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写真で見る日産「シルフィ」

 日産自動車の「シルフィ」は、同社のベストセラー「ブルーバード」の流れを汲むミドルクラスのセダンだ。先代モデルまではそれを表すようにブルーバードの名称が付けられていたが、今回のモデルチェンジにより独立したブランドとなった。これは先に発表された「ラティオ」「ノート」と同様、世界120カ国で販売されるグローバルモデルということを意識し、名称の統一を図ったものだ。ただ、生産は海外ではなく「リーフ」と同じ追浜工場で行われる。

 開発コンセプトは「上質とくつろぎの本格派ジャストサイズセダン」。日本ではセダンを購入するユーザーは次もセダンを選ぶ傾向が強いことから、セダンならではの美しさ、そして高い快適性を特に重視したパッケージングを採用。従来、5ナンバー枠に収まっていたボディーは全長と全幅が5mm、65mmとそれぞれアップしたほか、全高は逆に15mmダウン。ロー&ワイドでゆったりとしたスタイリッシュなフォルムは、見た目だけでなくCd値においても0.29という数値を実現しているというからオドロキだ。

 もちろん、ボディーの大型化は居住性にも寄与する。ワイド化によって横方向の余裕が生まれたのに加え、「ティアナ」以上となる後席ニースペースが確保されているのが特長だ。さらにシートについても、リアシートのタイヤハウス張り出し部分の形状を見直すなど着座面積を拡大するとともに、全高ダウンへの対応としてヒップポイントが前席14mm、後席10mm下げられている。また、ボディー剛性アップや遮音材の最適化などにより静粛性も向上しており、後席におけるくつろぎ感や快適性は先代モデルより大幅に向上したと言ってよい。

 パワーユニットに関しては先代の直列4気筒1.5リッター&2.0リッターの2ラインから、1.8リッターのみへと一本化。新開発となる直列4気筒の「MRA8DE」ユニットはロングストローク化、燃焼効率および吸排気効率の向上、フリクションの低減などを実施。燃料はレギュラーガソリン仕様で最高出力96kW(131PS)/6000rpm、最大トルク174Nm(17.7kgm)/3600rpmを発生する。トランスミッションはノートと同じエクストロニックCVTを採用するが、変速比を6.0から7.3へと拡大。低速~高速域までよりスムーズなフィーリングを実現している。駆動方式は2WD(FF)のみでアイドリングストップ機構は搭載されないものの、燃費は先代モデルより16%向上し、JC08モード燃費で15.6km/Lとなる。

 グレードは「S」「X」「G」の3タイプ。グレード間で外観の違いはごくわずかにとどまり、装備面の充実度が主な差となる。ボディーカラーは全6色で、インテリアカラーはブラックとフェザーグレーの2種類が設定される。価格は193万7250円~238万9800円。

 撮影車両のグレードはGで、ボディーカラーはイメージカラーとなる「ディープアイリスグレー」。ディーラーオプション装備としてカーナビやETCユニット、バックビューカメラなどがセットになった「あんしんサポートパッケージI」が装着されている。

ボディーサイズは4615×1760×1495mm(全長×全幅×全高)。フロントフェンダーからリアコンビランプへのキャラクターラインなど、上級モデルの「フーガ」にも似た印象を受ける
立体的な造形で高級感のあるフロントグリル
バンパー下やタイヤ前などにエアディフレクターを装備。こうした細かな積み重ねでCd値0.29を実現している
ウインカー内蔵のドアミラーはXとGに標準。ドアロック連動格納機構も備わる
XとGにはインテリジェントキーを装備。ドアハンドルにはロック/アンロック用の「リクエストスイッチ」が付く
ガソリンは無鉛レギュラー仕様。タンク容量は52L
ボリューム感のあるフロントに対してトランクはコンパクトにまとめられている。撮影車のボディーカラーはサファイアブラック
電磁式トランクオープナーとインテリジェントキーが標準だが、キーシリンダーも用意されている
エンブレムはグレードを示すモノはなく車名のみ装着
Gグレードのみプロジェクタータイプのキセノンヘッドランプ(ロービーム)が標準。LEDが並ぶポジションランプは全車共通
バンパービルトインのフォグランプは全グレードに標準装備
ヘッドランプの点灯パターン
リアコンビランプの点灯パターン。リアコンビランプはサイドを張り出すなど空力を考慮した形状。トランクリッド部分と一体化したデザインだが、ランプが配置されているのは外側だけ
新開発の直列4気筒DOHC 1.8リッターユニット「MRA8DE」。アイドリングストップ機構は装備されないが、燃費は先代の2.0リッターユニットより大幅に向上
アイドリングストップ機構はつかないためバッテリーは通常タイプ
マフラーエンドは路面側にオフセットした形状
Gグレードのみ195/60 R16タイヤ&アルミホイールの組み合わせが標準。それ以外は195/65 R14タイヤ&スチールホイールになる
日本仕様のイメージカラーとなるフェザーグレーのインパネ。継ぎ目のない一体成形のパネルとソフト素材を使った仕上がりは見た目にも柔らかいイメージ
こちらはブラックの内装色。グッとシックな雰囲気になる
XとGのステアリングは本革巻きタイプ。チルト&テレスコピック機構は全グレード標準装備だ
パーツの合わせ目なども段差が少なくなるよう配慮されている
シフトゲートはストレートタイプ
XとGにはプッシュ式エンジンスターターを装備
視認性のよいファインビジョンメーターを全車に標準装備。中央のディスプレイには「ECOモードインジケーター」「エコペダルガイド」「燃費表示」「外気温時計」などが表示可能
インパネ右側上部にはドアミラー関連のスイッチを配置
インパネ右側下部にはECOモードやトランクオープナーなどのスイッチ
XとGには左右独立温度調整機能を備えたフルオートエアコンを標準装備。Sはマニュアルエアコンとなる
全グレードオーディオレス仕様。写真はディーラーオプションの2DIN一体型カーナビ
バックビューモニターは純正カーナビ装着車用オプション
「あんしんサポートパッケージI」に含まれるフロントサイドビューモニターはナンバーフレーム下部にカメラが付く
映像は「ワイド」「左右」「トップ」と切り替えが可能
インパネ下部にはアッシュトレイとシガーソケット。最近のクルマでは珍しく標準装備となっている
サイドブレーキ横にはスライド式のカバーを備えたカップホルダーを装備
センターコンソールはアームレストを兼用する収納を用意
Gグレードのグローブボックスは内部で2段に分割され、ダンパーも備わるなど上級グレードならではの構造
サンバイザー裏には運転席、助手席ともバニティミラーを装備。Gグレードには照明も備わる
ルーフ中央にはLEDマップランプとサングラスホルダーを用意
Gグレードのシート表皮はスエードとファブリックのコンビネーションタイプで高級感のある仕上がり
運転席はシートリフターで座面の高さを変更可能
運転席ドアパネル。内装色によってイメージがかなり変わる
アームレストにはパワーウインドースイッチ。オートは運転席のみとなる
3人掛けとなるリアシート。写真の通り足下のスペースはかなり広い
中央部にはアームレストを装備。トランクスルー使用時は仕切り板がカバーになる構造
リアのドアパネル。下部にはカップホルダーが備わる
9インチのゴルフバックがすっぽり収まる広々としたトランクルーム
トランクスルー機構が用意されているため長尺物の積み込みも可能
トランク下にはスペアタイヤやジャッキなどのツールを用意

(安田 剛)