NAOさんのDIYでクルマいじり
【第4回】お手軽デッドニングでよい音を手に入れよう

 

今回は我が家のスーパーお買い物カー、「デュエット」で実験することに。シンプルな設計なので、クルマいじりの入門編には最適かも

クルマのオーディオ、満足していますか?
 クルマいじりと言えばカーラジオの取り付け、というのは昔話かも知れないが、究極のプライベート空間とも言える車室内でよい音を楽しみたいのは誰もが望むことと思う。純正オーディオからカーナビ一体型ステレオへ取り替えるだけでも大幅な性能と音質の向上が望めるし、もうちょっと奮発して単体カーオーディオと交換用スピーカーなどを取り付けようものなら劇的と言ってよいほどの音質向上ができる“はず”だ。

 カーショップに行けば交換用スピーカーは左右セットで10,000円前後から売られており、試しに買って取り付けてみたことがある方も多いと思う。結果、どうだっただろうか? 恐らく大多数の人は、「まあ、この金額ならこの程度の変化かな……」と思われたのではないだろうか。

ドア内張の分解にチャレンジ!
 どんなに素晴らしいオーディオシステムを用意しても、音の出口であるスピーカーが貧相では宝の持ち腐れだし、また、スピーカーの性能を活かすためには適切なエンクロージャー、すなわちスピーカーを入れる箱が必要になる。クルマの場合、主なスピーカーエンクロージャーはドアがその役割を受け持つのだが、普通のクルマのドアは残念ながらスピーカーエンクロージャーとして最適なデザインになっていない場合が多い。

 この問題を解決するには「デッドニング」と呼ばれる作業をするのが効果的なのだが、それにはドアの内張を一度分解する必要がある。クルマの内装を「分解する」と聞いただけで恐怖を覚える方も多いと思うが、やってみると意外に簡単。まずはこの記事を見て参考にしてほしい。

ドアの内張を外す際には、ドアが全開にできるスペースを用意したい。狭いところで無理に作業すると怪我や事故の元にまずはドアロックピンをくるくる回して引き抜く。ピンやねじ類はなくさないように気をつけようデュエットの場合は隠しネジなどの仕掛けはなく、見えているネジを普通に回して取り外す
スイッチ部は金属クリップで固定されているため、内装外し工具などを使用する。傷付けないよう注意スイッチ部分を引っ張り出したところ。コネクターの爪を押して、ケーブルを外しておこう
続いてドアハンドル部分を取り外す。こちらもネジがそのまま見えているので作業は簡単だドアミラー裏の三角部分は、プラスチックのピンで止まっているため引っ張るだけで取り外せる

大胆かつ慎重にバキッ!と分解
 身近にホームオーディオ用のステレオスピーカーがあれば改めて見てもらいたいのだが、四角い箱に円形のスピーカーが数個取り付けられていて、箱の部分は完全密閉されているか、スピーカー以外に大きな穴が空いているかどちらかだと思う。前者は密閉型、後者はバスレフ型あるいはホーン型と呼ばれる設計なのだが、いずれにしても箱そのものは余計な振動や音の漏れがないようにガッチリと固められているはずだ。それを踏まえつつ、クルマのドア内部がどうなっているのか実際に分解して見てみよう。

 分解方法は車種によって異なるので、例によってディーラーに問い合わせるか、アルパインがWebで提供している「車種専用取付け情報」(http://www.alpine-fit.jp/tech-info.php)を参考にしてほしい。

いよいよドアの内張を取り外す。たくさんの内張ピンで固定されているので、それなりの力が必要だピンが抜けた瞬間、“ばこーん!”と一気に外れてくるので地面に落とさないようにしたいドアの内側は見てのとおりスカスカ状態、かつ修理用のサービスホールという大きな穴が開いている
取り外した内張には、防音用なのか衝撃吸収用なのかよく分からない緩衝材と、たくさんのクリップがある相当ていねいに作業しても、一気に取り外しても、どうしても割れてしまうクリップが発生する交換用のクリップはディーラーで注文できる。大きなカー用品店にも在庫があるので用意しておこう

 大切な愛車に思いっきり力を込めてドア内張を外したり、バキッ!という音とともにクリップを割ってしまったりとクルマいじり初めてさんにはハードルが高かったかも知れないが、思い切ってやってみると意外なほど簡単なことに驚かれると思う。もちろんパーツを壊してしまっても自己責任ではあるが、是非チャレンジしてみてはいかがだろうか。


NAO
クルマいじりは電装系もエンジンも足まわりも何でもござれのNAOさん。現在の愛車はトヨタ「ヴェルファイア」。ドライブはもちろんアウトドアも大好きで、歴代愛車はどれも過走行状態に。純正のスタイルをできるだけ維持しつつ、家族がくつろげる快適さを追求するのがモットー。

2012年 1月 31日