルが大きくシートバックがほぼ垂直のため居住性はよくないシートバックは上半分が倒れる構造リアシート後部には緊急時に自動的に展開されるロールオーバー・バーが収納されている
フロントのトランクに収納されるウィンドウディフレクター。専用ケースに入っているウィンドウディフレクター展開時ウィンドウディフレクター装着時。装着は1人でも簡単に行える

 

5連メーターが特徴的なインストルメントパネル。ステアリングも内装カラーに合わせられる中央がタコメーターで8000rpmスケール。メーター下部の液晶にはデジタルでスピードも表示される。その左は180度で350km/hスケールのスピードメータステアリングホイール左右にはシフト用スイッチを備える。表から押すとシフトアップ、裏から押すとシフトダウン
左側には上にウインカーレバー、下にはメーター内の液晶モニター表示切り替えレバーが並ぶ。右側にはワイパーレバーがあるステアリングハンドル下にはチルト、テレスコピックレバーが用意される
非常にシンプルな足下。左の黒い部分はフットレスト。右はバッテリ切れの時にトランクフードを開けるためのレバーが収納されるステアリング右側には、キーシリンダーとヘッドライトスイッチが用意される
ルームミラーは自動防眩タイプルームランプ部にルーフのロック機構も備えているサンバイザー裏のバニティミラーは、カバーを開けると左右の照明が点灯する
オプションのスポーツクロノパッケージ・ターボに含まれるデジタル・アナログのストップウォッチがダッシュボード中央にレイアウトされるセンターコンソール上部のエアコン吹き出し口中央にはハザードスイッチと、ドアロックスイッチを備える
標準搭載されるクラリオンのHDDカーナビ液晶部を開けたところ。DVD/CDのほか、SDメモリーカードにも対応する。各種規格のロゴが見える
カーナビの各種設定画面
カーナビの下にはエアコン操作部、その下にはスポーツクロノパッケージ・ターボのスポーツモードボタンやサスペンションセッティング、リアウイングの手動開閉、横滑り防止機構PSMのオフボタンが用意されるPDK(ポルシェドッペルクップルング)のシフトレバー。マニュアルモードも備える
最近珍しい装備となった灰皿と、シガーソケット灰皿とシフトレバーに挟まれるようにレイアウトされるルーフの開閉スイッチ。ともに押している間だけ動作するシフトレバー後部には2室に別れた小さな小物入れがあり、内部にはシガーソケットも用意される
キーは内溝タイプ。表面にはエンブレム、裏面には施錠・解錠ボタンと、トランク、エンジンルームオープンボタンも備える
ドリンクホルダーの展開パターン。ホルダーはエアコン吹き出し口前に出るようになっている
グローブボックス開口部。ペンホルダーと、ETC車載機が上部に設置される
メーター内のインフォメーションディスプレイの表示

 


写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(平 雅彦(WINDY Co.)/Photo:礒村浩一)
2010年 12月 16日