DIYでクルマいじり
NAOさんのDIYでクルマいじり
第19回:トヨタ「ヴィッツ」納車!さっそくバラしてカーナビ移植
(2013/7/26 00:00)
「デュエット」くんありがとう、「ヴィッツ」くんこんにちは!
カミさんとおばあちゃんが大切に乗っているトヨタ自動車の「デュエット」くんが、このたびめでたく車齢10歳を迎えた。お買い物と送迎中心のため走行距離は僅か5万km程ではあるが、10年一区切りということでこのたび買い換えることにした。
「車齢が10年を越えると、車検が年1回になって大変だからね~」という話も食卓でしていたのだが、1995年(平成7年)の車検制度規制緩和で10年を超えた普通車の毎年車検が廃止されていることは、もちろん都合よく筆者の記憶から一時的に消えていた(笑)。デュエットにできるだけボディーサイズが近い普通車という条件で車種選定をしたのだが、「アクア」は新世代ハイブリッドの魅力を差し引いても割高だということで却下、「iQ」は思いの外内装などがリッチだったが後席が狭すぎるということで却下、続いてヴィッツに試乗すると全方位でバランスがよく、若干ボディーサイズが大きくなるもののカミさんも運転しやすいと好印象。いつもお世話になっている気心の知れたディーラーさんなので、特に深~い値引き交渉をする必要もなく一発サインで祝・成約となった。
ヴィッツのオルタネーター容量は通常仕様が12V 80A(純正品番 27060-47100)、寒冷地仕様が12V 100A(純正品番 27060-47110)と2割ほどの差異があるのだが、ヴィッツで雪道ドライブに行く可能性はあまりなく、電装品もさほど満載しない予定なので標準仕様を選択。デュエットが直3 1.0リッター/3速ATだったこともあり、直4 1.3リッター/CVTのヴィッツはカミさん曰く「とっても静かでパワーがあるね~」との高評価。普段シロナガスクジラじゃなくてヴェルファイアに乗っている筆者の感想は「ちょこまか小回りが利いて、とにかく楽しい~!」と、こちらも好印象だ。ヴィッツくん、これからよろしく頼みますよ~!
納車!バッ直!ナビ!スピーカー!! よ~し、さっそくバラすぞ~(笑)。
新車が納車されたら、まずはちょっとドライブでも行こうかな♪となるのが世間の相場だが、有無を言わさず分解作業を始めるのが我が家のお約束。その昔は家族も「ええぇぇ~、何やってるの~!」「せっかくの新車が……」と驚いていたものだが、今ではすっかり呆れて、いや、慣れており、納車とバラしは一連の儀式となっている。
ドアのデッドニングやカーナビ取り付けについて、本連載ではデュエットとヴェルファイアでの事例を紹介してきたが、今回のはデュエットからのカーナビ移植とドアまわりの基本的なデッドニングを一気にやってみたい。
カーナビやカーオーディオのDIY取り付けで真っ先に必要となるインパネ分解や車速センサー等の配線情報にについては、旧ソニーモバイルサイトの流れを汲むアルパインカーフィッティング情報が大変参考になるので参照されることをお勧めする。また、オルタネーターの大小や車種を問わず、バッテリーから各種電装機器へ安定して電力を供給できる配線ハーネスキット、いわゆる「バッ直(リレー付きバッテリー直結配線)」については、お勧めを通り越して「必須」と筆者は考えているため迷わず施工した。
●アルパイン 車種線用取り付け情報
http://www.alpine.co.jp/support/fitting/
●パイオニア 30A 電源配線キット RD-221
http://www3.pioneer.co.jp/carrozzeria/products/option/option.php?id=5&no=0
バッ直配線とドア4枚デッドニングを一気に作業!
前記のとおり、ヴィッツ1.3リッター標準仕様のオルタネーター出力は12V 80A。搭載されている灯火類やエアコンの台数がまったく違うため当然と言えば当然だが、発電容量も標準バッテリー容量もヴェルファイアの約半分の仕様となっている。エンジンルームから車室内ヒューズボックスに引き込まれている配線を見ても、必要十分な容量を余裕で確保していることは重々承知なのだが、やはり配線が細いという印象は拭えない。
今回はカーナビ、カーテレビ、地デジチューナー、800WのDC/ACインバータを搭載するのだが、バッ直配線から給電することで安定した電源供給と精神的な安定感を確保できる。エンジンルームから車室内への通線は、ブレーキフルードのリザーバータンク右奥、バルクヘッドに用意されている通線用ゴムカバーから行う。チューチューアイスの先みたいになっている部分をカットして、そこから配線を通し、コルゲートチューブと耐候性インシュロックなどで固定し、防水テープでぐるぐる巻きにする。ヴィッツの場合はエンジンルーム側もステアリング下部も比較的作業しやすい形状になっていたのでスムーズに進めることができた。
コンパクトカーは物理的にもコスト的にも制約が多いため、メーカーとしてもNVH対策が難しいところだと思うが、流石はトヨタの世界戦略車「ヤリス」。防音しまくったヴェルファイアから乗り換えても、特に騒音が気になるということはまったくなかった。が、しかし、カーナビを仮配線して鳴らしてみると、スカスカで共鳴しまくるドア+超軽量純正スピーカーが奏でる音質はちょっといただけない。重ければよいというものでもないのだが、それにしても純正装着スピーカーは驚異の軽さと薄さ、よくこれで音が鳴るものだと逆にビックリするほどだ。1g単位でクルマを軽量化することで環境性能を高めようと開発努力している昨今なので、これはこれで立派というべきか。
ドアパネル4枚に基本的なデッドニング作業を施すとともに、デュエットのフロントに取り付けていた16cmスピーカーをリアドアへ移植、フロントドアには新たに購入した17cm+セパレートツイーターを取り付ける。基本的な工程は以前に紹介したデュエットのデッドニングと同様だが、新車ということでパネル内部もピカピカ状態、制振材などの貼り付けがとてもやりやすかった。
●NAOさんのDIYでクルマいじり
【第4回】お手軽デッドニングでよい音を手に入れよう
http://car.watch.impress.co.jp/docs/series/c_diy/20120131_508580.html
【第5回】「低音しっかり」で迫力のサウンドを
http://car.watch.impress.co.jp/docs/series/c_diy/20120215_508605.html
【第6回】ボーカルもはっきりさせて心地よく
http://car.watch.impress.co.jp/docs/series/c_diy/20120228_515044.html
●エーモン工業 【1161】配線ガイド
http://www.amon.co.jp/products2/detail.php?product_code=1161
フロントドアは、予想外にしっかり防音施工されていた
これまでさまざまなクルマのデッドニング作業を趣味でやってきたのだが、車格やグレード、車両価格と純正防音施工量はどうしても比例してしまう。新しくカッチョよくなったとはいえ、コスト制約が多いコンパクトカーの代表であるヴィッツの防音対策には正直それほど期待していなかったのだが、いやはやビックリ、トヨタさんさすがです。フロントドアの内張には複雑な形状にカットされたニードルフェルト吸音材が何カ所も貼り付けられており、衝撃吸収と制震性能を持たせてあると思われる大きな樹脂製パーツが存在感を主張。ドアパネル内部にも樹脂製パーツと、シート状の制振材らしき物がチョコチョコと施工されていた。まあ、たいした量ではないのだが、想像していたよりも施工個所が多かったので嬉しくなった。
続いてリアドアパネルを分解すると、おっと……これはまた見事なまでに何にもない(笑)。樹脂パッドが1つあるのみで、ドアパネル内部もまた鉄板の響きをリニアに楽しめる仕様となっていた。だが、これを持って手抜きだと言うのは大間違い。試乗時も運転と後席乗車の両方を体験したのだが、後席だけがヤカマシイといった印象はまったく受けなかった。おそらく、FFコンパクトカーとして限られたコストで最も“バランスが取れる”ように、エンジンルームや駆動輪付近を重点的に防音、リアまわりはフロントとバランスが取れるレベルに防音施工しているのだろう。もし、フロントドアと同じ施工をそのままリアドアにした場合、「なんだかフロントがうるさいな」という印象になるかも知れないのだ。多分。
必要以上にデブらせないようにしつつ、リアまわりもデッドニング
筆者はここ10年重量級車輌を乗り継いできたこともあり、どちらかというと重さよりも燃費よりも静粛性最優先!というコンセプトでデッドニング素材と施工方法を選んできた。実際、前愛車のエルグランドは「エルグランドOK」と表示されている立体駐車場で重量オーバーエラーのため駐車を断られるというビックリ体験をしたこともあった。せっかく軽快なヴィッツくんを必要以上に太らせてしまうのは本望ではないため、手当たり次第に重い素材を詰め込むことはせず、パネル密封も重いレジェトレックスではなく軽いガラスアルミクロステープなどで作業してみた。
フロントドア、リアドア、そしてリアハッチのデッドニングを一通り行ったことで、純正状態に比べて1ランク静かになったのは間違いないが、例によってタイヤハウスからの進入ロードノイズや、雨が降るとルーフのうるささが際立つようになってしまった。ここから先は絶対的なノイズレベルと言うよりはノイズ音質チューニングの領域なので、おいおいじっくりと快適な音質を求めていじっていく予定だ。
リアハッチをバラしたついでに、デュエットから取り外したバックアイカメラも実装する。もともとリアカメラ取り付け用の場所が用意されており、化粧カバーを取り外すだけでカメラを設置することができるのだが、ご存じの通り「突起物規制」が施行されているため必ず規制に対応したカバーなどを用意しよう。
●富士通テン 道路運送車両保安基準改定についてのお知らせ
http://www.fujitsu-ten.co.jp/information/importance/2009/07/20090724.html
10年経っても現役選手、カミさんお気に入りのカーナビを移植
Windows 8が発売されて全世界のパソコン売上げが約2割もダウンしたというニュースは皆さん新聞等でご覧になったかと思うが、テクノロジーの進歩が必ずしもユーザーの満足に繋がるとは限らないのが難しいところ。筆者がヴェルファイアで活用している9型大画面ナビイクリプス「AVN-ZX02i」の高性能と快適性は家族全員が認めている訳だが、エルグランド時代から愛用しているイクリプス「AVN9904HD」に搭載されたエージェント「日向エリ」さんの天然ボケっぷりも、また家族が愛してやまないキャラクターなのだ。
というわけで、一時的に隠居しているAVN778HDにはそのまま隠居してもらいつつ、冬眠していた「AVN9904HD」と、これまた冬眠していたパナソニックの2アンテナ地デジチューナー+9インチワイドモニターを復活させてヴィッツに取り付けることにしよう。流用の流用のリサイクルとなるためハーネスも取り付けアタッチメントもガタガタで使い物にならず、両面テープやタイラップで固定しつつ、配線はワンオフ製作で対応。作業量としては結構辛い物があったが、パーツ1つ1つに刻まれた想い出を楽しみつつ配線するのも、また楽しいものだ。
スペース不足を心配したが、ヴィッツのインパネ裏側は思いの外スペースに余裕があり、カーナビとカーテレビ、地デジチューナーなどのスパゲッティ配線を見事に飲み込んでくれた。
ヴィッツくん、ひとまず完成。試運転へGO!
一通りの作業を完了し、さーて試運転に行こうかと思った頃から筆者のスケジュールが急激に忙しくなり数カ月が経過、基本的にカミさんのお買い物クルマなので走行距離は5000kmほどしか伸びておらず、ちょうどならし運転が終わったぐらいのタイミングで筆者が試運転してみた。
先ずはガソリンスタンドに立ち寄り洗車、満タン、タイヤ空気圧チェックとお約束作業をしてみると、何故かタイヤの空気圧が既定のフロント250kPa/リア240kPaに対して前後300kPa=約2割増しというパンパン状態。先日某スタンドで給油した際にサービスと称して空気圧点検を受けたらしいのだが、直ちに適正空気圧に補正した。
久々にヴィッツのステアリングを握り、晴天と大雨が混在する妙な天気の中、高速と一般道を半々ぐらいに試運転した結果は平均燃費14km/L前後。──おや?エコピアを履いたヴェルファイアでの長距離ドライブと大差ないような?? まあ、まあ、新入りヴィッツくんは慣らし運転が終わったばかり。これからアタリが付いて、ばっちりコンパクトエコカーぶりを見せてくれることだろう。クルマいじり個所がたっぷりありそうなヴィッツくん、末永くよろしくね~!
【訂正】トヨタ仕様のアンテナ端子の記述を明確にしました。