【第16回】北アルプスのふもと白馬村でガレットランチの巻


フランスはブルターニュ地方の郷土料理“ガレット”。これが今、白馬で大ブレイク中!?

「ねぇエイミー。このフィアットって『カリオストロの城』でルパンが乗ってる車ですわよね」
「ルパンが乗っているのはこれのご先祖様ですね。めずらしいですね、ゆきぴゅーさんから車の話題ふってくるなんて」
「だってこの車、今まで乗った車の中で一番ゆきぴゅーサイズだし、かわいらしくって気に入っちゃったんですもの」
「確かに運転してる姿とっても似合ってますよ」
「……でもおかしいですわね(キョロキョロ)……」
「どうしたんですか?」
「たしかこのへんに、後ろがガバっと開いてスーパーチャージャーでパワーアップできるレバーがあるはずなのに、無いですわ」
「…………」

 スーパーチャージャーが出ないまま向かった先は、長野県は白馬村みそら野にある「プチホテル アンシャンテ」。今回こちらの緑に囲まれたステキなホテルでいただくのは「白馬ガレット」ですの。

白馬村までは長野道豊科ICから約50km、小1時間のドライブ。左手に北アルプスを望むパノラマロード1998年の冬季オリンピック会場でもある白馬村。このジャンプ台で日本チームが感動の金メダルをとったのは12年前曇っていた空に晴れ間が出て3000m級の山が姿を現しました。さすがゆきぴゅー&エイミーのチーム晴れ女
オーナーシェフの原さん夫妻。アンシャンテはフランス語で「はじめまして」という意味なんだそうですこの日のガレットの食材。地元で採れた山菜や自家菜園の新鮮野菜がずらり信州サーモン、どーん! ニジマスのメスとブラウントラウトのオスを交配させてできたという信州ブランドなんですの

 ガレットとはフランス ブルターニュ地方の郷土料理で、そば粉を使った生地をクレープのように薄く焼いてチーズやハムなどをトッピングしたお料理。ここ数年日本でもちょっとしたブームですわよね。そこで、そばの産地である白馬村では、地元のそば粉や食材を使って作ったガレットを「白馬ガレット」と称して新名物にしていこうと地元商工会が中心になって盛り上げているんですの。

 中でもここプチホテル アンシャンテでは、正統派フランス料理としてのガレットを食べられるという情報を聞きつけたグルメ隊。道に迷ってぐるぐるとペンション街を巡回しながらようやくたどり着きました。

 オーナーシェフの原さん夫妻に出迎えてもらって、さっそくダイニングレストランへ案内された2人、白馬ガレットについてもう少し詳しく聞いてみることに。

「白馬産のそば粉やトッピングに地元産の素材を使うということの他に、白馬ガレットの定義というのはあるんですか?」
「白馬クレーピエが作るガレットでないと白馬ガレットとは謳えないんです」
「クレーピエ?」
「ええ、パティシエみたいな言葉で、クレープ職人にもクレーピエという言い方があるんですよ。商工会主催の養成講座を受けて、実技試験や学科試験をパスして、ようやく白馬クレーピエと名乗れるんです」

 という原さんはその1期生。いよいよ白馬クレーピエの作る本格ガレットをいただきます。

「キレイ~! なんだかお花畑みたいですわね」
「ホント、食べるのがもったいないくらい」

生ハムもどーん!素材選びもシェフの腕の見せどころ。お塩ひとつにしても使いわけるこだわりを聞かせていただきましたガレットの生地は丸い鉄板の上で薄くのばします。白馬ガレットを提供するお店でも、このガレット専用の鉄板で焼いているところは少ないんだとか焼くのは片面だけ。生地がパリパリとしてきたら四方から折りたたみます。おいしそう~
「生ハムのコンプレート」(手前)と「信州サーモンのガレット」(奥)「いただきま~す!」お食事は落ち着いた雰囲気のダイニングレストランでこの日はそら豆のスープ。シェフのご実家、九州から送られてきたそら豆とのこと。これが絶品!
ガレットの定番、生ハムのコンプレート。こごみやたらの芽のピクルスの酸味がとてもよいアクセントに信州サーモンの自家製スモーク。ハーブや菜の花が彩り豊か。アンシャンテのガレットは見た目が美しいのも大きな魅力ですのデザートは、こちらもそば粉で作ったロールケーキ。クリームが口の中でとろけます。苺も原さんのご実家から送られてきたものだとか

 ナイフとフォークを使ってさっそく一口。しっかりしたそばの風味と程良い塩加減が効いていてとっても美味しいんですの。なにより奥様のご両親が菜園で作っていらっしゃるという自家製野菜に旬を味わえるのがいいですわ。

「クレープだからどうしてもデザートっぽいイメージがありますが、ガレットってちゃんとした“お食事感”がありますわよね」
「そう、具材もたっぷりだし1枚食べるとお腹いっぱいになりますよね」

 最後にコーヒーを持ってきて下さった原さん、

「ガレットの生地はそば粉に塩がしっかりなじむように必ず一晩寝かせるんです」
「なるほど。ガレットランチを食べたい場合は要予約というのはそういうことなんですね」

 それにしてもスープ、デザート、食後のコーヒーまでついて1500円というアンシャンテのガレットランチ、超お得ですわよね。梅雨の晴れ間にびゅーんと白馬までドライブ、いかがでしょうか。もちろんホテルですのでゆっくりお泊まりでもどうぞ。

「青空が出てきたのでオープンにして帰りましょうか、ゆきぴゅーさん」
「わーい!わーい!じゃ次元みたいに頭出してガッツポーズしていい?」
「危ないからやめてください」

レストランホールの隣にあるラウンジ。「スキーの後ここでまったりしたいですわ~」「冬、また来ましょうか」本格フランス料理をいただけるアンシャンテには、地下室に保管してある分もふくめるとワインが2000本以上あるんだとか思わずルパン3世ごっこがしたくなる開放感。高原の風が気持ちよくてサイコーのドライブでございました

行ったところ
プチホテル アンシャンテhttp://www.ph-en.com
長野県北安曇郡白馬村北城2455-3
TEL:0261-72-6277
営業時間:レストラン11時30分~13時30分(要予約)
定休日:不定
駐車場:あり(10台)
アクセス:長野自動車道豊科ICより約1時間、上信越自動車道長野ICより約1時間。
※スープ、デザートがついたガレットランチは生地を仕込むため前日までに要予約。

URL
白馬ガレットの公式ホームページ
http://www.hakubagalette.jp/

 


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このクルマでドライブしました!

フィアット 500C 1.2 8V POP

500Cには1.2リッターエンジンと1.4リッターエンジンのモデルが用意されています。今回お借りできたのは1.2リッター。安全運転のゆきぴゅーでも高速道路ではスーパーチャージャーがほしくなる? いいえそんなことはありません。1.2リッターでも必要十分なパワーがあるし、小さなエンジンを回して走るのも楽しいものです

プロフィール

ゆきぴゅーゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。


エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。車にまったく興味がないゆきぴゅーとは正反対に機械モノが大好き。食べるのも大好き。封印したはずの赤いバンダナは、ネット上で復活希望の声があるとかないとか(でももうしません!)



2010年 6月 16日