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写真で見るメルセデス・ベンツ「CLAクラス」

 メルセデス・ベンツの新車種「CLAクラス」。メルセデス・ベンツ日本では、このCLAクラスの位置づけを今までメルセデス・ベンツを所有したことのない層に向けた新車種としており、その狙いどおり新規ユーザーに大変好評と聞く。車両自体は新型Aクラスを4ドアクーペ化したもの、と言ってよいもので、前輪駆動のパワートレーンをはじめメカニズムに共通点が多いクルマだ。

 Aクラスがベースということもあり、フロントのダッシュボードからフロアコンソールまでデザインは共通。装備による素材の違いはあるものの、特徴的なジェット機のエンジンをモチーフとしたエアアウトレットなどはそのまま踏襲している。

 しかし、エクステリアはAクラスと似ている部分もあるものの、大きく異なっている。4ドアクーペボディーということで、なだらかに下がるルーフからテールエンドまでのラインやドアのプレスラインは長さを演出し、4ドアクーペを強く印象付けている。フロントまわりではヘッドライトのボトムラインを波打たせ、Aクラスよりも力強さを与えるほか、グリルのフィンも横1本とするなど、細かく差別化が行われている。

 4ドアクーペのとしての演出は、ドアがサッシュレスということも見逃せない。国産車では4ドアに限らずともサッシュレスは絶滅危惧種で、ドアを開いた際のスタイリッシュさとともに、ある年代の人にとってはノスタルジーも感じさせてくれるだろう。

 CLAクラスの特徴でもあるテールエンドは、LEDによるテールライトによって印象付けている。他のクラスとは異なるデザインで点灯し、夜ならひと目でCLAと分かる。よく見ればテールエンドの長さは決して長くないが、リアシートから続くラインで長さを演出、見た目のバランスをうまくとっている。

 パワートレーンはAクラスと基本的に同じで、パワーユニットはすべて直列4気筒DOHC 直噴ターボ、トランスミッションは7速DCTで基本は前輪駆動という点も共通。排気量はCLA 180が1.6リッターで最高出力122PS、最大トルク200Nm。それ以外は2.0リッターとなり、CLA 250が211PS/350Nm、CLA 45 AMG 4MATICが360PS/450Nmを発生する。

 また、Aクラスでは可変トルク配分式フルタイム4輪駆動の4MATICが最上位クラスのA45 AMG 4MATICしか用意されなかったが、CLAクラスではCLA 250 4MATICも用意される。

 安全装備も特徴で、レーダー型衝突警告システム「CPA」や、ドライバーの疲労を検知して警告する「アテンションアシスト」の全車標準装備化を行い、衝突が避けられない場合に自動で緊急ブレーキをかける「CPAプラス」や渋滞追従機能を持ったクルーズコントロール「ディストロニック・プラス」などをセットした「セーフティパッケージ」も装備可能とした。

 CLAクラスの価格は335万円~710万円。撮影車はCLA 180にセーフティパッケージ、バリューパッケージ、エクスクルーシブパッケージ、メタリックペイント、COMANDシステムナビゲーションフルセットを装備している。

撮影車のカラーはユニバースブルー、受注生産色でメタリックペイントのオプション料金が必要となる
フロントはライトやバンパーの形状がAクラスとは異なる
CLA 180は標準ではハロゲンヘッドライトだが、バリューパッケージ装着によりバイキセノンヘッドライトを装備。上位のCLA 250以上になるとインテリジェントライトやコーナリングライトが加わる
ドラミラーにはターンシグナルランプを内蔵
ドアノブはプレスラインの上に位置する
フューエルリッドは多くのメルセデス・ベンツ車とは反対の左後方に配置
ルーフ後方にアンテナがある
環境対応のステッカーが貼られる。CLA 180は平成27年度燃費基準+20%達成なので重量税、自動車取得税とも免税となる
リアまわり。ルーフとの一体的な造形で流麗さを演出している
CLA180のグレードを示すエンブレム
テールライトはCLA 180ではオプションのLEDタイプ。CLA 250以上はLEDが標準。バックライトまでLEDで点灯する
エキゾーストエンドは左右各1本出し
CLAクラスはすべて18インチタイヤを装備。ホイールはグレードで異なり、CLA 180はグレーペイントのこのデザインとなる
エンジンは直列4気筒DOHC 1.6リッター直噴ターボ。カバーがかかっているためエンジンのメカニズムは見えない
室内のデザインはAクラスとほぼ共通。オプションのレザーシートを装着
ステアリングホイールは革巻きでオーディオ等の操作ボタン付き。シフトレバーはコラム右側に見える
メーターはアナログが4連で中央にマルチディスプレイが備わる
ATなので2ペダル。アクセルペダルは吊り下げ式
ヘッドライトはダイヤル式。Aクラス同様、AUTOポジションはあってもOFFポジションがない。その下に電子式パーキングブレーキのスイッチがある
センターコンソールにはCOMANDシステムのダイヤルがあるのみでシフトレバーはない
液晶ディスプレイはオンダッシュに固定。CLA 180ではCOMANDシステムと液晶ディスプレイは標準装備だがナビゲーションユニットは販売店装着オプションとなる
メーター内のマルチディスプレイなどの操作を行うボタン
ハンズフリー通話やオーディオ、音声認識のボタンは右側になる
画面はしっかりとオンダッシュに固定される
シフトレバーはないが、収納やドリングホルダーがある
後部座席にもエアコン吹き出し口やDCソケットを装備する
グローブボックス
シートはレザーでカラーはナッツブラウン
リアシート
リアシートにアームレストを装備、ドリンクホルダーも用意
バイザー裏はバニティミラーがある
後席には後席専用の読書灯が備わる
ドアはサッシュレス
パワーシートを装備し、メルセデス・ベンツ独自のシート形状のスイッチで操作する
リアドア
トランクルーム
アームレストのトランクスルーを装備する
2:1分割でシートを倒すことが可能
シートを完全に倒せば長いものも積載可能
スペアタイヤは搭載しない。中にあるユニットはナビゲーション
メーター中央のマルチディスプレイは多彩な表示が可能。走行に関する表示のほか、車両設定、オーディオの状態、ナビゲーションの方向指示まで表示する
ナビゲーションはVICS/DSRC対応の国内向けに最適化したもの。地デジチューナーももちろん内蔵している

(正田拓也/Photo:堤晋一)